出産後、「夫婦間のコミュニケーションが難しくなった」と感じる家庭は多く、近年は研究分野としても注目されています。
「産後クライシス」というワードも話題になりましたが、産後に夫婦関係がギクシャクしがちなのは、どうやら夫婦(男女)のコミュニケーションに対する認識にそもそも違いがあることが一因のようです。
産後の妻が求めていること、認識に大きな差
今回は、マクロミルが0歳児の子どもを持つ20~49歳の男女1,400人を対象に行った「産後の夫婦間コミュニケーションに関するレポート」(調査期間: 2016年4月25日~5月2日)について見てみます。この調査によれば、夫への「あなたの配偶者(妻)が現在、あなたに求めていると思うことは? (複数回答)」という問いに対しては、次のような結果が出ました。
1位: 配偶者の話をもっと聞くこと(51%)
2位: 配偶者の悩み・課題を解決してあげること(35%)
3位: 配偶者の行動を褒めること(31%)
一方で、妻が夫に求めていることの上位は、以下のようになりました。
1位: 子どもともっと遊んでほしい(31%)
2位: 帰宅時間を早めてほしい(29%)
3位: 子どものお世話をもっとしてほしい(27%)
さらに特徴的なのが、「夫に自分の悩み・課題を解決してもらいたい」と回答した妻は13%と、夫側の認識との乖離が大きい(夫側では2位回答)こと。お互いが求めているコミュニケーションのあり方について、夫婦間に認識のずれがあるのです。
お互いにとって心地いいコミュニケーションとは
男性は「話を聞くからには課題を整理して解決策を提示しなければ」と考える傾向にあります。一方で妻は、解決策をそれほど求めているわけではなく、ただ関心を持って話を聞いてもらうことを求めているのだと思います。いわゆる「傾聴」とよばれる話の聞き方です。
そのため、夫側はまず相手が言いたいことを全部聞き、話をさえぎったり話を聞いている間に考えごとをしたり(問題解決に意識を取られたり)しないようにすることが大切になります。そして、ゆったり目を見て話を聞いてあげましょう。そうすれば、妻は「私のことを理解してもらえた」と感じて安心するはずです。
また、産後まもない時期はどうしても子どもに関する話題に集中してしまいます。会話が一方通行にならないよう、妻側も夫の関心が高いトピックについて触れるなどの気配りが大切です。今回参照した調査でも、配偶者と話したい内容について夫と妻それぞれの回答結果が示されているので、ぜひ参考にしてみてください。
※写真と本文は関係ありません
著者プロフィール
ここるく 代表取締役 山下真実
「わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にできる子育てスタイル」を提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」を運営するママ起業家。
投資銀行や金融系コンサルなど金融業界でキャリアを積みつつ、2011年に第一子を出産。初めての子育て中に「今まで気にもとめていなかった当たり前の事が、産後は一 気にできなくなるんだ! 」と感じたことがきっかけとなり、現代に合った子育て支援を実現するため2013年にここるくを設立。同サービス運営を通じて得られる働くママ達のリアルな視点とコンサル経験を活かして、企業に対する女性活躍推進コンサルティングを行う。
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