広島県といえば、1000m級の山が連なる中国山地と、穏やかな瀬戸内海に囲まれた地形で全国6割の生産量を誇る、牡蠣の一大養殖地として知られています。
牡蠣のほかにも広島風のお好み焼き、もみじ饅頭、瀬戸内レモンなど魅力的なグルメが充実。観光地では「原爆ドーム」や「厳島神社」が世界遺産となっており、「しまなみ海道」なども人気です。
この広島県にライバルがいるとすれば、どの都道府県になるのでしょうか。本記事ではマイナビニュース会員を対象にアンケート調査を行い、結果をランキングにまとめました。ぜひ、ご自身のイメージと照らし合わせてみてください。
広島県にライバルの都道府県はあると思う?
広島県にライバルの都道府県があると思うかを聞いたところ、回答は以下のようになりました。
ある…63.6%
ない…36.4%
広島県のライバル県ランキング
次に、広島県にライバルがいるとすればどの都道府県だと思うか、上の質問で「ある」と答えた方に聞きました。得票数の多かった順にランキングにすると以下の通りです。
1位 岡山県(35.6%)
2位 大阪府(24.7%)
3位 福岡県(6.2%)
4位 山口県(5.7%)
5位 長崎県(3.6%)
6位 宮城県(3.1%)
7位 北海道(2.1%)
7位 愛知県(2.1%)
ここからはランクインした都道府県の概要と、アンケートに寄せられた「ライバルだと思う理由」や「広島県を訪れるのにおすすめの季節」などをご紹介します。
1位 岡山県(35.6%)
広島県のライバル県ランキング、1位は「岡山県」でした。広島県の東隣りに位置する岡山県。広島市も岡山市も新幹線「のぞみ」の停車駅があり、人口50万人以上の政令指定都市という点は同じ。ただし、岡山市は人口約70万人であるのに対し広島市は約120万人と、都市としての規模は広島市が大きいといえます。
広島県は瀬戸内レモンが有名ですが、岡山県も「くだもの王国」とされ、なかでも桃やぶどうの栽培が盛ん。ぶどうの収穫量は、山梨県、長野県に次ぐ全国3位となっています。また、北部の蒜山(ひるぜん)の山麓ではジャージー牛の飼育が行われ、日本最大規模の飼育地に。瀬戸内海では多種多様な魚の漁や、のり、牡蠣の養殖が行われています。
岡山県は文化的な観光スポットが充実し、歴史的な町並みが残る倉敷市の「倉敷美観地区」や、日本初とされる私立西洋美術館「大原美術館」のほか、日本三名園のひとつとされる「岡山後楽園」などが代表的。岡山県児島と香川県坂出は「瀬戸大橋」で結ばれ、四国へのアクセスも便利です。
ライバルだと思う理由
「Jリーグで、広島と岡山のチームの試合が中国ダービーと言われるから」(48歳男性)
「どちらの県も牡蠣の養殖が有名で美味しいから」(57歳男性)
「広島のほうが都市として有名だが、鉄道は岡山のほうが便利だと思う」(38歳男性)
「広島県はレモン生産量が日本一。岡山県も果物栽培が盛んだから」(57歳男性)
「隣同士で、方言も似ていると思うので」(44歳男性)
2位 大阪府(24.7%)
2位は「大阪府」でした。面積は全国で2番目の狭さ、しかし人口は800万人以上という大阪府。東京に次ぐ大都市として、関西圏における経済や文化の中心地となっています。「水の都」、「天下の台所」、「食い倒れの街」などの異名があり、これらは江戸時代に運河が整備されて日本各地からの商船が多く行き交っていたことなどが由来となっています。
大阪府と広島県の共通点には、どちらにも熱烈なファンをもつプロ野球チームがあってライバル関係にあることや、お好み焼きという名物グルメがあることなどが挙げられます。大阪にも麺を使ったお好み焼きがありますが、「モダン焼き」と呼ばれ、「広島風お好み焼き」とは作り方も違います。大阪ではほかにも、たこ焼き、豚まん、串カツなどが人気です。
ライバルだと思う理由
「やっぱり、お好み焼き対決は両県にとって永遠のテーマなのでは?」(48歳男性)
「広島風のお好み焼きを、大阪では『モダン焼き』と呼んでいるので」(51歳男性)
「タイガースとカープの戦い」(50歳男性)
3位 福岡県(6.2%)
3位は「福岡県」でした。九州の北部に位置し、九州の玄関口としての役割を果たす福岡県。福岡市と北九州市と、政令指定都市をふたつ抱えています。特に福岡市の天神は九州一の繁華街とされ、オフィスビルや商業施設が集中。屋台の文化も発展し、所狭しと並ぶ屋台ではラーメンやもつ煮、炭火焼きなどが楽しめます。
一方、北九州市はかつて製鉄業が盛んに行われた場所。日本の近代化を支えた「八幡製鐵所」はそのシンボルとして世界遺産に登録されています。学問の神様の菅原道真をまつった「太宰府天満宮」も全国的に有名で、合格祈願をする学生でにぎわっています。
ライバルだと思う理由
「広島県は中国地方の代表、福岡県は九州地方の代表」(55歳男性)
「両県ともにプロ野球熱がすごい。カープvsソフトバンクがライバル関係にあるので」(42歳女性)
「どちらも大きな都市だが、人気があるのは福岡の方かなと思う」(46歳男性)
4位 山口県(5.7%)
4位は「山口県」でした。広島県の西隣りに位置し、三方を海が囲む自然豊かな山口県。県の中央部には日本最大規模とされるカルスト台地が広がり、地下には「秋芳洞」などの鍾乳洞が点在しています。夏は涼しく、冬は暖かい鍾乳洞。棚田のように重なる岩や天井から垂れるように伸びる岩など、別世界が広がっています。
山口県は長州藩として、幕末に重要な役割を果たした場所です。現在の萩市には高杉晋作や伊藤博文などの著名人を輩出した「松下村塾」の塾舎が保存され、観光名所となっています。そのほかにも、砂浜と海の美しいコントラストが見られる「角島大橋」、木造のアーチが美しい「錦帯橋」など、観光の魅力も充分。
ライバルだと思う理由
「単に隣だからというだけでなく、経済的には広島県のほうが優位だと思うが、政治に関しては山口県のほうが存在感があるのでは」(60歳男性)
「広島県よりも山口県のほうが、有名な観光地の数が多いと思う」(46歳男性)
5位 長崎県(3.6%)
広島県のライバル県ランキング、5位は「長崎県」でした。無人島を含めると、1400以上の島々を有するとされる長崎県。島の多さや複雑に入り組んだリアス海岸などの影響で、海岸線の長さは北海道に次いで2位となっています。好漁場に恵まれ、まぐろやふぐ、さば、とびうおなどが多く水揚げされています。
広島県と長崎県には、原爆が投下された都市という悲しい共通点も。爆心地近くにある平和公園には、平和のシンボルとされる「平和祈念像」や、原爆資料館などがあります。また、長崎県には「明治日本の産業革命遺産」や「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」など、世界遺産に登録された遺構が多く残されています。
ライバルだと思う理由
「ライバルというより、被爆地として広島県とともに平和を訴える使命があると思うので」(51歳男性)
「観光名所がたくさんあり、食べ物も美味しいから」(48歳男性)
6位 宮城県(3.1%)
6位は「宮城県」でした。東北一の都市・仙台があり、日本三景のひとつとされる「松島」や、「秋保(あきう)」や「鳴子(なるこ)」など、情緒ある温泉地が人気の宮城県。色とりどりの笹飾りが通りを飾る「仙台七夕まつり」にも多くの観光客が訪れます。
広島県と同様に、宮城県では牡蠣の養殖が盛んです。生産量は圧倒的に広島県の方が多いですが、宮城県はその広島県に次ぐ全国2位の生産量。のりやわかめなどの養殖も行われるほか、かれいやひらめ、さんま、まぐろなどが水揚げされる、全国屈指の漁業県となっています。
ライバルだと思う理由
「ともに牡蠣の名産地なので」(56歳男性)
7位 北海道(2.1%)
7位は「北海道」でした。東日本最大の歓楽街とされる「すすきの」、赤レンガ倉庫や美しい夜景が楽しめる函館、畑がパッチワークのように連なる富良野、手つかずの自然が残る知床など、魅力が尽きない北海道。「都道府県魅力度ランキング」では常に1位をキープしています。
新鮮な海の幸にも恵まれ、鮭、いくら、うに、かに、ほたて、ほっけ、にしんなどその種類も豊富。豪快な海鮮丼が楽しめる函館の朝市などは、観光客に大人気のスポットです。ほかにも、じゃがいもやメロンなどの農産物、ミルクやバターなどの乳製品、スープカレー、ジンギスカン、ラーメンなどの北海道グルメも充実。
7位 愛知県(2.1%)
7位には「愛知県」も入りました。東京都、神奈川県、大阪府に次いで、人口が4番目に多い愛知県。県庁所在地の名古屋は、東海地方最大の経済都市とされています。主に自動車産業が盛んで、トヨタ自動車の企業城下町としての一面も。
愛知県の観光地といえば、「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内にある「ジブリパーク」、金の鯱(しゃちほこ)がシンボルの「名古屋城」、伊勢神宮に次ぐ大宮とされる「熱田神宮」などの観光スポットも。味噌かつや味噌煮込みうどん、ひつまぶしなど、「名古屋めし」が楽しめるのも魅力です。
広島県を訪れるのにおすすめの季節は
次に「広島県を訪れるのにおすすめの季節」を聞きました。回答は以下のようになりました。
1位 秋(9月~11月)…28.9%
2位 年間通しておすすめ…27.8%
3位 春(3月~5月)…21.1%
4位 夏(6月~8月)…12.4%
5位 冬(12月~2月)…9.8%
秋(9月~11月)がおすすめの理由
「秋の宮島はすてき。また行きたい。宮島に泊まるのがおすすめです」(58歳女性)
「野球もシーズン終盤になって盛り上がっていそう。グルメを楽しむのにも秋が良いと思うので」(48歳男性)
「もみじ饅頭が名物なので、やはり紅葉が気になります」(56歳女性)
「観光するのに最適な気候で、お酒や広島の牡蠣を堪能できるので」(57歳女性)
年間通しておすすめの理由
「瀬戸内の穏やかで温暖な気候は、いつの時季もおすすめ」(53歳女性)
「戦争にまつわる施設や原爆ドームで勉強できる。自然が多くて美味しいものにも恵まれているから」(32歳女性)
「広島といえばお好み焼きで、いつでも食べられるから。原爆ドームなどの学びという場としても季節はあまり関係ないと思うので」(44歳男性)
春(3月~5月)がおすすめの理由
「瀬戸内の特徴として夏はとても暑くなるので、春が良いのでは」(48歳男性)
「春先の牡蠣や海産物はとびきり美味しいので、この季節が狙い目だと思う」(41歳男性)
「5月のこどもの日といえばやっぱりこいのぼりで、広島カープにとっても大切な日だから」(56歳男性)
夏(6月~8月)がおすすめの理由
「宮島などは夏のきれいな海をバックに写真を撮りたいと思うので」(20歳男性)
「原爆投下の季節なので、同じ時季に訪れたいと思うから」(47歳男性)
「しまなみ海道のサイクリングが良さそうだけど、暑すぎるかもとも思う」(29歳男性)
冬(12月~2月)がおすすめの理由
「牡蠣鍋、焼き牡蠣など冬に食べたいものがあるから」(60歳男性)
「雪が降ったときの厳島神社の景色は見ものです」(56歳男性)
広島県のライバル県、キーワードは「牡蠣」や「お好み焼き」
広島県のライバル県ランキングをご紹介しました。1位「岡山県」、2位「大阪府」、3位「福岡県」という結果になりました。ご自身のイメージと照らし合わせるといかがでしょうか。
1位はやっぱりお隣の岡山県でした。広島県とともに中国山地から瀬戸内海にかけて地形が広がり、倉敷などは広島県の呉と同じように港町として発展してきました。牡蠣養殖も行われ、こうした共通点がライバル関係につながっていると感じる方が多いようです。
2位の大阪府には4分の1の票が集まりましたが、そのほとんどが「どちらもお好み焼きが名物だから」という理由からでした。大阪ではシンプルなお好み焼きが一般的ですが、なかには麺を生地に入れて焼いたものも。「モダン焼き」と呼ばれ、生地の上に焼きそばを重ねる「広島風」とは一線を画すようです。
近隣の都道府県のほかには、原爆投下という悲しい共通点をもつ長崎県や、牡蠣生産量が全国2位の宮城県などもランクインしました。
ライバルだと思う視点は人それぞれ違うようです。あなたも、ご自身の出身地や今住んでいる場所にライバルがいるとすればどこなのか、考えてみませんか。
調査時期: 2025年4月13日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計305人(男性:220人、女性: 85人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート