2024年7月よりNetflixにて独占配信中のNetflixシリーズ『地面師たち』。実際に起きた地面師詐欺事件をモデルに、綾野剛、豊川悦司、ピエール瀧、山本耕史ら個性派俳優たちが出演し、緊迫感あふれるドラマを見せています。

登場するキャラクターも全員が濃い個性を持ったくせ者ぞろいで、彼らが発するセリフもかなりの濃度。流行語大賞にもノミネートされたセリフもあり、ドラマを見ていなくてもそのセリフを聞いたことがある人も多いでしょう。

  • Netflixシリーズ『地面師たち』の名言をランキング形式で紹介します (C)新庄耕 / 集英社

そこで今回、マイナビニュース会員にドラマ『地面師たち』の中で印象に残っている名セリフについてアンケート調査を実施。作品内に登場するキャラクターの名言や名セリフをランキング形式にて詳しく紹介します(※本記事はネタバレ要素を含みます)。

『地面師たち』の名言ランキング

『地面師たち』に登場する名セリフの中で印象に残っているものを聞いてみたところ、ランキングはこのような結果になりました。

1位「土地が人を狂わせるんです」(ハリソン山中:21.9%)
2位「もうええでしょう!」(後藤義雄:21.2%)
3位「目的まであと一歩というときに足を引っ張るのは 敵ではなく必ず味方です」(ハリソン山中:7.3%)
3位「何かを得るには 何かを失うのが常」(ハリソン山中:7.3%)
3位「戦争やってんだよ!俺たちは!」(青柳隆史:7.3%)
6位「人類の歴史は早い話 土地の奪い合いの歴史です」(ハリソン山中:6.6%)
6位「およそ物の価値なんてものはその時々で変わるものです」(ハリソン山中:6.6%)
8位「ぶっ壊しちまえばいいんだよ 古いもんは全部」(青柳隆史:5.1%)
9位「死人がゴロゴロ出るようなヤマです」(ハリソン山中:3.6%)
9位「最もフィジカルで 最もプリミティブで そして最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます」(ハリソン山中:3.6%)
11位「少し待たせましょう 主導権はこちらにあるんですから じらすくらいがちょうどいい」(辻本拓海:2.2%)
12位「アドリブで」(ハリソン山中:1.5%)
12位「肝心なのは似ている似ていないよりもリアリティです」(ハリソン山中:1.5%)
12位「大きい餌と大きい罠には大きい獲物がかかってきます」(ハリソン山中:1.5%)
15位「石洋社員のようなエリートは権威に弱いですからね」(ハリソン山中:0.7%)

『地面師たち』の名ゼリフ一覧

ここからはランクインした『地面師たち』の名言や名セリフに寄せられたコメントなどを詳しく説明していきます。

「土地が人を狂わせるんです」【ハリソン山中】

1位となったのは、5話で豊川悦司演じる地面師集団のリーダー・ハリソン山中が語ったこのセリフでした。綾野剛演じる辻本拓海に対し、ハリソンはウイスキーを飲みながら土地に対する考えを語ります。人間は土地を所有したがり、その所有欲が戦争を引き起こす……。まさに、地面師が存在し、彼らにだまされる人が存在する理由とも言える、この作品を象徴するような言葉です。

【このセリフを選んだ理由】

・「現実の世界でこういう人たちが多数いる気がして、とてもリアリティがありました。土地取り引きの醍醐味と怖さを感じました」(53歳男性)
・「まさにこの言葉が地面師を表していると思ったから」(65歳女性)
・「財産や金が人の正気を失わせるのは古今東西、普遍か」(62歳男性)
・「土地持ちがこの世の中で一番だとわかる」(62歳男性)
・「その通りのセリフだと思ったから」(47歳男性)
・「土地の存在で人が振り回される様子がよくわかる名言と感じました」(51歳女性)

「もうええでしょう!」【後藤義雄】

2位にランクインしたのは、ピエール瀧演じる法律担当の地面師・後藤義雄のセリフです。なりすましを使っての本人確認の際など、うまく答えられなかったり都合が悪くなったりするたびに、後藤は大声でこのセリフを発し、その場を支配してピンチを乗り切っています。2024年の新語・流行語大賞にもノミネートされたため、ドラマを見ていなくても聞いたことがあるという方も多かったのではないでしょうか。

うさん臭く、声の大きさと押しの強さで場を支配しようとする後藤という男を端的に表現したセリフでした。

【このセリフを選んだ理由】

・「決めゼリフとしてインパクトが強かったから」(44歳男性)
・「とても印象的に使用されていました」(56歳女性)
・「流行語大賞にノミネートされるくらいに、よくこのフレーズをおもしろおかしく使っていました」(57歳男性)
・「SNSでもよくワードとして出てくる言葉で、見てない人でも『もうええでしょう!』は知ってる人が多いと思う」(48歳男性)
・「2024年の流行語と言ってもいいくらいはやったのでは。よくモノマネしました」(32歳女性)
・「ドラマを代表するセリフだと思うため」(31歳男性)

「目的まであと一歩というときに足を引っ張るのは 敵ではなく必ず味方です」【ハリソン山中】

最終話で、ハリソンが拓海に語るこのセリフ。高輪の土地を巡って100億超の地面師詐欺の準備を仕込んできた彼らは、ギリギリになって大きな危機に陥ります。しかし、先を読んだハリソンの行動により、そのピンチに早めに気づくことができ、なんとかその窮地を脱することができました。人間心理を読み、早め早めに対策を打っては、被害を最小限に食い止めるハリソン。仕事のできる男です。

【このセリフを選んだ理由】

・「この場面を象徴するような的を射たセリフだと思った」(66歳男性)
・「ドキドキハラハラしながら見たけど、その通りだと思ったから」(56歳女性)
・「ドラマの中に限らず意外と見落としやすいことだから」(45歳男性)
・「とても印象に残ったから」(34歳男性)
・「自分にも当てはまるから」(55歳男性)

「何かを得るには 何かを失うのが常」【ハリソン山中】

このセリフも、最終話でハリソンが語ったセリフです。人間の心を知り尽くし、それを利用してきたようなハリソンは、何を失ってきたのでしょうか。そして、それで得たものに、彼は満足できているのでしょうか……。

【このセリフを選んだ理由】

・「まさに真理。失う覚悟なくして何かを得られるうまい話はない」(45歳男性)
・「とても人間の闇を描いている」(56歳女性)
・「ある意味、世の中の真理を突いている」(32歳男性)
・「日常的に感じることがあるので」(67歳女性)
・「心から納得させられる言葉でした」(62歳男性)

「戦争やってんだよ! 俺たちは!」【青柳隆史】

石洋ハウス開発事業部部長の青柳が、部下たちにハッパをかけるシーンで発せられるこのセリフ。不動産ディベロッパーとして開発し尽くされた東京の街を奪い合っている青柳。彼は社内の出世競争、他ディベロッパーとの開発戦争など、さまざまな戦いに挑んでいます。そしてさらに、100億をかけた詐欺戦争にも巻き込まれていくわけですが……。

コンプライアンスが重視される現在ですが、戦争中にはきれい事なんか言っていられない。やばい仕事も数々行い、人を蹴落としてでも成果をあげて今の地位までやってきた。そんな青柳の矜持とパワハラ気質がうかがえるセリフです。

【このセリフを選んだ理由】

・「命を懸けた土地の奪い合いは確かに戦争と同じようなもの」(45歳男性)
・「土地の売買に必死になっている様子がよくわかる名言と感じました」(55歳男性)
・「印象的だから。ビジネスは戦争」(38歳男性)
・「資本主義はおおよそ戦争に似ているから」(41歳男性)

「人類の歴史は早い話 土地の奪い合いの歴史です」【ハリソン山中】

こちらも、5話でハリソンが拓海に語ったセリフです。土地に狂わされ、歴史的に土地を奪い合ってきた人類だからこそ、地面師詐欺が成立する……。人を金と土地で狂わせて、エクスタシーとスリルを楽しむハリソンにとって、「土地」とは単なるゲームの盤面にすぎないのかもしれません。

【このセリフを選んだ理由】

・「人類の歴史を見れば明白な言葉で現在でも土地をめぐる争いが世界で起こっているから」(66歳男性)
・「国は戦争と移住で土地の奪い合いをして決まっている現実を示している言葉」(64歳男性)
・「本当にそう思います。世界中で戦争がなくならないのは結局土地・領土が欲しいからだと思います。人間は自分の欲しかありませんので」(63歳男性)

「およそ物の価値なんてものはその時々で変わるものです」【ハリソン山中】

こちらも同じく、5話でハリソンが拓海にかけた言葉です。彼はスコットランドのアイラ島で蒸留されたポートエレンという高級ウイスキーを拓海に薦めながら、物の価値について語ります。以前は安価で売られていた物が、状況が変われば世界中の好事家が高価格で取り引きし始める……。物の価値など、状況によって変わる。そんなふうに、絶対的な価値基準を持っていない人間は、ハリソンにとっては嘲笑の対象であり、狩りの獲物でしかないのでしょうか。

【このセリフを選んだ理由】

・「地面師たちの性格を表す名言だと思ったから」(47歳男性)
・「なるほど、と納得できるセリフだったからです」(50歳女性)

「ぶっ壊しちまえばいいんだよ 古いもんは全部」【青柳隆史】

3話で、青柳が部下たちに語ったこのセリフ。青柳はタクシーの上部にある提灯(社名表示灯)がぶつかるほど天井の低いトンネルを「提灯殺し」と説明しながら、「ぶっ壊しちまえばいいんだよ 古いもんは全部」と吐き捨てるように言います。

「土地開発」の名の下に、古い街並みを壊しては新しいビルを建てる不動産ディベロッパーという仕事。若い頃からディベロッパーとしてさまざまな街をぶっ壊してきたと思われる青柳の傲慢さと身勝手さが感じられる一言です。

【このセリフを選んだ理由】

・「場面によっては言葉と思える」(62歳男性)
・「なんか迫力ある言葉で印象に残っている」(52歳女性)

「死人がゴロゴロ出るようなヤマです」【ハリソン山中】

1話の終盤。最初のヤマを成功させた地面師たちに、ハリソンが「もっと大きなヤマを狙いませんか?」と提案したときのセリフです。冷静に考えれば、大きいヤマだからと言って死人が出るとは限らない……さらに言えば、死人を出しているのはほぼハリソン本人が原因だったりするのですが……。

セックスよりもドラッグよりも気持ちいいエクスタシーとスリルを求めて地面師詐欺を行っていると思われるハリソンにとっては、難攻不落と思われ、あんまり死人が出ないようなヤマは、退屈でしょうがないのかもしれません。

【このセリフを選んだ理由】

・「インパクトが強かった」(40歳男性)
・「大好きなセリフです。思わず使っちゃいます」(40歳男性)

「最もフィジカルで 最もプリミティブで そして最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます」【ハリソン山中】

第6話で、ハリソンが仲間を殺す前にかけるこのセリフ。このシーンで見せた、武器や凶器を使用せず、自分の体を使って相手が死亡するまで肉体を破壊するという殺し方は、まさに『最もフィジカルで 最もプリミティブで そして最もフェティッシュなやり方』と表現するのにふさわしいもの。ハリソンのフェティシズムが最も変態的に表現されたセリフでした。

【このセリフを選んだ理由】

・「どういう殺し方か興味がわいた」(47歳男性)
・「あちこちで引用されているから」(60歳男性)
・「インパクトがあったから」(33歳男性)

『地面師たち』の主要人物

ここからは、『地面師たち』の登場人物とその性格、キャストを紹介します。

人物名 キャラクターの性格や特徴
辻本拓海(綾野剛) 地面師集団の交渉役。ハリソンの右腕として、メンバーとのつなぎ役や関係者との交渉を務める。地面師詐欺にあい家族を亡くした過去を持つ。
ハリソン山中(豊川悦司) 地面師集団のリーダー。バブル崩壊後に逮捕歴があるが、現在は警察も行方をつかめずにいる。高級デリヘル嬢をめぐる事件で拓海と出会い、彼を地面師にスカウトした。
後藤義雄(ピエール瀧) 元司法書士で不動産関係の資格を持つ法律屋。相手との交渉や書類作成などを担当する。押しの強い関西弁と高圧的な態度で相手を萎縮させ、交渉を有利に運ばせる。
稲葉麗子(小池栄子) 地主などへのなりすまし役をキャスティングする手配師。全国各地で金に困ったなりすまし候補をストックしており、案件ごとに適任をピックアップ。なりすまし役の教育も担当する。
竹下(北村一輝) 詐欺の舞台となる土地の情報を集める図面師。候補地を調べ、地主の情報や土地の価格などをリサーチする。薬物中毒者でハリソンから金を引き出しては薬物に注ぎ込んでいる。
長井(染谷将太) 身分証や書類などの偽造を担当するニンベン師。ハッカーとして拓海のサポートなども行っている。猫好き。
オロチ(アントニー) 竹下の子分の半グレ。拓海からもさまざまな厄介ごとを頼まれ、尾行や張り込みなども担当する。大柄で頭に蛇のタトゥーを入れている。地面師になりたいと思っている。
青柳隆史(山本耕史) 不動産ディベロッパー、石洋ハウスの開発事業部部長。手掛けていた大型プロジェクトが頓挫したことで、出世レースから脱落しそうになり焦っている。高輪の土地の存在を知り、なんとかしてその土地を獲得しようとする。
須永(松尾諭) 石洋ハウス商業事業部部長で青柳の同期。出世競争では青柳に一歩リードしている。青柳が手掛ける高輪の土地取引を不動産詐欺ではないかと危ぶむ。
林(マキタスポーツ) 青柳とも因縁を持つ地上げ屋。ハリソンたちの地面師詐欺を見抜きながらも、ブローカーとして石洋ハウスにつながるコネクションを紹介する。
川井菜摘(松岡依都美) 港区高輪の一等地にある光庵寺の住職で、寺周辺に100億円超の価値を持つ広大な土地を有する地主でもある。剃髪した尼僧だが、歌舞伎町のホスト・楓に入れあげている。
楓(吉村界人) 歌舞伎町のホストクラブ「CRAZY LOVE」のナンバー1ホスト。児童買春の現場を拓海に押さえられ、川井を寺から連れ出す役目を担うことに。
真木悠輔(駿河太郎) 新興不動産企業・マイクホームズの社長。恵比寿駅近くの土地取引で地面師たちにだまされ、10億円を奪われる。
下村辰夫(リリー・フランキー) 警視庁捜査二課のベテラン刑事。以前からハリソン山中逮捕への執念を燃やしていた。定年を前にハリソンたちの動きを察知し、ひそかに捜査を進めていた。
倉持玲(池田エライザ) 捜査二課に異動となった新人刑事。下村とバディを組むこととなる。捜査を進めるうちに、地面師たちの存在に近づいていく。

Netflixドラマ『地面師たち』とは

ドラマ『地面師たち』は、新庄耕の同名小説を原作としたNetflixオリジナルドラマです。2017年に実際に起きた五反田の地面師詐欺事件をモデルに、地面師たちの暗躍や、加害者側・被害者側から地面師詐欺の模様を描いています。2024年7月25日に配信が開始され、3カ月で1,050万ビューを達成するなど、世界的にヒットを記録しています。

豊川悦司演じるハリソン山中や山本耕史演じる青柳など、エッジのきいたキャラクターが登場し、名セリフも多いということで、大きな話題となりました。

さらに本作では電気グルーヴの石野卓球が音楽を担当。石野卓球にとっては、初の劇伴音楽となりました。だまし合いの緊迫感を四つ打ちのリズムが盛り上げており、音楽的にも聞き応えのある作品となっています。ピエール瀧出演作品、さらに大根仁監督作品で石野卓球が音楽を担当しているということで、電気グルーヴファンにも見逃せないドラマです。

ドラマ『地面師たち』に出てくる名言や名セリフを紹介しました

ドラマ『地面師たち』は不動産をだまし取る地面師詐欺の模様を描いたドラマです。地面師を演じる綾野剛、豊川悦司、ピエール瀧、小池栄子、北村一輝らの他、だまされる山本耕史ら、濃い個性派俳優たちが顔をそろえて、数々の名セリフを披露しています。

「もうええでしょう」「死人がゴロゴロ出るようなヤマです」など、日常やビジネスシーンなどにも使えるような汎用性の高いセリフも多いので、ぜひこれらの名セリフを使いこなしてみてください。

調査時期: 2025年1月29日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計303人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

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