酒は酒でもやはりここは焼酎を……

南国、薩摩弁、薩摩隼人……独自の文化が色濃く残る鹿児島県。データをひもとくと、熱くアクティブな鹿児島県民の姿が浮かび上がってきました。

ご長寿が多く子供も多い

まずは気候面を見てみましょう。順位だけをあげてみると年間平均気温2位(1980年~2010年の平年値)、年間熱帯夜日数2位、年間真夏日数3位、年間晴れ日数13位、年間降水量6位、年間雨日数9位、年間雷日数9位と、晴れ日数・雨日数ともに多く、雷雨も多い。気温は沖縄県に次ぐ高温と、南方系のメリハリのある気候です。

暖かい鹿児島県にはご長寿が多いようで、100歳以上の高齢男性が人口10万人あたり17.34人で4位(2013年 全国平均10.95人)、女性が118.78人で4位(全国平均 72.70人)となっています。65歳以上の人の割合も26.35%で10位(2009年)とお年寄りが多いようです。では高齢者ばかりかというとそうでもなく、合計特殊出生率は1.64で4位(2012年 全国平均1.41)、15歳未満の子供の人口も13.82%で10位と高めです(2009年 全国平均13.34%)。

焼酎以外には目もくれず!?

さて、鹿児島県と言えば焼酎。もちろん焼酎消費量は成人1人あたり年間27.48Lでダントツの1位(2009年 全国平均9.21L)。一方、日本酒消費量は成人1人あたり年間1.22Lで最下位(同全国平均6.35L)、ウイスキー消費量も年間0.23Lで最下位(同全国平均 0.80L)、ワインは年間0.96Lで下から二番目(同全国平均2.38L)。

つまり、すがすがしいまでの焼酎一点集中ぶりです。さらに、全てのアルコール消費量にアルコール度数をかけた、アルコール換算の消費量は年間10.00Lで全国1位(同全国平均6.92L)。鹿児島県は日本一の酒豪県と言えるでしょう。

海外には旅行よりも海外協力!?

もうひとつの鹿児島県の特徴は"スポーツ県"。特にプロスポーツ界での活躍が目立っています。まずは相撲。人口10万人あたり力士数1.96人は全国1位(2013年 全国平均0.45人)です。

人口10万人あたりJリーガーは1.36人で4位(2014年 全国平均0.80人)、人口10万人あたりプロ野球選手は1.30人で7位(2014年 全国平均0.62人)、人口10万人あたりVリーグ選手(バレーボール)は1.10人で5位(2009年 全国平均0.55人)と、あらゆるプロスポーツ界で活躍する選手を生み出しています。

そして、鹿児島県民のアクティブさを象徴しているのが海外雄飛。海外旅行者数は人口100人あたり年間3.85人で44位ながら、戦後海外移住者数は人口10万人あたり133.37人で8位(全国平均77.44人)、青年海外協力隊延べ隊員数は人口10万人あたり37.65人で1位(2009年 全国平均26.30人)と、海外に出るなら旅行ではなく現地に飛び込んで汗を流すのが鹿児島県民のスタイルのようです。

暖かいところに住み、酒好きで運動好き。そして異文化に飛び込むのもいとわない。江戸幕府を倒し、新しい時代を切り開いた薩摩藩らしいデータと言えそうです。

鹿児島県と他都道府県の相関図。関東や関西といった本土文化の対極である

700以上のランキングから、鹿児島県の相関関係を筆者が割り出したのが上の地図です。赤は似ている県、青は正反対の県、黄色はどちらでもない県。九州が赤く、本州中央部が青くなっているのが目立ちます。関東や関西といった本土文化の対極をなすのが鹿児島県と言えそうです。

※本文と写真は関係ありません

筆者プロフィール : 横道 文也(よこみち ふみや)

統計サイト「都道府県別統計とランキングで見る県民性」主宰。様々なデータを都道府県という切り口から分析し、新たな「おむつとビール」を探すデータマイナー。時系列でデータを分析する「年次統計」や歴史年表を分析する「年表マニア」などのデータサイトも運営。