株や投資など、「副業」にもさまざまなジャンルがありますが、会社員が本業のスキルを生かして別企業で副業をするということも、最近では一般的になってきています。

そんな社外副業、さて、最初の1ケ月と、3ケ月目の1ケ月では、どちらが重要だと思いますか?

実は、最初の1ケ月なんです。

  • 副業を始める際に注意したいことは?

副業での信頼を得るポイントは?

日本でもリメイク作が話題になったアメリカのリーガルドラマ『SUITS/スーツ』(USAネットワーク)にも、「First impression lasts(第一印象はずっと続く)」という言葉がありますが、その通り。

面談を経て、キックオフをする時がピークの「期待感」は、副業開始後、3週間、4週間……と経つ頃には、「お願いして良かった!」という信頼感、もしくは「ちょっと、違ったかも……」という落胆感のどちらかへと、急速に変わっていくのです。

副業人材を活用する会社の担当者さんに聞いてみても、「『参画してすぐの印象が、数ケ月先に大きく変わる』ということは、あまりない」と言います。「いいな!」と思った人はずっとしっくり行き、なかなか最初が難しかった方が大きく変化していくことも、稀なのだとか。

そう、人間関係も信頼もゼロベースからの社外副業を成功させるには、「初動が一番大事」なんです。

でも、どのようにしたら、「信頼」を得られるのでしょうか。

(1)アウトプットで信頼を得る

「まずは頼まれた仕事のアウトプットで安心してもらう」というのは、効果的な方法の一つです。

例えば、デザイン一つ、文章一つ、コード一つでも、しっかりしたクオリティのものを出す。結果になるのに時間がかかる大掛かりな仕事に比べ、すぐに結果の見える手を動かす仕事こそ、クイック・ウィンをつかむ、またとないチャンスです。

相手が喜ぶものは作るためには意図をしっかり汲み取ることが必要なので、アウトプットをする前の段階で、丁寧にコミュニケーションをすることも重要です。

「新参者カード」を使える期間は限られているので、分からないことはどんどん聞きましょう。そんなコミュニケーションのなかでも、人柄への信頼が生まれていきます。

(2)得意なことからやる

また、相談対象の業務が幾つか上がっている場合、「確実に成果を出せることから着手する」というのも副業成功のセオリーです。

例えば、ファンマーケティングをしたいという企業に対して、コミュニティ運営、SNSの運営など複数の施策案がある場合、まずは自分の最も得意とすることから着手する。そうして「〇〇さんに任せておけば、安心だね」という一定の信頼を得られたと感じた段階で、挑戦領域にも手を広げていく。

「副業では、いつもと違うことがしたい」と思う方が多いかもしれませんが、すべてが挑戦で、ノウハウや経験が生きる場面が登場しないと、企業は不安になってしまいます。

ベースとして信頼がある上の挑戦と、信頼貯金がゼロベースの挑戦では相手からの見え方も違ってくることを理解し、信頼構築を挑戦の前に持ってくるようにしましょう。

また、副業先との相性というのも、もちろんあります。

転職のように決意を固めなくともフットワーク軽く試せるのが「副業」の良いところでもあるので、一度うまくいかなかったからといって「私に副業は向いていないな」と結論づけるのではなく、自分のタイミングで、2社目、3社目と、また試してみることがお勧めです!

著者プロフィール:上原里菜


株式会社シューマツワーカーの広報として、パラレルキャリアを通した人生の可能性・副業兼業人材を活用した企業の課題解決法を啓蒙。自身も複業家として活動中。