「投資信託とは何か?」、色々な説明がありますが、利用者の立場からすると、「自分でできない投資」を運用の専門家に「信じて託す」、ということだと思います。「信じて託す」ために大切なのは、どんな投資ができるのか、ちゃんと理解すること。今回は、投資信託の種類でよく対比されるインデックスファンドとアクティブファンドについて、それぞれを利用することでできる「自分でできない投資」を探ります。

  • 投資信託を学ぶ/インデックスファンドとアクティブファンド

まずは、インデックスファンドとアクティブファンドのよくある説明をご紹介しましょう。以下、ご確認ください。

■インデックスファンド
東証株価指数(TOPIX)等のマーケットの動きを代表する指数(インデックス)に連動する運用成果を目指すファンド。

■アクティブファンド
マーケットの動きを上回る運用成果を目指し、独自に予測や手法を駆使して運用するファンド。

言葉で説明するとこんな感じです。でも、投資初心者にこの説明だけでは、どんな投資ができるのか、「自分でできない投資」がどういうものなのか、イマイチ、ピンとこないでしょう。ですので、私は初心者向けセミナーでは、日本株式に投資する投資信託について、組入上位5銘柄と組入銘柄数を紹介することがあります。何事も具体的なイメージを持ってもらうことが、ちゃんと理解してもらうための近道だと思うからです。どんな説明をしているのか、少しだけご紹介しましょう。

日本株式インデックスファンド※
組入銘柄数=2,132銘柄
上位5銘柄(構成比)
1位 トヨタ自動車(3.5%)
2位 ソニー (1.8%)
3位 三菱UFJファイナンシャルG(1.7%)
4位 ソフトバンクグループ(1.5%)
5位 日本電信電話(1.5%)

日本株式アクティブファンド※
組入銘柄数=270銘柄
上位5銘柄(構成比)
1位 ミスミグループ本社(4.4%)
2位 三浦工業(3.7%)
3位 キーエンス(3.5%)
4位 オリンパス(2.8%)
5位 シマノ(2.6%)

ご覧のように、インデックスファンドには日本の大企業が並んでいますね。つまり、日本の企業を規模の大きなものから順に投資しているのです。日本の企業全体に投資することになりますので、その値動きはマーケットの動きを代表する指数(インデックス)に連動するのです。組入銘柄数も2千以上ですから「自分でできない投資」ですね。

一方、アクティブファンドには大企業というよりは、特色ある企業が目につきます。運用の専門家が独自に予測や手法を駆使して運用している証左でしょう。300弱という銘柄数自体「自分でできない投資」と言えそうですが、数千銘柄から選ぶほうがもっと大変ですよね。

なお、それぞれの商品に1万円投資すると、350円はトヨタ自動車、440円はミスミグループ本社に投資することになります。こんな分散投資も含めて、「自分でできない投資」を具体的にイメージできれば、「信じて託す」ことで投資の第一歩を踏み出せるのではないでしょうか? ご参考まで。

※日本株式を投資対象とするインデックスファンド(DCダイワ日本株式インデックス)とアクティブファンド(フィデリティ・日本成長株・ファンド)の運用報告書を基に作成。記載の銘柄はインデックスファンドとアクティブファンドの違いを説明するための例示であり、投資推奨を目的としたものではございません。