財務省、MBA留学、マッキンゼーを経て、2015年にスタートアップ企業・ウェルスナビを立ち上げた柴山和久さん。お金にまつわる独自のキャリアを生かしながら、現在は、資産を自動運用するサービス、ロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の提供を通じて、誰でも手軽に資産形成ができる世の中を作ることにチャレンジしています。

"お金のプロ"であり多様なキャリアの経験者である柴山さんに、「お金」と「キャリア」についての質問にお答えいただきます。

Q. 将来に備えて、資産運用をしたいのですが、妻に「投資は怖い」と反対されて迷っています。(30代・会社員・男性)

■ 柴山和久さんの回答

「まだ資産運用を始めていない方から、「投資は怖い」「失敗したらどうしよう」といったお声を聞くことがあります。実は私も、20代の頃に投資で失敗した経験がありますので、お気持ちはよくわかります。

個別株やFX(外国為替証拠金取引)などの短期投資は、売買のタイミングが大事ですから、投資にかける時間も専門知識も必要になります。売買がうまくいかなければ、損失が出てしまうこともあるかもしれません。

そこで、これから資産運用を始めようという方、資産運用に割ける時間がそれほど多くないという方は、長い期間をかけて資産価値を増やす「長期・積立・分散」の資産運用をおすすめします。

「長期・積立・分散」というのは、

長期間(少なくとも10年以上)
決まった間隔で(たとえば毎月)一定額を
世界のさまざまな金融商品に分散して

投資する方法のことです。

これは、世界全体の経済活動に対してコツコツ積立で投資することで、中長期的に世界経済の成長率を上回るリターンを目指すものです。金融庁も、2016年9月の「金融レポート」で、「リターンの安定した投資を行うには、投資対象のグローバルな分散、投資時期の分散、長期的な保有の3つを組み合わせて活用することが有効である」としています。

「長期・積立・分散」の代表的な制度には、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。私たちウェルスナビが提供しているのも、「長期・積立・分散」の資産運用を全自動でサポートするロボアドバイザーです。ご自身やご家族によく合ったサービスを選び、無理のない範囲で資産運用をスタートされることをおすすめします。


執筆者プロフィール : 柴山 和久(しばやま かずひさ)

「誰もが安心して手軽に利用できる次世代の金融インフラを築きたい」という想いから、プログラミングをイチから学び、2015年4月にウェルスナビ株式会社を設立。16年7月に世界水準の資産運用を自動化したロボアドバイザー「WealthNavi」、17年5月におつりで資産運用アプリ「マメタス」をリリース。

起業前には、日英の財務省で約10年勤務、その後マッキンゼー・アンド・カンパニーに勤め、ウォール街に本拠を置く10兆円規模の機関投資家を1年半サポート。東京大学法学部、ハーバード・ロースクール、INSEAD卒業。 ロボアドバイザー「WealthNavi」の概要はこちら→https://www.wealthnavi.com/