ママ友ができると一緒に遊びに行ったり、育児の相談もできたりして楽しい反面、考え方が合わなくて困ってしまうこともありませんか? 私が戸惑ったのは、車で行く方が便利な場所に遊びに行くときに、ママ友の親子を乗せるかどうかです。今回は、ママ友との「車問題」にどう対処したかをご紹介します。

「車問題」のはじまり

前回ご紹介したように、私は子どもがまだ小さい頃、ママ友を作らなきゃと必死になったけれど、なかなかできないと悩んだことがありました。その後、気持ちを切り替えて自然体で過ごしていたところ、徐々にママ友と呼べるお友達ができてうれしく思っていました。

普段は近所の公園で一緒に遊ぶことが多かったのですが、そのうち、少し離れた遊び場に行こうという話が出てきました。電車やバスを乗り換えても行けますが、車だと電車などで行くよりも時間が大幅に短縮される場所です。

ママ友の中には、普段よく運転しているママ、運転免許は取得しているけれど運転していないママ、運転免許を取得していないママとさまざまでした。そこで、普段よく運転しているママが車を出し、ほかのママ友親子を乗せて行くことになったのです。

私は普段よく運転している方でしたが、妊娠を機に運転免許を取得したので、運転期間がまだそれほどなく、家族以外の人を車に乗せてうまく運転できるか不安でした。なので現地集合を提案しましたが、「せっかく一緒の場所に行くんだから、別々で行くより一緒に行った方が楽しいよね」と言われると強くは言えませんでした。

さらに、チャイルドシートも付け替えることで数が足りていたので、理由にはなりませんでした。そして、このときは人数や車の種類などの関係で私は乗せてもらう側になり、今後、乗せる側になることを断りづらくなったのです。

運転疲れや駐車場代……モヤモヤが不満へ

家族以外の人を乗せて運転するようになると、普段の運転以上に緊張して疲れると感じ始めました。そして、駐車場代やガソリン代についても、運転を担当していることを考えると、負担を分け合いたいと感じるようになりました。

  • 運転疲れやガソリン代の負担でモヤモヤ……ママ友親子を車に乗せたくない

    運転疲れやガソリン代・駐車場代の負担でモヤモヤ……

しかし、人を乗せて目的地に行ったとしても自分の親子だけで行ったとしても、かかる駐車場代やガソリン代は一緒だと思うと、こちらから請求しづらいとも感じてモヤモヤしていました。

そのうち、車を出していないママ友から、車で行くのが便利な場所へのお出かけを提案されるようになったり、私の運転だと酔わないから私の車に乗りたいと言われたりして、私の運転をあてにされることへのモヤモヤが不満に変わっていきました。

ですが、断る理由が見つかりません。今さら、運転が苦手とも言えないし、チャイルドシートの数も足りているので、それを理由にすることもできません。どうしよう…と困ってしまいました。

車の所有者「夫」を理由に

ある日夫にこの車問題の愚痴を言ったところ、「駐車場代とかガソリン代の前に、人を乗せて運転するリスクって考えてるの? 」と言われました。どれだけ安全運転を意識していても、絶対事故に遭わないとは言えません。

いくら同乗している人の怪我までカバーする自動車保険に入っていても、お金の補償があればすべて解決とならないのが人間関係だと思います。今まで運転に対する負担や細かいお金のことを気にしていましたが、それどころじゃないと気がつきました。同時に、夫から指摘を受けたことも、車の同乗をお断りする理由にできないかと考えました。

そして、次に車でのお出かけの話題が出たときに、「夫から万一のときを考えて、基本的に家族以外を乗せて運転しないように言われたの」とお断りしました。実際には、夫に言われて私自身も感じたリスクです。しかし、「誰が」そう判断したのかを、その場にいない、かつ、車の所有者である「夫」にすることで、ママ友も「しょうがないね」と納得してくれました。

起きる前に対処するのが一番

その後私は離婚をしたので、今は夫を理由に断ることはできません。なので、「万一のときを考えて、基本的に家族以外を乗せて運転しないようにしているの」と私の判断として伝えています。母としての年月もそれなりに経ち、意見をはっきり言えるようになったので、車問題が起きる前に、我が家のルールをさらっと告げられるようになりました。

その中でも、たとえば突然の雨で傘を持たない子どもを迎えに行ったときなどは、子どものお友達も車に乗ってもらうなど、臨機応変に対応して良い関係を保っていると思います。

まだ子どもが小さく、ママ友付き合いにも気を遣っている頃ですと、我が家のルールだからとさらっと告げられず、当時の私のように悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。「運転に自信がない」や「チャイルドシートの予備がない」という理由が有効な場合もありますが、「大丈夫、大丈夫」と言われたり、「チャイルドシートは持参する」と言われたりして断りづらい場合もあります。

車問題に限らず、トラブルは起きる前に予防できるのが一番です。その場にいないけれど影響力のある「夫」を理由にすることは、ママ友付き合いの中で最も角が立たない断り方の一つでしょう。同乗の話が出た段階で対処して、せっかくのママ友付き合いを悩むことなく楽しく過ごせるといいですね。

筆者プロフィール: 半沢まりこ

オフィスシンシア代表
貯金ゼロ・パート収入のみで離婚し、お金の知識の重要性を痛感する。ファイナンシャルプランナーの勉強をした結果、生活の質を変えずに離婚前よりも貯金できるようになる。現在は、離婚前後の女性のお金と心の専門家として、講座や個別相談をはじめ、シングルマザー向けのコーチングでも活動中。自身のホームページ
AFP/GCS認定コーチ/マイライフエフピー認定ライター

イラスト=オオノマサフミ