ちょっとレアな地に旅行をすると、「そんな航空会社もあるのね」と気づかされることは多いもの。MIATモンゴル航空もそのひとつだろう。モンゴルグルメと言えば羊肉が有名だが、さて、機内食はいかに?
日本とモンゴルを5時間でつなぐ翼
MIATモンゴル航空と日本の歴史は、平成2(1990)年に始まったとのこと。当時はまだ国営だった同社が、チャーター便として初めて日本に就航したのは新潟空港だったとか。現在はウランバートル=成田のほか、チャーター便でウランバートル=静岡をつないでいる。搭乗した際は日本人の客室乗務員は見当たらないようだったが、日本語を話す客室乗務員もいるため安心だ。
座席はビジネスクラス「ブルースカイ」(2-2配列)とエコノミークラス(3-3配列)があり、日本路線には737-800が導入されている。ビジネスクラスにはパーソナルモニターが備えられているがエコノミークラスにはなく、搭乗中はみんなで同じ映画を視聴する。もちろん、日本語吹き替えはないのだが、それはそれで海外らしくて時にはいいだろう。5時間というフライト時間も、長すぎなくてちょうどいい。
ビジネスクラスならウォッカは必飲
今回はエコノミークラスの機内食を紹介。冒頭に羊肉と言ったが、期待をさせてしまったなら申し訳ない。提供されるのはビーフorチキンである。成田を14:40に出発する便では16:00過ぎにランチが提供される。量はやや少なめなようだが、この時間帯なのであまりおなかが空いていない人も多いだろう。
往路のフライトでは、どちらをチョイスしてもライスがセットになっていた。モンゴルでも米を食べる文化はあり、ウランバートル周辺に住む遊牧民宅には、炊飯器を使用している家庭もあったくらいだ。機内食のライスは柔らかく炊かれている。チキンはから揚げに甘みの強いソースがかけられており、日本人好みの味付けだった。歯ごたえのある春雨サラダで後味もさっぱり。
機内でその航空会社ならではのビールを飲むのがひとつの楽しみ、という人もいるだろう。「ビールはモンゴルのものですか? 」と尋ねたところ、「ごめんなさい、ドイツなのよ」とのこと。やや残念ではあったが、ちゃんと冷えていておいしくいただけた。
ちなみに、ビジネスクラスではウォッカ「チンギス・ハーン」が振る舞われているとのこと。英雄チンギス・ハーンの名前を冠したこのウォッカはモンゴルのスーパーでも販売されており、一度目にしたら忘れられないようなちょっといかついデザインが印象的だ。機内でも販売しているので、お土産にどうぞ。
復路もやっぱりビーフorチキン
復路のフライトはウランバートルを07:55発なので、ウランバートル内のホテルの宿泊していても、05:00起きで駆けつけることになるだろう。搭乗する前に軽く食べておいて、10:00頃に機内食の朝食をいただくというのがちょうど良さそうだ。
復路のメニューもビーフorチキン。モンゴルの人たちは肉と乳製品が主食であり、一般的に魚や野菜はあまり食べない。その意味で、肉or肉なのはモンゴルらしい選択なのかもしれない。
帰りでチョイスしたビーフには、米の代わりにマッシュポテトがたっぷりと。やや厚みのあるビーフのスライスは柔らかく、味付けは甘め。ちなみに、往路のお菓子はブルボンのバタークッキーだったが、復路のお菓子はロシア生まれのラズベリーケーキだった。食後にはコーヒーor紅茶や、ハニーローストピーナッツも提供される。
MIATモンゴル航空のロゴにも描かれている馬は、モンゴル人にとって欠くことのできない大切な存在。そんな馬が空を駆けて日本とモンゴルをつないでくれるという訳だ。同社はアライアンスに加盟しておらず、一部路線で個別にコードシェアを提携している。モンゴルに行く時だけにお世話になる航空会社にはあるが、空港で見かけた時はちょっと気にかけていただきたい。
※記事中の機内食は、2016年10月の成田=ウランバートル線で提供されたもの