旅のおもしろさは緊張感かな?

パリのメトロはちょっと怖い。プラス・ディタリー駅の7号線ホームに出たときもぎょっとした。ラベルのないワインボトルをかかえたおじさんが6~7人、歩き回ったりたむろしたりしているのだ。日本でいえば、ランニングシャツを着て一升瓶をかかえたおじさんたちが、地下鉄の狭いホームをふらふらして歩いているような雰囲気。

パリ市内を走るメトロ(地下鉄)のホームドア

できるだけ目を合わさないようにして、メトロが来るのをいまかいまかと待つ。ホームに入ってきたメトロのドアが開くやいなや、車両にさっと入った。スリから身を守るためだ。メトロに限らず、パリはスリが多いことで有名。かの紀行作家・宮脇俊三さんら一行も、駅で子供たちのスリに出会い、なにも取られなかったものの大変な思いをしたと書いているくらいなのだから。

パリだけでなく、外国の大半において、鉄道や駅は安全とはいえない。2年ほど前、ベルリン東駅でドーベルマンを引き連れた男に因縁をつけられたこともある。そうそう、ポーランドのポズナニ駅では、短髪の男に指を立てられながら、「日本人!」って嘲笑されたっけ。

2007年、チェコへ行ったときに乗ったプラハ発の国際列車内では、警官が巡回していたこともあった。このように、外国では必ずしも列車内が安全とは言いきれない。これはヨーロッパに限った話ではなく、かの中華人民共和国だってそう。寝台列車内を公安が巡回していて、「携帯やラジオを出しっぱなしにするな! スリに遭うぞ」と注意されたくらいだ。

それでも外国の列車に乗りたいのは、「そこで暮らす人々の生活が見えてくる」ということに尽きるかもしれない。好きなんだもん、しょうがないじゃん!(笑)

ヨーロッパの駅の治安が悪いのは、照明が暗いことも大きいと思う。

ね、暗いでしょ?(シャトレー駅構内の跨線橋にて)

ちなみに、シャトレー駅のホームから跨線橋を見るとこんな感じ

シャトレー駅からちょっと歩くが、リセ・シャルマーニュの校舎にとけ込むフィリップ・オーギュストの城壁

こちらは、国立古文書館の門の対面にあるフィリップ・オーギュスト時代の塔

パリからローカル線に乗ってヴェルノンに行ったが

パリから電車で旅するとなると、やはりTGVに乗ることが多い。でも普通のローカル線にも乗ってみたい。そんな思いで、パリ・サンラザール駅からヴェルノン駅までのんびり過ごすことにした。

2階建ての列車。さあ、これから旅に出よう!

中の様子。1等席は階段で上る

2階は1等(手前)と2等が仕切られている

ホームには2階建ての電車が待っている。Z26500型か。1等は2階の一部。階段には2等の家族連れが座り、そこをかき分けて席に座る。12時20分発の電車がヴェルノン駅に着いたのは13時6分だった。

ヴェルノン駅で降りたんだけど……、ちょっと寂しいかもしれない

ヴェルノン駅に停まっていた電気機関車。人生すべて旅路ですね

ヴェルノン駅に降りたのは、ジヴェルニーにあるモネのアトリエに行こうと思ったから。しかし、訪れたのは1月。庭園は閉まっていて、バスもない。

ヴェルノンの街。ま、とりあえずぶらぶらと

街を歩いたらセーヌ川にぶち当たった

インドシナの戦い通り

ヴェルノンの街の教会。いい感じですね

セーヌ河と橋。ぐるぐる回って写真を撮りました

しばし呆然としてしまったが、せっかくだしモネが通ったであろうセーヌ河の川べりでも見て行こうと、ヴェルノンの街をとぼとぼ歩き続けるのだった。