「セックスレス」の解決策は?

新型コロナウィルス感染拡大の影響で、テレワークなど自宅で過ごす時間が増えた今年。家族と触れ合う時間が増えて良かったという人がいる一方で、普段は家にいないパートナーと長時間一緒にいることで衝突してしまい、中には離婚にまで至ってしまう夫婦もいるようだ。今後もしばらく“おうち時間”が続くことを考えると、できることならストレスなく生活していきたいもの。そこで今回、様々な男女問題のカウンセリングを行っている「ピリアロハカウンセリング」の代表・緒方リサコさんの元を訪ね、全5回にわけて夫婦間に起こり得る問題とその解決策についてお話を伺った。コロナ禍における夫婦間コミュニケーションのヒントになれば幸いだ。今回のテーマは「セックスレス」。

• 「セックスレス」の解決策は?

"子づくりのためだけの行為"がプレッシャーに

――なかなか人に話せないからこそ、カウンセリングに来られる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

とても多い相談ですね。結婚前からセックスについての問題を抱えていて、上手くいってない問題を明確にすることなく「結婚すればどうにかなるだろう」と思って結婚したけど、どうにもならなかったというケースもあります。状況を変えても上手くいかないことは上手くいかないので、結婚前からキチンと考えていった方がいい問題だと思います。

また、女性がある一定の年齢になって結婚された場合、子どもはどうしても欲しい、でもタイムリミットがあるということで、自分がこのタイミングでセックスすると子どもが授かりやすいという「タイミング療法」を行う場合があります。そうすると、「今日だからね?」って男性にプレッシャーをかけてしまうんです。

――ムードがなくなって気持ちが萎えてしまう場合もありそうですね。

そうなんです。カレンダーに書いてあったりして、プレッシャーでその日が来るのが憂鬱に思っていると、ラッキーなことに上司から言われて接待で帰りが遅くなったりして。そうして帰宅すると、奥様から「私がどんな思いでこの日を待ってたと思ってるのよ!」みたいに怒られて、ますますセックスレスになってしまうというケースがあります。

でも、これじゃあ妻に悪いと思って、本当に自分は男性として機能しないのかどうなのかを試すために、風俗店に行ってみたという方もいるんです。そうしたら大丈夫だったと。じゃあ、自分も子どもが欲しいし、来月こそは妻を悦ばせようと思っていたんだけど、風俗店のカードが奥様に見つかって、喧嘩になったという話は何件か聞きました(笑)。

やっぱり、「子どもを授かりたい」というだけのセックスになってしまっているということはすごく感じますね。

マンネリを解消する方法を相談し合うべき

――なるほど。子づくりのプレッシャーとは別に、長い間一緒に暮らしていて、だんだん没交渉になることもあると思いますが、そういう相談に対してはいかがですか。

そうなると、ご夫婦にとってのセックスの意味・価値をどのように捉えていらっしゃいますか? とお聞きします。夫と妻でそこが違う場合がありますよね。そこも含めて、結婚前に自分たちにとってセックスとはこういうもので、こうしていこうね、という共通認識の話し合いはされましたか？と伺います。

• 様々な男女問題のカウンセリングを行っている「ピリアロハカウンセリング」の代表・緒方リサコさん

――若い頃と違って、単純に飽きていてその気になれないということもあると思うんですよ。

日本におけるセックスの話ってオープンじゃないですし、住宅事情もあって難しいと思うんです。子どもがいる中で、起きてこないか気にしながらとか。そうすると、特に女性の方は母親という立場もありますから、夫との時間に集中できない。なので、付き合って結婚するときから、これからも月2回でもいいからホテルとかを活用して、2人の時間を大事にしようね、って話し合うことはとっても大事なんじゃないでしょうか。

やっぱり、付き合ってるときは会えることも非日常だからときめきますけど、24時間常に一緒にいると、変な話セックスだっていつでもできると思ってしまいますから、気持ちも萎えていきますよね。なので、夫婦間におけるセックスというものをちゃんと定義づけすることは、日本人の私たちにとって、すごく大事なことなんじゃないかと思います。

――なかなか、夫婦間でちゃんと話し合うことってないですもんね。

日本の場合はそうですよね。でもやっぱり夫婦関係の肝になってくるところだと思うので。60歳を過ぎていて仲良しのご夫婦は、普通にセックスもしてますもんね。ある一定の年齢になると、「痛いから嫌」とかっていうこともあると思うんですけど、閉経していても目の前の人にときめいていたら、女性ホルモンは出ますし、そうするとスムーズになるんですよ。相手のことをどれだけ自分が愛おしいと思えるかというだけの話で、年齢は関係ないですね。