健康管理の一環として関心が高まっている「腸活」。バランスのよい食生活や適度な運動など腸内環境を整えることによって、体調や肌、ダイエット効果が期待できます。

今回、マイナビニュース会員に「腸活をしていますか(していましたか)?」と質問したところ、約6割が「はい」と回答。また、「はい」と回答した人に腸活方法について聞いたところ、「腸に良い食事をする」「ストレッチや軽い運動をする」「腸マッサージ」「腸活サプリ」などの回答がありました。しかし、「そもそも何から始めたらいいのか分からない」「この腸活方法で合っているのか」など、悩みを抱える人も多いようです。

そこで今回は、マイナビニュース会員から腸活に関する悩みを募集し、医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センターの中路 幸之助先生にお答えいただきました。

乳酸菌の種類が多すぎて何を摂取したらよいのか迷います。何を摂取するのが効果的なのでしょうか? (女性 / 63歳)

中路先生: 乳酸菌はどれをとれば効果的か? というご質問をいただいておりますが、腸内細菌の最近の話題として、日本人の腸内細菌叢は近隣の韓国や中国とは異なる腸内細菌叢で、むしろオーストラリアなどの海藻を良く食べる地域のものと似ていることがわかってきました。

元々日本人の腸内にはビフィズス菌が多く、中年以降に加齢とともに減少していきます。これらの腸内細菌が作りだす酪酸や酢酸などの短鎖脂肪酸と呼ばれるポストバイオティクスが、腸管の免疫を制御するリンパ球を活性化したり、便通や排便の調子を改善することなどもわかってきました。

乳酸菌の多い食品は?

中路先生:: 乳酸菌の多い食品は、納豆、チーズ、ヨーグルト、キムチなどの発酵食品です。また味噌、醤油、日本酒にも乳酸菌が多く含まれています。

腸活には乳酸菌の何を摂るのが効果的?

中路先生: 乳酸菌の種類による効果の違いですが、免疫力を高めたり、コレステロールをさげたり、ダイエットには乳酸球菌やラブレ菌をとるのがよいと思います。
また便通をよくする整腸作用のある乳酸菌にはビフィズス菌、ガセリ菌、シロタ株などをとるのがよいでしょう。そして腸管免疫力を高めるには、乳酸かん菌をとるのが良いと思います。

摂取する適切な頻度は?(朝晩など)

中路先生: 乳酸菌は夜寝ている間に活発になるため、寝る前にとるのがよいかもしれません。バナナや大豆など、乳酸菌の餌となるオリゴ糖を多く含む食材や、ごぼうやキノコ、ブロッコリーなどの食物繊維の豊富なものと一緒にとるとよいでしょう。どの乳酸菌が合うかは2~3週程度実際に飲んでみて、自分の整腸の具合などをみて決めましょう。あまり合わないと感じたときは、しばらく期間を開けてから、別の乳酸菌を試してみるとよいと思います。

また乳酸菌を含む食品をとるのはよいのですが、とりすぎるのも関心しません。カロリーが高いものが多く、血糖値の上昇や、脂質異常をきたす場合があります。チーズには塩分も多く含まれるため、頻回の摂取は高血圧を誘発する可能性があります。たとえば、ヨーグルトの一日の摂取量は大人で100から200グラムとされており、過量にとると、腹部の張りや下痢などの副反応をきたす場合があり注意が必要です。なんでも適量、腹八分めが大切です。朝、晩など一日のうちで決まったタイミングに摂取するのがよいと思います。

監修ドクター: 中路 幸之助先生

1991年兵庫医科大学卒業。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医/日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医 / 日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医


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