「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第108回のテーマは「お風呂サイクルの変更」です。

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我が家は子どもが生まれる前から朝風呂派でした。「子どもができたら夜風呂になるよね~」と思っていたのですが……つい最近まで、朝風呂でした。赤ちゃんって生まれたてのころってお昼くらいに「沐浴」すると指導されて、それでずっとお昼くらいに沐浴をさせていました。

ある程度大きくなってから、夜にお風呂に入れようとしたのですが……すごい大泣きするのです。うちの子はとくに環境の変化が苦手で、お風呂がイヤだったというのもあるのですが、夜は機嫌が悪くてさらに悪化。お父さんがお風呂に入れて、私が受けとる……というのは、わりと一般的な赤ちゃんのお風呂の入れ方だと思うのですが、あまりにも大変なのでやめました。

何冊か読んだ育児の本に「無理して夜にお風呂に入れなくてもいい」とも書いてあって、確かにそんなに泣かれて親も子も疲弊するなら、別に「夜にお風呂に入る」ということにこだわるのはやめようってことにしたんですよね。とはいえ、大きくなってから「夏は汗をかいたりしててそのまま寝るのがイヤだなあ」というときは簡単にシャワーを浴びたりとかしていました。

我が家は来年から小学生です。その場合、今の保育園よりも朝の時間が早くなるんですよね。「このまま朝風呂を続けるのは朝の支度が大変なんじゃないか」という心配がありました。しかしいかんせん、環境が変わるのが苦手な息子。習慣化されたことを変えるのも結構大変です。

ところが……! 最近「夜にお風呂に入りたい」と言い出したのです。最近ドラえもんなどのマンガを読むせいか、世の中的には「夜寝る前にお風呂に入る」のが一般的だということに気がついたのかもしれません。

じゃあ、我が家の懸念だったお風呂問題、夜にお風呂に入るということで解消!……となったのですが……。私自身は「朝、頭を洗いたい」タイプなんですね……。なので、お父さんと息子が夜にお風呂に入ってくれたらいいなと思ったのですが……。それは全然ダメでした。息子は「お風呂はお父さんとは入らない」と……。夜はお父さんと息子でお風呂、朝は私だけ早起きしてお風呂に入るのが一番効率がいいんですが……!

結局、夜は「お父さん→私が息子の付き添いとしてお風呂に入る」ということになりました。私は頭を洗うと乾かしたりするのに時間がかかるので、朝は頭だけ洗うためにお風呂に入ることになりました。

夜も朝も風呂に入る生活……! と思ったのですが、最初に「無理して子どもを夜にお風呂に入れなくてもいいよね」という考えもあったので、自分たちが快適ならどんな生活習慣でもいいんじゃないかなと思うことにしました。

ちなみに私は湯船に浸かることにまったく執着がなくて、一人暮らしのときはほぼシャワーのみでした。パートナーが湯船に浸かるのが好きなので、結婚してからはお風呂を毎日沸かしてお湯に浸かっています。なので、別に朝はシャワーだけでもいいのですが、お湯を張ったまま朝に再び沸かし直して入ることにしました。

すると、なぜかパートナーも夜に入ったはずなのに「お湯があるならもったいないから……」と2回お風呂に入るように……! な、なぜ!? と思ったのですが、パートナーはお湯に入るのが好きなのです。夜も朝もさっぱりできていい……とのこと。

私は息子が1人でお風呂に入れるようになったら、夜は入らないかな……と思っています。ちなみに、好きで2回入ってるのはお父さんだけ。もちろん、息子は夜だけです。「快適な共同生活のために必要なのは『設定の変更』」では「合理的に作業してできないとイライラする」と言っていたパートナーですが、朝と夜に2回お風呂に入ることは「合理的じゃない」とは思わないようです。

それはパートナーが「お風呂が好き」だというのがわりと大きいと思うのです……。あとは公共料金を払っているのは私……というのもあるかもしれません。お風呂にかかる水道代とガス代は私持ちなので、私が「もったいない!」と思わない限りは問題が起こらない構造になっています。

ちなみに、朝も全然お風呂に入ろうとしなかった息子がお風呂に入らなくてよくなっただけで、朝の時間はだいぶ短縮されました。大人が一日2回お風呂に入っても、大人の進行で進められれば時間は無駄にはならなかったのでよかったです。

今回みたいに、お互いの利害が衝突しなければ「我が家が最も快適に暮らせる」ルールにしちゃうというのは、全然アリだなあと思います。細かく聞いてみると、お風呂の順番とかどういうタイミングでお風呂に入るかというのも、実は家庭によってさまざまだったりするんですよね。

世の中的には「お風呂に入らないで寝具に入るとかは不潔」派の人もいますが、我が家は「枕カバーとかタオルとかシーツとか適度に洗えばOK派」です。パートナーがあんまり加齢臭とかしないタイプだというのもあるかもしれませんが……。とかく我が家は「みんなが不快・不満」じゃなければそれでいい、という考えです。

「普通はこうでしょ」とか「こうあるべき」といった「世の中の正しさ」を追い求めるよりは、夜に時間がないなら朝風呂にしちゃうとか、朝に時間がないから夜シャワーですませるとか、事情に合わせて自分たちが最も快適になれるルールにしてもいいんじゃないかなと改めて感じました。

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