カラフルな色づかいとオリエンタルな雰囲気で、いま注目を集めているモロッカンスタイルインテリア。この連載では、モロッコ・マラケシュ在住でモロッコ雑貨などのショップを運営している「アトリエ・フォカリ」主宰の遠藤佳耶さんに、「モロッカンインテリア」の作り方を教えてもらいます。第2回は小物や雑貨の選び方のコツを紹介します。

インテリア小物について

内装や窓などが特殊でハードルが高そうなモロッカンスタイルですが、小物を使って日本のお部屋でも気軽に取り入れられるコツをお教えします。

【クッション】
モロッコサロンに欠かせないクッション。オリエンタルでゴージャス感あるクッションを2・3個置くだけで、お部屋の印象を変えることができる便利なアイテムです。

クッションの他、ラグやカーテンなどの大物ファブリックはお部屋の模様替えをしやすいアイテム。基本のモロッコサロンもソファ&クッション、ラグ、カーテンの3つから成り立ちます。

クッション

【シルバー小物やランプ】
エキゾチックな香水瓶やキャンドル、タッセル付きのシルバー小物にランタンなどが加われば、たちまち異国情緒ある空間が演出できます。

シルバー小物

【植物や花】
モロッコのリヤドには中庭があり、オリーブの木やブーゲンビリア、サボテン等の鉢植えを置く、小さな噴水やプールなど水場をもうけるなどしてぜいたくな空間を演出しています。

そのような大掛かりな庭でなくとも、小さなプランターやバラの花などを一輪置くだけでも、ワンランク上のぜいたく感がプラスできます。モロッコインテリア小物と草花の相性は抜群です。 

リヤドの中庭

高級感のあるファブリックなども使える!

色使いの美しさが特徴とも言えるモロッカンスタイル、本格的に作るなら「カラーコーディネート」が外せません。壁や床の「ベースカラー」、家具やカーテンの色となる「アソートカラー」、クッションや小物の色となる「アクセントカラー」の3つに分けて、お部屋全体のカラーコーディネートを考えてみましょう。

カラーコーディネートは「ベース」「アソート」「アクセント」に分けて考える

近年現地で注目されているのはグレー系モノトーンで統一したハイセンスなカラーコーディネート。民族調の色合いをあえて使わないことで、イスラム装飾の内装がモダンに表現されています。

また、モロッコらしい暖色系でまとめたり、これからの暑い季節には寒色系でまとめるのもベーシックな方法です。クッションや小物にパープル・黄緑・オレンジ・ワインレッドなどアクセントの強い色の組み合わせを持ってくるのもモロッコらしいカラーコーディネートですね。

ブラウン系カラーのコーディネート

ベージュやブラウンなど日本での定番色や、既にあるお部屋の色味をあまり崩したくないようであれば、素材や形、高級感でモロッコらしさを演出しましょう。アラベスク模様の高級感あるモロッコファブリックのクッションや大ぶりのカーテンタッセル、色鮮やかなラグや漏れる光と形が美しいランプなど日本での取り扱いも増えてきています。 

来客をもてなすことを重視する「おもてなし文化」のあるモロッコでは、何はなくともサロンに一番お金をかけ、それぞれの好みでこだわった部屋を作ります。まずはご自宅でくつろぐ場所となるリビングのソファ周りから、モロッコテイストを取り入れてみてはいかがでしょう。


遠藤佳耶さん

文化服装学院卒業後、青年海外協力隊としてモロッコ・マラケシュの職業訓練校で洋裁を指導。手仕事が身近にあふれるモロッコの魅力に魅せられ、モロッコで結婚・出産・子育てをしながらモロッコインテリアとファッション雑貨の制作工房をマラケシュで運営。モロッコ在住は11年目。「大変なことも多々あれど、創作意欲を刺激される環境に飽きることはありません」
モロッコ雑貨ショップ「アトリエフォカリ」