英語を話したい、でも話せない……。そんな毎日から脱却しようと一縷の望みで始めた英語学習ソフト『ロゼッタストーン』。それから半年余りが経過し、今では南国リゾートまで勢いで出かけられてしまうほど、英語への抵抗感を払拭できるまでになった。

今回は前回に引き続き、南国リゾート編。マレーシアの自然豊かなジャングルに位置するリゾート「クラブメッド・チェラティンビーチ」よりお届けする。机の上に山のように積まれた仕事から逃げるようにやってきた南国の地で、英語は果たして話せるのか。

心の師匠、トム・アダムス氏

ロゼッタストーン(US:本社)のトム・アダムス氏も言っていた。「『ロゼッタストーン』はあくまでメソッドを紹介しているものだから、実際に英語を使ってみないと本当の効果は得られないと思うよ」。

そしたら、アレしかない。そう、恋である。南国バカンスでのラブロマンス。英会話力をつけるには、英語が話せる彼氏を作るのが最短ルートだ。とはいっても、本当に彼氏を作るには時間がなさ過ぎる。帰国まであと1日。妄想だけならともかく、行きずりの恋ができるほどの恋愛スキルは自分にはない。

が! しかし!! クラブメッド・チェラティンビーチには、「G.O(ジーオー)」と呼ばれるスタッフがいて、気さくに声をかけてくれる。彼らG.Oは男女ともに見目麗しい方々ばかりで目移りするほど。G.Oのファンも少なからずいるとか。それなら、個人的に素敵だと思うG.Oに話しかけて、ついでに英会話力をアップさせればいいじゃないか。高校時代、『ときめきメモリアル』にハマっていたアラサー女子として、妄想だけの擬似恋愛はお手のものである。かくして、素敵なG.O探し(24時間限定)が始まったのであった。

まずは初級編から。日本語も話せるG.Oを探すことにした私。全部英語で話すのもトライしてみたいが、分からない言葉があっても、日本語を少し話せるG.Oなら会話の手助けをしてくれるはず、そう思ったからだ。到着した日、ベッドの上に置いてあったスタッフ紹介を読み直してみる。そこには、日本語ができるスタッフの名前が書かれていた。よし、彼らを見つけて声をかけてみよう。バーの周辺でうろうろしていると、いた!韓国出身のチャンさんだ。チャンさんは日本に来た経験がある。英語もとても流暢なので英会話のこてならしには十分すぎるほどだ。

しかし、ここで誤算が生じた。チャンさんは日本語が堪能すぎたのだ。日本語のあまりの上手さにチャンさんの話に聞き入ってしまう私。チャンさんがいなくなった後、最初のもくろみが失敗したことに気づいた。英語を話すつもりだったのに……

イケメンのチャンさんはとても日本語が上手でした。英語を話すつもりが……

一瞬途方にくれるが、そんなことでくじけはしない。続いてのターゲットは、チェラティンビーチに着いた日の夜、ダンスホールで一際輝いていたG.O(仮にAさんとしよう)。シャトルバスで宿泊棟から少し離れたパンタイビーチに行く途中、たまたま席が横になったのだ。偶然というのも一種の奇跡。よし、彼に話しかけてみよう。「夜、(滞在者に)ダンスを教えてくれてましたよね」。とりあえず、話しかけると気さくに「そうだよ」と笑顔で話しかけてくれた。Aさんは日本語が通じない。これは自分の英語力をはかるチャンスになるに違いない。

……と、困った。何を話しかけよう。コミュニケーションを図りたいが、なんと話しかけていいものか。英語は思いつくものの、日本で知らない男性にアプローチしたことは皆無。女子中・高校出身で、大学時代は男性に近寄らないように生きてきた自分である。いきなり、男性に「あなた素敵ね」なんて言えるワケがない。企画倒れじゃないか……頭が真っ白になる私。そんなことは知らないAさんは、悶々としている私に、「どこからきたの?」 「いつから滞在しているの」と気さくに話しかけてくれる。

そんな不甲斐ない私に『ロゼッタストーン』は何度も助け舟を出してくれた。英語が自然と身についていたため、Aさんと話していてもちょっとした英会話がふと口から出てくることも。会話の最後には、私からも「チェラティンビーチは長いんですか」「ダンス、お上手ですね」「出身はどこですか」など質問を投げかけることができた。南国リゾートに行く前、私に「心の中の英語を吐き出すんだ!」と鼓舞してくれたトム・アダムス氏の言葉を、身をもって実感することができたのだ。

ビーチに着くと、Aさんは笑顔で手を振ってくれ、どこかへ行ってしまった。身振り手振りに助けられる場面もあったが、とりあえずは上々だろう。英語が身についているという実感、そして実際に英語で話しかけてみることで、自分に何が足りないのか、日本に帰ってから『ロゼッタストーン』でどんな勉強がしたいのか頭の中でクリアになっていくような感じがした。問題がクリアになれば勉強方法はおのずと見えてくる。よし、やるぞ!恋愛は失敗に終わったが、心の中でなにか手ごたえを感じる私であった。

英語で手当たり次第に話しかける私、スタッフの人とも仲良くなれました!

帰国の途に着く私を、G.Oの面々は笑顔で見送ってくれた。今度こそはもっとG.Oと話せるようになりたい!と心の中で思いながら、リゾートを後にする私。さて、次回は……いきなり最終回!

大団円を迎えることができるのか、次回までに英語は話せるようになるのか。

まて、次回!