株主優待は銘柄を買ったからといって、すぐに優待が受けられるわけではありません。買うタイミングによっては数カ月も先になってしまいます。その理由は「権利確定日」「権利付最終日」「権利落ち日」などが関係してきます。株式投資の際によく聞く言葉ではありますが、詳しく知らないという初心者のために、今回はそれぞれどのような意味があるのかをじっくり解説していきましょう。

権利確定日とは?

  • 「権利確定日」「権利付最終日」「権利落ち日」など、株主優待に関する用語を理解しましょう

    「権利確定日」「権利付最終日」「権利落ち日」など、株主優待に関する用語を理解しましょう

権利確定日とは「この日までに株主になっておくと、株主名簿に記載され、株主としての権利を得ることができる日」のことです。この権利確定日は企業の決算期と連動しますので、企業のHPに記載されている中間決算と本決算を確認しなければなりません。そして、企業によって時期が異なることも注意しておきましょう。

では、この権利確定日に銘柄を購入すれば、株主優待が受けられるのでしょうか? 実は権利確定日に株主となっているためには、この日より前に銘柄を購入していなければなりません。

正確に言うと、「権利付最終日」までに購入すれば株主になれます。株主名簿は以前、紙券で裏に名前を入れるなど手作業だったために時間がかかりましたが、現在は電子化が進み、3日ほどで株主名簿に記載されることになっています。

確定日前にも購入できる?

どのタイミングで購入すればいい?

31日が権利確定日の場合は、2営業日前(権利付最終日)の29日までに株式を購入する必要があります。権利付最終日と権利確定日の間に土日祝日がある場合は気をつけましょう。

  • 株主になるためのタイミングを知ろう

権利付最終日の何時までに購入すればいい?

株取引は午前9時~午前11時半の前場、午後0時半~午後3時の後場に分かれていますので、購入可能時間は15時までとなります。

株式を購入するタイミング、売るタイミングのまとめ

権利付最終日の翌日を「権利落ち日」と言います。権利付最終日前は、2営業日後の「権利確定日」までに株の権利を取得しようと買い注文が増加することがあり、その影響で株価が上昇する傾向にあります。反対に翌日(権利落ち日)以降は、権利を取得しても権利を行使できるのは数カ月後であるため、注文は増えず株価は下降気味になることがあります。

権利確定日に株主でいれば、配当金や株主優待が受け取れるため、最短期間だけ株主となり、すぐに売却することもできますが、配当金や株主優待目的のために売り注文が増加すれば、株価が下がることもありますので、その点は注意が必要です。

また、権利落ち日以降の株価が下がったタイミングで買い、数カ月先の権利確定日まで待つという選択肢もありますが、株価の変動を予測するのは困難なため、売買の時期は企業の業績なども考慮しながら考えましょう。

筆者のおすすめ株主優待

今回は「便利系」「食べ物系」「おもしろ系」に分けて紹介していきますので、優待銘柄選びの参考にしてください!

「便利系」イオン(8267)

  • イオンの株価推移(2019.12.12)

全国津々浦々、イオンがないエリアはないのでは? と思わせる規模の大手チェーン店。最近ではイオン銀行など多角化も進んでいますね。セブン&アイ・ホールディングス(3382)と国内小売り流通業界の2強を占めています。

  • オーナーズカード

買い物の際に、オーナーズカード(優待券)、現金またはWAON(イオンの電子マネー)などで支払います。持ち株数に応じて、購入金額合計に下記の返金率を乗じた金額を半年ごとに返金します。専門店など一部の会社・店舗では現金払いのみ特典適用になります。

  • 優待内容

毎月20日と30日は「お客様感謝デー」ですが、この日の5%割引と、オーナーズカードの買い物キャッシュバックが同時に使えるのも嬉しいですよね! またキャッシュバックとは別に、レストランや対象店舗での会計時割引や映画館優待料金で利用ができるなど、株主優待特典が盛りだくさんです。

権利確定日 2月・8月
投資金額の目安 225,000円(2019.12.13時点の株価2,250円より)

「食べ物系」コメダホールディングス(3543)

  • コメダホールディングスの株価推移(2019.12.12)

「名古屋の喫茶店のモーニングサービス」を売りに全国展開中の「珈琲所コメダ珈琲店」の本部です。三菱商事(8058)と提携も進めながら、順調に業績を拡大しています。

  • 電子マネー(KOMECA)

半期で1,000円、年間で2,000円の電子マネー(KOMECA)を贈呈します(※一部店舗では利用ができません)。

権利確定月 2月 8月
投資金額の目安 209,300円(2019.12.13時点の株価2,093円より)

「おもしろ系」ダブル・スコープ (6619)

  • ダブル・スコープの株価推移(2019.12.12)

リチウムイオン電池セパレーター専業メーカーの「ダブル・スコープ」と言われても、日常生活ではあまり目にすることはないでしょう。従って優待とも縁のない銘柄と思いがちですが、実はおもしろ優待銘柄なのです。

  • ダブル・スコープの株主優待は、韓国での工場見学!

ダブル・スコープの優待は「抽選で10名を自社韓国工場見学に招待」です。1日は現地にあるダブル・スコープの工場見学ですが、他の時間は基本、自由とのこと! 韓国旅行が当たるようなものですね。

※同伴1名まで
※要申し込み、応募口数は100株を1口として算定
※1年以上継続保有した株主が対象

権利確定月 12月
投資金額の目安 103,700円(2019.12.13時点の株価1,037円より)