「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第193回のテーマは「夫の一番の仕事は妻のケアではないか」です。

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家事を分担している我が家ですが、育児の負担はどうしてもパートナーよりも私に偏りがちです。

先日、学級閉鎖がありました。去年体験した保育園の休園よりは短くて、よかったといえばまだよかったのですが……。それでもイレギュラーな子どもの休みには親は振り回されてしまいます。そして主に振り回されるのは……私です。

コロナ禍も3年目となると、タブレットを使ったオンライン授業がスムーズに行われている……のかと思いきや、オンライン授業、やってみると結構大変でした。

小学生だけでオンライン授業をやるのは、なんのトラブルもなければできるかもしれないけれど、何か問題があれば親が対応せざるを得ません。誰か一人でも授業にログインできていなかったりすると、その対応に先生が時間を取られてしまう。うちもログインできない授業があれば、ママ友に「入れないけどそっちはどう? 」とLINEして確認するなど、トラブル対応に奔走するはめになりました。

我が家の暮らす自治体はすでに全校生徒に一人一台タブレット端末が貸し出しされています。そして自宅のネット環境に左右されないように、独自のネット回線が各々の端末に契約されています。つまり、使い慣れている自宅のWi-Fiとかじゃないんですよね。そして我が家は夫婦揃ってAppleユーザーで、PCはMacしか触ったことがありませんが、息子の端末はもちろんWindowsです。

そんなわけで、息子が「回線がつながらない~」とか「タブレットの表示がおかしくなっちゃった」とか言うたびに、グーグルで検索し、わからないなりに調べてどうにかこうにかあれこれとトラブルを解決してあげることに……。

そして、そんな調子なので「ちゃんと授業受けられてる? 」と心配になって横から見ていると、息子自身が授業に飽きて他のことをやり始めたり、やらなくてもいい設定をいじり始めたり……。「ちょっと! ちゃんとやんなさいって! 」「余計なことしてまた表示変わったりしたら困るでしょ」とかついつい小言を言ってしまいました。

普段の授業だったら、よこからあーだこーだ親から言われないため、息子は「もうお母さんがいないところでやる! 」と別の部屋に行ってしまいました。まあ、そのほうがお互いのためにも平和だったかもしれません。

しかしまだ一年生なので、授業は午前中のみ。そう……いつもは学童に行ってもらっている時間帯も家にいます。お昼ごはんが終わってからいつもは仕事ができる4時間。学級閉鎖中なので遊びに行くわけにもいかず。家の中で過ごさせるしかなく、暇を持てました息子をどうするか……? ワークをさせたり、本を読ませたり、いろいろあれこれと世話を焼くことになり、この対応も大変でした。

そして翌朝、タブレットを開くと「2時間目は図工」という表示が……! 「お母さん、材料ちょうだい」とのこと。せ、せめて前の日に教えてくれないか……と思いつつ、工作の残りのモールやリボンなどを家中からかき集めて事なきを得ました。しかし、何も工作の材料になるようなものがないご家庭もあったのでは、と勝手に心配してしまいました。

とはいえ学校側も、オンライン授業の用意が前からできていたわけじゃないんですよね。学級閉鎖が決まったのは、前日の授業が全て終わった後。夕方になって「明日から○日まで、学級閉鎖です」と通達がありました。そのまま週末に入るのに、いつも持って帰ってくる体操着や上履きなども持って帰ることができないくらい突然の学級閉鎖。ということは、先生たちも突然オンラインで授業をせざるを得ず、対応が大変だっただろうな……と感じました。

我が家はまだ、在宅で仕事をしているからいいほうで、突然前日の夕方に「明日から学級閉鎖です」は、外で働いてる共働き家庭にはかなりの無茶振り。先日会ったママ友は「学級閉鎖も、濃厚接触者になるのも死活問題」と言っていました。

ほんの数日ですが、学級閉鎖を実際に体験してみたところ「オンライン授業ができれば休校になっても大丈夫」とはあまり言えないな……できる限り、学校に行ってほしい……! と思いました。

ですが、私がそんな思いをしてる間、パートナーはあまりいつもと変わらずに仕事をしていました……。炊事はパートナー担当なので、昼食を3人分作ってくれるのはパートナーですが、それ以外は特に変わらず。

息子はお父さんには何も言わないのです。息子の困りごと全てが「お母さん」に持ち込まれます。パートナーは、「何でもお母さんが言うこと聞くからそうなるんでしょ」と言うのですが、あなたが自分がやっていることを優先して息子の話をすぐ聞かないからこうなるのでは、という水掛け論になりがちです。

でも、息子の前で両親が世話の押し付け合いをしてるのを見たら、子どもは傷ついちゃいますよね。そんなのはイヤなので、ついつい私がやってしまう。そうすると息子は私にしか言わない、というサイクルになります。

せめて、パートナーは「息子の世話を頑張ってやっている妻」を褒めたりねぎらったりするべきだという話をしました。我が家ではパートナーに美味しいものを食べさせてもらうことでとりあえずのバランスをとっています。

子どもの世話の割合が少ない方は、それを当たり前だとは思わずに、多くやっているパートナーのねぎらいを忘れずにしてほしい、と声を大にして言いたいです。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。