入社1年目で知っておきたい「ビジネススキル」とはどのようなものでしょうか? 時間管理やコミュニケーション、PCスキルなど、会社や業界を問わず、身に着けておくと役立つスキルをチェックしていきましょう。

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 ディレクターであり、社内外でビジネススキルに関する研修やセミナーを行う木部智之氏の著書『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)より、一部を紹介します。

第2回は、「小さくとも自分の仕事に責任を持つ」です。

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小さくとも自分の仕事に責任を持つ

若手のうちは、どうしても単純で簡単な業務や、部分的で小さな仕事を任されることが多くなりがちです。あなたはそうした仕事を、あまり重要ではない仕事と思っていませんか。あるいは、まだ若手だから責任のない仕事を任されている、と思っていないでしょうか。

もし、少しでもそう思っているなら、自分の仕事の意義と責任について考えてみましょう。

自分が任されている仕事の結果を説明できるか

「責任を持つ」という言葉の意味は、役割、役職で変わってきますが、ここでは、若手のうちに経験する小さな仕事における責任に限って述べます。

「責任を持つ」とは、簡単にいえば、自分の仕事の結果を他人に説明できる、ということです。説明責任ともいいます。

ここでいう説明とは、お客様であったり、上司や社内の他部署であったり、ビジネスのオフィシャルな会議の場で、ということです。

例えば、お客様との会議で上司や先輩がすべて説明してくれることがよくあると思いますが、そういった場で、自分が担当した部分だけでも自分で説明する、といったことです。

そのような場で、「説明しないといけない」と思っている仕事と、「説明しなくていい」と思っている仕事では、取り組み方が変わります。私も経験がありますが、説明しなくてもいいときは、どうしても甘さが出てしまいます。任された仕事を単に完了するのと、その成果を人に説明(報告)することとの間には、天と地ほどの差があるからです。説明しなくてはいけないとなれば、なぜその方法を取ったのか、なぜそう判断したのか、どれくらいのバックデータを調査したのかなど、目に見えるアウトプット以外の根拠を説明できるようにしなければいけません。こう考えると、「指示されたことをやっただけです」という仕事ぶりは通用しなくなります。

自分の仕事は、社内の誰よりも詳しくあれ

また、説明するということは、質問が発生する、ということです。質問に答えるというのは、さらに難度が高い仕事です。緊張もしますし、どのような質問がくるかわからないので、事前に自分の考えを整理したり、データを調べておくといった準備も必要です。

得意先や営業先でも、いつ説明を求められても大丈夫なように準備ができていれば、あなたはそのぶん成長することができます。

「今回は説明できません」と言うと、先輩や上司は「しようがないな」と代わりに説明してくれるかもしれませんが、それであなたがその仕事を任されている意味があるのか、自問すべきでしょう。

あなたがその仕事を任されている、ということは、その組織であなた以外にその仕事をしている人がいないということ。だから、どんなに小さな仕事でも、大きな責任を持ってしっかり仕上げなければいけません。そして、その領域で何か問われたときにはきちんと説明できなければいけません。相手が先輩であっても、社長であってもです。それが自分の仕事に対して責任を持つ、ということです。

  • 『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)より

『入社1年目のビジネススキル大全』

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ISBN:9784837928904
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