いつの時代も恋に悩める男女は多いもの。ここでは、弊誌人気連載「理系のための恋愛論」の酒井冬雪先生が、皆さんの恋愛に関する悩みにお答えします。恋愛に悩んでいる人、まずは先生に相談してみましょう!



35歳男性です。33歳の妻とは結婚3年。2歳の子どもがいます。酒井先生に相談したいのは……最近、家に帰っても妻の後姿しか見ていない、ということです。

すみません、もう少し詳しく書きます。妻の妊娠中から急激に私の仕事が忙しくなり、深夜帰宅や終日出勤の連続の日々が続きました。家に帰っても食事をとって風呂に入り、すぐに寝るといった繰り返し。妻と話す時間もほとんどなくなってしまいました。

妻は専業主婦で、当初は「話し相手になってよ」と度々言われましたが、そのうち、家に帰っても「おかえり」も言わず、パソコンの画面ばかり見ているようになりました。子供が生まれてからは、子供を寝かしつけ、その後で妻のPCタイムが始まります。

何をそんなに熱心に見ているのかと思って、ついつい履歴を見てしまいました。すると、某大手掲示板を見ているようです。書き込みもしているようで……。妻は、自分の話し相手をネットの中で見つけてしまったようです。

最近は私の仕事もひと段落し、早く帰れるようになったのですが、今度は子供の世話を私に押し付けて、休日は昼間からネット三昧です。最近では、ネットをしている妻の後姿しか見ていません。

どうすれば話好きな、明るい妻に戻ってくれるのでしょうか。



子育てしているお母さんは、24時間年中無休勤務です。子どもがうまれると、会話が通じない子どもと閉鎖的な生活を数年間は余儀なくなれますので、自分ではなかなか気付かないうちに、精神的に追い詰められていくものなのです。

私の友人の医師は、とてもマジメで几帳面でした。保育園に子どもを預けて働きながら、子どものオムツは紙オムツより布のほうがいいと思って布オムツにし、離乳食も手抜きせずにすべて手作り、子どもの着るものも作ってあげたいとお裁縫もして、目の下にクマをつくってフラフラしながら保育園に送り迎えしていました。あるとき、久しぶりに友人3人、大人だけでお茶を飲んでいると、「もう、2日寝ていない」とポロポロ涙をこぼすのです。「どうして? 」とたずねると、毎日子どもを寝かしつけた後、高温殺菌したほうがいいから子どもの衣類やオムツ、すべてにアイロンをかけている。昨日は、洗濯物がたまっていて、ひと晩中アイロンがけをしていた、というのです。私は、驚きのあまり絶句でしたが、もう一人の友人は、大笑いしたあとに薬局に行こうと切り出しました。

そして、3人で持てるだけの紙オムツを買って彼女に、「今日からもう紙オムツ。自分が身体を壊したら子どもの面倒もみられなくなるからね」と言ったのです。とはいえ、根っからの生真面目さはなかなか直りませんでしたが、彼女のほうから、「これって、おかしい? 」と子育ての悩みを相談してくれるようになったので、目の下のクマは多少なおりました。

こんな風に、張り詰めていた糸がプツンと切れてしまう瞬間が相談者さんの奥様にもあって、そのときたまたま相談者さんも忙しすぎて、妻のその瞬間を見過ごしてしまったのだと思います。大手掲示板には、身近な人には切り出しづらい悩みを抱えている人がたくさんいて、「こんな悩みを持っているのは、私だけではなかった」とホッとできる。そして、今度は私が誰かの相談に乗ってあげて、恩返ししようと思う。そうすると、どうしてもPCに向かっている時間が長引いてしまいますよね。

女性の細やかな悩みや小さなサインは、女同士でないと伝わらない部分はあると思います。けれど、一緒に暮らす家族として、奥様がいつもPC画面にばかり向いているのでは、今後、お子さんも寂しい気持ちを抱いてしまうかもしれません。相談者さんは素直に、「子育ての大変なときに、話を聞いてあげられなくてごめん」と謝ったり、そのときの自分の状況について説明したりすべきだと思います。その上で、「2人で話をして、笑いあう時間が自分にとって大切だったと気付いた。もう一度、自分を相談相手に、いちばんの友人にしてほしい」と恥ずかしくても、奥様に心を開いてみてほしいです。

休日に一緒に外出したいのでしたら、奥様に積極的に「外出しよう」と働きかけて、自分の行きたいところへ行くのではなく、奥様の希望を聞き、奥様の行動にあわせてあげましょう。そのとき、子どもの面倒はなるべく自分でみるようにして、奥様の手間を少しでも省いてあげるように心がけてみてください。

そういった行動の積み重ねで、PCに向かっていた奥様の心も相談者さんのほうへ戻ってくるかもしれません。奥様の心を取り戻すには、時間と努力が必要になると思いますが、家族のためにぜひがんばってほしいです。応援していますね。

イラスト: のでこ

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