連載5回目は、熱性けいれんです。どのような時に病院に連れて行くべきなのでしょうか。また、親としてできる対処法は?

Q.熱性けいれんは、どのような時に病院に連れて行くべきですか?

熱性けいれんは、5分ほどでおさまるものがほとんどです。しかし、てんかん発作の初発であったり、予兆であったりするケースもあります。その判断をご自宅ですることは難しいと思いますし、てんかん発作につながる場合には早めの受診が必要なので、私としては、症状が起きた時点で、病院に来てもらうことをお勧めします。

Q.親としてどのような対処ができますか?

病院に連れて行く最中に、けいれんが止まってしまっていることがほとんどだと思いますが、安静にすることを第1に考えてあげてください。熱が出ているときは熱性けいれんの可能性が高いので、冷やしてあげるとよいですね。無理に刺激したり、激しく声かけをしたりするのは、逆効果です。

また、けいれんは一度おさまったとしても、再度起こる可能性があります。誤嚥(ごえん)しないよう、医師の判断があるまでは(または、安全性が確認できるまでは)、しばらく食べ物や飲み物などを与えないようにしてください。

※未就学児童の症状を対象にしています
※危険だと感じた場合は、本記事の内容に関わらず、病院での受診をお勧めします

イラスト: 山本ユウカ

竹中美恵子先生

小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。
アナウンサーになりたいと将来の夢を描いていた矢先に、小児科医であった最愛の祖父を亡くし、医師を志す。2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。以後、広島市立広島市民病院小児科などで勤務し、現在に至る。1児の母でもある。
日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本小児リウマチ学会所属。日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得
メディア出演多数。2014年日本助産師学会中国四国支部で特別講演の座長を務める。150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加する「En女医会」に所属。ボランティア活動を通じて、女性として医師としての社会貢献を行っている