彼女というわけではないのだけれど、たまたま女の子と2人きりでいたときに別の女の子と出くわしてしまった。2人とも彼女ではないのだけれど、なんだかものすごく気まずい空気になって、女の子同士でダイレクトに何か言い合ったわけでも、トラブルがあったわけでもないのだけれど、一緒にいた自分は見ているだけでドッと疲れてしまった。

そんな経験をしたことのある男性は、少なくないことも思います。どうしてこのような現象が起きてしまうのかというと、

  • 2人の女の子、どちらともを女性として意識できる自分がいる。

  • どちらの女の子も、今は彼氏がいない状態。もしくは、彼氏とうまくいっていなかったりする。

  • 自分もフリー。

  • 2人の女の子から、冗談とはいえ「○○くんが彼氏だったらなー」とか、そういったおふざけをされたことがあり、なおかつ自分もそれに対応して気のあるセリフをいってみたことがある。

  • 女の子2人とも、それぞれかわいい。絶対に、需要があると思う。

こういった条件が重なったときに、「女の子2人にはさまれて、ドキドキ冷や冷や現象」が起きるようです。とはいえ、女同士は実は内心で、「なんなの、この女の子。△△くんったら、こないだ私と2人でランチしたばっかりなのに……実は意外に他にもこんな子がいたなんて」と思っていたとしても、表面上は和やかに、「はじめまして~」「こんにちは」「私は、△△くんと同じ会社で働いてる、××です~ん」「そうなんですね。私は学生時代の同級生で、□□です~。こんにちは~」と、その場は普通に会話することができたりします。底辺に流れるピリピリした空気や、いいあらわしようもないハラハラを無視すれば、なんとかやりすごせるレベルの会話をしてくれる。それが女の子というものですし、また男性は男性で、嫉妬されるオレがちょっとうれしかったりする気持ちも少しあるかもしれません。

ところが、この状態が反対だったとしましょう。女の子が友人男子と2人でいたときに、別の男子とバッタリ出くわしてしまった。別の男子は、彼女の父でも兄でも弟でも、友人でも職場の同僚でも、なんでもありです。この場合、男同士というものはいきなり臨戦モードに入ってしまって、「誰、この人。紹介して」と口当たりはやわらかく、物腰ソフトに対応していても、明らかに「ああ? 誰だ、コイツ。なんでオレの友だちと2人でいるんだ? 」という気持ちが顔に出てしまっていたり。百歩譲って、女の子と一緒にいる男性が彼女のお父さんやお兄さんなど家族だったら「誰だ、お前」な態度に出られても、多少はあきらめもつくことでしょう。自分は彼女と恋愛関係とかではないですから。早いとこ誤解をといてしまおうと、冷静に対処できることでしょう。

しかし、相手が自分と同世代の男性、例えば彼女の会社の同僚だったり、同級生だったり、年代の近い先輩後輩となると話は別です。初対面の男性2人ともが互いに不機嫌になってしまい、ぶすっと口も聞かずに立ちつくしたり、相手の男性をにらみつけたり、女の子を非常にいたたまれない立場にしていく……というのはよくあることです。しかも、男性の場合、自分が不機嫌になっていることに気付かなかったり、とんでもなく愛想が悪くなっていると自覚していなかったりするのもよくあること。

女の子が後で、「私の友だちに、ずいぶん失礼な態度じゃなかった? 」「挨拶くらい、ちゃんとしてよ」とやさしく言ったとしても、「そーかな? そんなことないよ」「向こうがちゃんとしてなかったよ」と真っ向から否定。挙げ句の果てには、「っていうか、あの人、どういう知り合いなの? 」「なんかチャラい人だね」「感じ悪くなかった? 」「ああいう人と付き合うの、よくないんじゃないかな」「だまされてるんじゃないの? 」などと、女の子の友人を否定する男子も後を絶たなかったりします。

もめるのがイヤな女の子は、「そうだった……ごめんね」「そっかー。ちゃんと私の友だちに挨拶してっていっとくね」なんて、やさしくしてしまったりして。男子の「オレは悪くない。あっちが悪い」という気持ちを否定しないままでやり過ごしてしまいます。正直なところ、女の子的には波風立たせないように、彼氏でもない男子とケンカや気まずい状態に陥りたくないため、話を受け流しているだけだったりすのですが……。

結局のところ、「オレは嫉妬なんかしていない」「別に、女友だちの○○ちゃんが他の男といようとも、なんとも思っていない」と、たいていの男子は自分の気持ちと向き合わずに、また同じことをしてしまうというパターンになるという……。女の子は、そんな男性の気持ちがわからないので、「なんで、彼女でもないのに、他の男の子と仲良くしているところを見てふてくされ、不機嫌になっちゃったのだろう。気まずいわ~」とか、「会社の先輩に友人ですって紹介したのに。あんな失礼な態度を取られてしまって困るわ~。ちょっと見損なっちゃった」とか複雑な気持ちになってしまいます。

男の子の心の中にも、少なからず嫉妬の気持ち、また、男の子特有の独占欲のようなものも実はあったりするのです。そういった男の子の嫉妬や独占欲的な部分が、彼女ではない女の子の友だちや知り合いに対して作用することもある。そこを自覚していると、女の子の友だちや知人に対しても、大人で余裕のある対応ができるようになるはずです。

クリスマスやお正月で、友だちの友だちなどと知り合い機会も多いこの時期。ぜひ、上手に女の子の男友だちと接していって、男の株を上げてほしいところです。

酒井冬雪です。私の友人曰く「男友だちに男友だちを紹介してはいけない」そうです。名言! と思いました。よいクリスマスをお過ごしください。では、またね~。