みなさんこんには。節約アドバイザーの丸山晴美です。『丸山晴美の節約道場! 年100万円貯めるためのマネーテクニック』では、Q&A方式で、年間100万円を貯めるテクニックを紹介してきました。最終回となる今回は、1年で100万円貯められなかったという方からの相談です。


【Q】1年で100万円貯めようと頑張ってみたものの、普通預金口座の残高が年始めと比べて30万円程しか増えていなく、定期などもしていなかったため、結局これが年間の貯蓄額となってしまいました。自分なりに工夫をしたつもりだったのですが、足りなくなるとつい口座から引き出してしまっていたのも原因だと思います。でも、友人の結婚式や帰省、パソコン購入など必要経費だと思っているので、仕方がないと思います。やっぱり、年100万円って難しいし、僕みたいに手取り収入が少ない人はお金なんて貯まらないものなのでしょうか。


【A】どのように頑張ったのかが見えない部分もありますが、それでも1年で30万円貯まったことは素晴らしいことだと思います。何もしなければ、貯蓄ができなかった可能性も十分あったわけですから、やらないよりも、意識して行動した方が貯まることは間違いないでしょう。

100万円は10万円が10個ある状態だと考えると、1度10万円貯めることができれば、あと9回10万円貯めることができれば、100万円という目標は達成できる計算になります。ですから、10万円貯められる人は100万円貯める力が十分にあると考えられますので、年間30万円貯めたあなたにも、十分その力はあるはずです。理想は1年で100万円貯めることですが、現実的には難しいとなれば、2年、3年で100万円でも良いのではないかと思います。大切なことは、継続して貯めていくことだからです。

そして、100万円貯めることができれば同様に、あと9回貯めれば1000万円貯める力があると考えることができます。100万円貯まって満足してそこで貯蓄を止めるのではなく、そこからさらに上を目指して行くことも大切でしょう。

反省点としては、貯め方は普通預金で、生活費の残りを「残し貯め」するよりも、会社の財形制度で天引き貯蓄をして、はじめからなかったものとしてやりくりをした方が、残りやすかったのではないかと思います。

また帰省費用、家電の購入費用といった、月の生活費では対応しきれない出費に関しては、あらかじめ予想される金額を割り出して、天引きの貯蓄とは別に積み立てておいた方が慌てずに済んだのではないかと思います。あらかじめ先取りで貯蓄をして、残ったお金でやりくりできるようになれば、さらに貯まる家計へと改善することができるでしょう。

収入が少ないからお金が貯まらないわけではない

そして最後に、収入が少ないからお金が貯まらないわけではありません。収入が多くても、貯蓄ができていない人もいますし、一般的に収入が少ないと言われている年収200万円代の方でもしっかり貯蓄ができている人は多く存在しています。ですから、収入が少ないから貯蓄ができないと、決めつけることは避けるべきです。なぜなら、「収入が少ない=貯蓄ができない」と定義づけてしまうと、収入が少ないから、貯蓄ができなくても問題ないと置き換えてしまうことになりかねません。そうなると、お金が貯まらない言い訳を収入に転嫁して、そこから先に進めないまま時だけが過ぎてしまうからです。

繰り返しになりますが、手取り収入の1~3割を先取り貯蓄にして、残ったお金でやりくりをする。そして出費に関しては、優先順位を考えながら選択をしていくことも、限られた予算の中で実現していくには大切な考え方と言えるでしょう。

過去に遡ってお金を貯め直すことはできないからこそ、今現在という時間とお金を大切にしながら生活をすることがポイントとなるでしょう。

執筆者プロフィール : 丸山 晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。