問題をおさらい!
正解はこちら!
【答え】日産「MID4」(Ⅱ型)
答えは「幻のスーパーカー」と言われた日産「MID4」の「Ⅱ型」です。
「MID4」はコンセプトカーで終わってしまった幻のスーパーカーです。あのホンダ「NSX」より5年も早く登場したにもかかわらず、すぐに市販化されてもおかしくないほどに洗練されたスタイルを持っていました。ちなみに車名の「MID4」は、エンジンをミッドシップに搭載する4WDのスーパースポーツカーであることを意味しています。
1985年の「東京モーターショー」に登場した「MID4」は、会場の話題を独り占めにしました。その理由は、リトラクタブル・ヘッドライトを採用したスタイリッシュなデザインのボディに新開発の「VG30DE型」V型6気筒DOHCエンジン(最高出力230PS/最大トルク28.5kg・m)をミッドシップレイアウトで搭載し、さらにはフルタイム4WDといわゆる4輪操舵機構の「HICAS」(ハイキャス)を採用したスペシャルなクルマだったからです。
そして、2年後の東京モーターショーに進化版の「MID4 Ⅱ」が登場します。
スタイルはさらに洗練されたものとなり、インテリアには後に発売となる「R32型スカイライン」や「Z32型フェアレディZ」につながるモダンかつ先進的なデザインが採用されていました。
「MID4 Ⅱ」で進化した点はデザインだけではありません。「MID4」で横置きレイアウトだったエンジンは縦置きレイアウトに変更。さらにはツインターボ化(VG30DETT型)し、最高出力が330PS、最大トルクが39.0kg・mにまで向上しました。
オーソドックスな前後マクファーソンストラット式であったサスペンションも、「MID4 Ⅱ」ではフロントがダブルウィッシュボーン式、リアがマルチリンク式に変更。「MID4」の特徴だったハイキャスも引き続き採用していました。
「MID4 Ⅱ」はすぐに発売となってもおかしくないほどの完成度を誇っていましたが、採算面の問題がクリアできなかったことなどの理由で、残念ながら市販化には至りませんでした。ただ、日産が「MID4 Ⅱ」に盛り込んだ技術の多くは、その後に登場する「Z32型フェアレディZ」や「R32型スカイラインGT-R」などが採用しています。裏を返せば、「MID4」および「MID4 Ⅱ」が存在していたからこそ、1990年代に日産の「黄金時代」が到来したと言えるかもしれません。
それでは、次回をお楽しみに!
監修: 旧車王(https://www.qsha-oh.com/)
「旧車王」は20年以上の実績を誇る、全国出張型の旧車専門の買取サービスです。スポーツカーや特殊なモデル、希少車も多く取扱っております。旧車王の特徴は、お客様の愛車を査定ではなく「鑑定」し、高価買取を実現していることです。「鑑定」とは、年式や走行距離、グレードだけでなく、機関系の状態や足回りの状態、下回りの錆やステアリングの状態、車台番号とエンジン番号の確認などさまざまな情報をもとに旧車の価値を見極めることです。また、車輌そのものの状態だけではなく、お客様の愛車に対する想いまでを汲み取り、買取金額に反映いたします。大事なおクルマを責任をもってお預かりし、長い歴史が刻まれた旧車を「自動車文化遺産」として次世代へつないでいくため、次のオーナー様へと橋渡ししております。