令和2年5月29日、公的年金と私的年金の改革法が成立しました。昨年12月の税制改正大綱で今回の年金改革が打ち出された際、年末にネットセミナーに出演し、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の何がどう変わるのかを解説しました。

以下、そのセミナーの様子を再現してみました。

Mさん「iDeCoって、私も利用できるのですか? 」

私「フリーアナウンサーのMさんは、自営業者ですから、もちろんiDeCoを利用できますよ! 」

Mさん「私でもできるってことは、つまり、iDeCoは誰でも利用できるってことですか? 」

私「いい質問ですね。ご説明しましょう! 」

「iDeCoは原則、20歳から60歳までなら誰でも利用できる制度です。でも、今の時代にあってない部分もあるんです。例えば、今や60代でも働き続けるのが当たり前ですよね。公的年金も65歳からですし、60歳を過ぎてもiDeCoで積み立てたい、という方が増えているのです。60歳までしか積み立てできないのが、少し時代遅れではないか、ということです」

「そして、もう1点。実は会社員の中には、一部、iDeCoを利用したくてもできない方がいます。会社員がiDeCoを利用しやすくなるように規制緩和ができないか、というのがもうひとつの課題です」

「こうした使い勝手の悪い部分を修正するため、今回の年金改革法ではiDeCoの利用者拡大に繋がる改正がありました」

年金改革法の大きなポイント(括弧内は施行日)

(1)最長65歳まで加入可能に(2022年5月~)
(2)iDeCo+の対象企業拡大(公布日から半年以内)
(3)企業型DC加入者のiDeCo利用要件緩和(2022年10月~)

私「まず、60歳まででなく、65歳までiDeCoで積み立てできるようになります((1))。横方向にiDeCo利用者が拡大するイメージですね。そして、次は縦方向で、会社員がiDeCoを利用しやすくなります((2)と(3))。」

「それぞれの施行日はまだ先ですが、iDeCo利用者はこれから横と縦に広がるので、私は、全員「iDeCo」時代がやってくる、と思っています(笑)。」

Mさん「なるほど~、横と縦に広がるって表現、とても分かりやすいですね。全員『iDeCo』時代っていう意味も、よく分かりました。ありがとうございます! 」

※厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案(令和2年3月3日提出)」をもとに大和証券作成。なお、海外居住者も国民年金の任意加入被保険者ならiDeCoを利用できるようになります。