新天皇ご即位にともない、伊勢神宮を筆頭に神社がいま脚光を浴びていますが、その道のトップにいる人たちにとっては、神社は当たり前の存在です。たとえばプロ野球のキャンプが始まる際には、各球団が神社で祈祷をしますし、年初の仕事始めには、多くの企業が祈祷をします。成功している経営者ほど、熱心に神社にお参りをしていますし、もっといえば神社に行かなくても"神降ろし"によって、神さまと繋がっています。なぜ成功者は神さまを求めるのでしょうか。これから5回にわたって、ビジネスパーソンが正しく"神頼み"するための作法について解説していきたいと思います。

  • 社長はなぜお参りするのか?

成功者ほど神の存在を信じている

ビジネスの成功哲学で有名なナポレオン・ヒルは、「成功の最終極意は、この世の中に神さまはいると思うことである」という名言を残しています。信仰とは無縁に思える"ビジネスに長けた人たち"も、最終的にはこの境地にいたることがトップの世界に入れる極意であるとわかっているのです。このトップの人たちは、世界の人口の約5%しか存在せず、その5%の中の2%が超トップを極めているといわれています。

およそ8割の人は、完全ではないものの神さまと繋がることで、幸、財、禄、衣食住のすべてを改善することができます。8割の中で成功をつかめれば、ご利益そのものは十分ですが、それでは、トップの世界に仲間入りできるかもしれない残りの2割にはなれません。

実力を100%発揮しながら「勝つか負けるか」の勝負をしている中で、勝利を収める人が何千人もいるわけです。上位の世界というのは、才能にあふれた人が真面目に努力をしながら競争している世界。それを最低限の条件としているので、才能があってありったけの努力をしても勝てない人がいます。勝てる人とそうでない人とでは、いったい何が違うのでしょうか?

それはズバリ「運」です。勝てる人にはあふれるほどの運があり、やることなすことすべてがうまくいきます。勝てない人には、それがありません。「運」だといわれたら身も蓋もない話に聞こえるかもしれませんが、豊かな運をつくりだすのは、「神さまはいらっしゃる」という思いにほかなりません。

神話・物語がパワーを引き出す

私たちの潜在意識には、神話や伝説に見られる物語の元型(アーキタイプ)が確実に刻み込まれています。なぜなら、神話や伝説は古(いにしえ)の昔から語り継がれてきているものであり、長年にわたって、私たちに影響を与えているに違いないからです。一般的には、神話はただの昔話であり、懐古趣味だという理解にしかなっていません。ところが本当は、神話こそ人間の精神エネルギーの源泉であり、強力なパワーとして実際に使えるニュースソースなのです。

個人の力には限界があります。「できる人」は最初から個人の力を最大限に使っています。そこから大成功する側へ突き抜けて行くにはどうすればいいのかというと、「物語」や「神話」からパワーを引き出し、自分の力に転生して使えばいいのです。要するに、個人の力を超えなければ運はよくならないのです。

成功している人たちは、金運も仕事の成功も、すべてが物語の力に連動していることを知っています。その物語を目標設定やゴールとすることで、目前の事象を説明することができるわけです。失敗している人たちは、上位構造の神話的世界が現実に力を及ぼすような形で動いていることなど思いもよりません。要するに、成功できなかったり不幸だと感じたりする人には、物語が足りないのです。

それでは、具体的にどのように神話や物語を自分の中に落とし込んでいけばいいのでしょうか。

次回以降で、順に紹介させて頂きます。