「仕事を辞める」という選択は、今や特別なことではなくなりつつあります。厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」によると、就職して1年以内に離職する割合は15.4%にのぼります。また、同省の「新規学卒就職者の離職状況」によれば、新卒で就職した人のうち3年以内に離職する割合は高卒38.4%・大卒34.9%と高水準にあります。こうした数字からも、退職は人生の節目や、ちょっとした心の揺れの中で誰もが一度は考える「身近な決断」と言えそうです。

そのうえで、「退職=個人的な感情の動き」として捉えるのではなく、「離職を社会の変化を映す指標」としても捉え、誰もが抱く「辞めたい」という気持ちの背景にある制度や構造にも目を向ける必要があります。

本連載では、退職経験を持つマイナビニュース会員のリアルな声をもとに、離職に至った経緯を青木ぼんろさんによる漫画形式で紹介します。この漫画を通じて、自分のこれからの行動のヒントを得たり、現状改善につなげたりしながら、自分の働き方を見直すきっかけになれば幸いです。

聞く耳持たない上司

  • 「じゃあ2ヶ月後に退職ってことで」  「はい」  「あの…それで」
  • 「村上くん優秀だったから残念でならないよ」  「ゆう…いやー」
  • 「やりたい道に進むっていうんだから応援しないとな」  「ゆうきゅ…まぁでもね」
  • 「有給頑張ってね」  「この上司…有給の話にいかないように…」

    退職前に有休をとろうとしても、聞いてもらえない

✅部長「有給あげるからやめないで」そんなのアリ⁉
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退職前の有休取得は権利のはずなのに、話題をそらされ続けて“なかったこと”にされるとは……。直接NGとは言わず、言わせないことで通したい――それが職場の都合のスマートな運用なんでしょうか。人への配慮よりも、穴をあけないスケジュールの方を優先する上司、あなたのそんなところが嫌で人は辞めるんですよー!


安定より自分らしさを重視

かつては「辞める」と伝えれば、上司に引き止められるのが当たり前でした。しかし今、多くの企業が個人の決断を尊重する方向へと舵を切りつつあります。近年は20~40代を中心にキャリアの流動化が進んでおり、その背景には、「安定」よりも「納得感」や「自分らしさ」を重視する価値観の変化があります。

この作品が「自分らしく働くとは何か」を考えるきっかけになれば幸いです。

退職・離職に関するアンケート

調査時期: 2024年11月19日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 506人
調査方法: インターネットログイン式アンケート