相場の踊り場とは、例えば、下げ相場であれば、一気に下げてきた相場が安値圏で足踏み状態となり、上げ相場であれば一気に上げてきた相場が高値圏で足踏み状態となります。
しかし、結局はその後それまでのトレンド方向、つまり下げであれば再び下げ、上げであれば上げの相場が再開する、まさに階段の踊り場のようなもので、さらにトレンド方向へ進むためにエネルギーを充電している過程だと言えます。
相場の踊り場なのか、転換なのか
上昇あるいは下落相場がトレンド相場の踊り場となるか、安値圏あるいは高値圏の形成になるかの見極めは、なかなか難しいものがあります。ひとつ心得ておくべきことは、相場自体がファンダメンタルズ的にも強いトレンド性を持っている、言い換えれば相場に勢いがあるならば、トレンド相場の一時的な踊り場であることが多く、さらにトレンド方向を続行することになる可能性が高いということです。
一方、安値圏あるいは高値圏の形成する場合でも、一転してVの字カーブを描いて急反発、急反落をするよりも、値幅的には結構広くはあります。しかし、ある一定の上下動を繰り返すことが一般的で、それがそれまでの上げ相場の後であればダブルトップや三山(トリプルトップ、さんざん)になったり、下げ相場であればダブルボトムや三川(トリプルボトム、さんかわ)になり、この上げ下げの過程を過ぎないと、多くの場合、本当の意味での相場の転換はやってこないものと思っておくべきでしょう。
相場の踊り場においては、例えば、下げ相場からの揉み合いに入ったからと、安易に今までの下げ相場もこれぐらいで終わったかと思わないことです。 たとえ終わっていたとしても、既に申し上げましたように、反転する場合でも、多くの場合、それなりの時間を掛けて上下動を繰り返さないと方向が真反対になることは、少ないからです。
しかし、もしも安値圏あるいは高値圏を形成する兆候である値幅的には結構広いある一定の上下動を繰り返すようになり、トレンド相場からレンジ相場への変わり目にあると悟ったら、手持ちのポジションを即刻手仕舞い、様子を見ることが賢明かと思います。
なぜなら、この上下動で、それまでのトレンド相場で得た利益を吹き飛ばすことは実に簡単なことだからです。完璧を狙うことは難しいですが、多少の失敗で済ませることは心掛け次第で十分可能です。
3回続けて負けたら……
では、どうやって相場が変わり目にあると悟るかということです。その点については、私は次のように考えています。
相場を張っていて、3回連続して負けた時は、自分がヘタだと思う前に、相場自体がそれまでとは違ってきていると考えるべきではないかということです。確かに、まだ初級の方の場合は、経験不足から、今までと同じ間違い繰り返していて、負けていることがあります。これは、同じ間違いを繰り返さないと肝に銘ずることが大切です。
しかし、中・上級者ともなれば、経験も十分に積み、知識も豊富だと思いますので、それほど、相場観に大きなはずれはないと思います。それにも関わらず、今までの相場観でトレードしても、3回連続して負けるということは、相場自体が変わってきていることを示し、新たな相場のテーマが何であるかを調べる必要があります。
マーケットの変化を知る術はありますので、もっと儲けたいと思う未練は忘れ、変化を示すサインには素直に従うことが賢明です。
相場転換と5日移動平均線
また、短期的な相場の転換を確認する上で、5日移動平均線が有効です。
例えば、相場が上昇を続けている時、この短期の移動平均線は鋭角的に上を向いており、下押しがあっても跳ね返す強いサポートとなっています。しかし、相場の上げが緩やかになってくると、5日移動平均線の上昇角度も緩くなります。
それでも、5日移動平均線がまだ上を向いているうちは、相場も高値圏を形成するに止まっていますが、5日移動平均線が水平ないし下を向いてくると、相場の転換、この場合で言えば、上昇から下落への転換となる可能性が高まります。
具体的に、相場転換のタイミングを確認するには、上昇から下落への転換であれば、5日移動平均線が水平ないし下向きになっているということを前提に、日足の東京寄り付きあるいはニューヨーククローズが、5日移動平均線を下回った時です。
こうなると、今まで下げづらかったところを、スーッと下げることがあり、要注意です。ここでは、上昇から下落への転換を知る上での5日移動平均線の有効性についてお話しましたが、下落から上昇への転換を知る上でも、5日移動平均線は有効です。
下落から上昇への転換は、上昇から下落への転換への過程とは逆で、5日移動平均線が水平ないし上向きになっているということを前提に、日足の東京寄り付きあるいはニューヨーククローズが、5日移動平均線を上回った時です。
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