真珠･野沢オークレア、内緒で始めた格闘技　両親は心の中で…

戦う女性は美しい……総合格闘技『RIZIN』で活躍する“美女ファイター”。リングの上では、闘志をむき出しに真剣勝負を繰り広げる姿で魅了してくれるが、彼女たちはオフではどんな女性なのか。この連載「『RIZIN』美女ファイター図鑑」では、そんな選手たちのプライベートに迫り、新たな魅力を伝えていく。

第7回は、真珠・野沢オークレア選手。母はタレントの野沢直子だが、格闘技は両親に黙って始めたという。今では応援してくれているが、心の中では「やってほしくない」と思われている!?

■アグレッシブさは母ゆずりじゃない

――早速ですが、プライベートが垣間見える「お気に入りの写真」を紹介してください。

大好きなワンちゃんのKUMAちゃんです。ミニオーストラリアンシェパードで、飼い始めてから2年になるんですけど、私とパーソナリティがすごく似ていると言われます。でもこの子、すごくおバカなので、私も同じように思われているのかな(笑)

――名前の由来は何ですか?

飼ったばかりの頃はまだ子犬で、後ろから見るとお尻も大きくて足も短いし、どう見てもクマにしか見えなくて(笑)。すっごくかわいいんです(笑)。最初、体重は1kgくらいしかなかったけど、今は5kgにまで成長しました。

――この写真の崖のようなところもすごいですね!

サンフランシスコのフォートファンストンっていう、地元の人でもあまり知らない秘密の場所で、すごい好きなところです。いつも雲がいっぱいあるんですけれど、こんなに晴れるのは珍しくて、この日はすごいラッキーでした。

――ここでトレーニングすることもあるんですか?

はい。階段を走ったり、砂浜でダッシュするといいトレーニングになるんです。

――好きな食べ物はなんですか?

日本のチョコレートが大好きなんです(笑)。日本のチョコレートって、コーティングされていて表面がツルツルしているじゃないですか。アメリカにはそういうチョコレートがないんですよ。味は同じなんですけど、ツルッとなってないんです(笑)

――感触が好きなんですね。

そうです！口に入れた瞬間「ツルッ…ハァ～」ってなるんです(笑)

――そうすると、日本に来たときは結構買い込んでいくんですか?

いつも何も入れない小さいスーツケースを1つ持ってくるんですが、それにチョコレートをたくさん詰め込んで帰ります(笑)

――日本のチョコレートを食べるときがリラックスの時間なんですね。

そうですね。でも、一般的に言う「リラックスする」というのはあまり好きじゃないんです。例えば、家でテレビをずっと座って見ていたりというのはあんまりなくて。あと、みんなリラックスするためにヨガとかに行ったりしますけど、私はメディテーション(瞑想)中は頭の中でいろいろ考えちゃって、リラックスどころではなくなってしまうんです(笑)私にとって体を動かすことが一番のリラックスになるので、ヨガに行ってもストレッチしている時間が一番好きです。

――あんまりリラックスしないのは、お母さん譲りですか?

お母さんはテレビをずっと見ていたり、昼寝したりしていますね。お父さんもすごくよく寝ます(笑)

――どちらにも似ずに、アグレッシブなんですね。

コーチには「too much energy」って言われます(笑)

――“ビューティー”にこだわっていることはあるんですか?

こだわりは特にないですね。他の人のかわいいトレーニングウェアをインスタとかで見るのは好きなんですけど、私がそれを着てトレーニングしたらすぐボロボロになっちゃうので、買ってもしょうがないなぁって思いながら見ています。

――試合のときにメイクはするんですか?

しないです。別に試合中は顔がどうなっても関係ないと思っています(笑)。日本の女子選手って、マツエクとかしているのでビックリしました。

――『RIZIN』で活躍するようになって、あこがれの人に会えたりしましたか?

『PRIDE』を見ていたので、五味隆典選手と一緒の大会に出場した時は夢のようでした。五味選手が隣に座ったときがあって、緊張して何も言えなかったんですけど、五味選手から「真珠ちゃん、こないだ試合見ましたよ」って声をかけていただいてうれしかったです。その後、リングの上とか、他のところでも何回も一緒に写真を撮っていただきました(笑)

――お母さん(野沢直子)のお友達で印象に残ってる人はいますか?

KABA.ちゃん(笑)。お母さんとすごく仲良くて、2人でいつも下品な話をしているんですけど、面白くて聞いていて笑いが止まらないです。でも、自分のお母さんなので聞いていて少し複雑な気持ちになります(笑)。

• 母・野沢直子(右)と

■看護師とボクシングで悩んだ

――格闘技は子供の頃からやっていたんですか?

空手を小さい頃からやっていました。妹の珊瑚が先に習い始めて、お父さんとお母さんに「珊瑚ちゃん、道着カワイイね」って褒められていたので、自分も道着を着たくなったんです(笑)。それで習い始めたらすごいハマってしまって、毎日3時間くらい練習していました。11～12歳くらいの時には子供クラスを教えるのを手伝ってお金もらっていたので、自分のトレーニング代をそれで払えるようになりました。それもすごいうれしかったですね。

――バレエもやってたんですよね。

アメリカの映画でバレエダンサーが出てくる映画があって、すごい好きで習い始めたんですけど、13～14歳くらいのときにバレエと空手の両立が難しくなって、どちらかを選ばないといけなくなってしまって。空手は仲間も試合相手もみんな男の子だったので、少し女の子っぽいほうがいいかなと思ってバレエを選んだんです。でも、ケガでバレエシューズを履くことができなくなったのがきっかけでバレエは辞めてしまいました。その後はパティシエの仕事をして、看護師の大学に入ったんですけど、やっぱり格闘技が好きという気持ちには変わりがなかったので、在学中にボクシングを始めました。

――いろいろやってたんですね!

看護師の大学に2年くらい通っていて、卒業まであと1年だったんですけど、ボクシングで格闘技の世界に入るか、すごい悩みました。それで、看護師の大学はいつでも行けるけど、格闘技は今しかできないと思って、最初は家族にも内緒で学校を辞めて、ボクシングの試合をやり始めたんです。

――気づかれなかったんですか!?

そのときはミシガンに住んでいて、サンフランシスコの家族とは電話とかメールで「今日学校どうだった?」って聞かれても、「楽しかったよ～いろんなこと習ったよ～」とか適当にウソをついて。本当は、ずっとボクシングのジムに行っているのに(笑)

――でも、いつかちゃんと本当のことを言わなきゃいけないですよね。

お父さんもお母さんも、いつも私のことを応援してくれるんですけど、「実は…」って本当のことを言ったら「ちゃんと考えたのか?」とか「本当にそれでいいの?」と言われました。お父さんは、どうせ殴られて辞めると思って、本気じゃないと思っていたみたいです。

――お母さんはどうでしたか?

お母さんは総合格闘技がよく分かっていなくて、ボクササイズをやってると思っていて、「じゃあ頑張ってね。楽しそう」とか言っていました。でも、6カ月後くらいに、YouTubeで私の好きな試合を見せたんですよ。血だらけになっている試合とか、いろんなのを見せたら、「えー! これが総合格闘技なの!? ダメダメダメこんなの。ヤダヤダヤダ!」ってすごいビックリしていました(笑)

――でも、今は応援してくれていますよね。

応援してくれるんですけど、心の中ではきっと「やってほしくない」って思っているんじゃないかな。私が本当に好きなことを見つけてうれしいと思ってくれているとは思うけど、なんで私がこれを好きなのか、まだ理解できていないと思います。

――総合格闘技はいつまでやっていこうという目標はあるんですか?

いつまで現役を続けるとか、今はあまり考えられないですね。もちろん、いつかは結婚して子供を産んで、家族も欲しいとは思っています。

――では最後に、年末の『Cygames presents RIZIN.14』への意気込みをお願いします。昨年の大みそか以来の試合となりますが…。

私はただ格闘技が大好きなだけなので、あまり、試合の目標とか、チャンピオンになりたいとかないんですが、ファンの皆さんにエキサイトでアグレッシブな試合をお見せしますので、格闘技を一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。

• 真珠・野沢オークレア
  1993年生まれ、アメリカ出身。17年に総合格闘技デビューを果たし、見事勝利。同年7月の『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 1st ROUND -夏の陣-』でプロデビューすると、シーナ・スター相手に一本勝ち。同年大みそかの『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 Final ROUND』でも一本勝ちを収める。後に右ひじ靱帯断裂の手術を行い、今年大みそかの『Cygames presents RIZIN.14』で、ヤスティナ・ハバ選手との復帰戦に臨む。

『RIZIN.14』は、フジテレビ系列で12月31日(18:00～23:45)に放送。