今年も残り2カ月ちょっと。そろそろ年末を意識し始める頃ではないでしょうか。「今年こそふるさと納税に挑戦してみよう! 」。そう思いつつ、行動に移せていなかったのであれば、そろそろ動き始めた方がいいかもしれません。

  • ふるさと納税、今年の分はいつまで? 駆け込みで注意するべき3つのポイント

    今年のふるさと納税、いつまで申し込みできる?

余裕を持って手続きを終わらせるためには、12月初旬までに申し込みを終わらせるのが理想です。とはいえ、いろいろな事情でそうはいかないこともありますよね。今回は、年末近くに申し込む場合に注意したい点を解説します。

駆け込み申し込みが増えるのはなぜ?

ふるさと納税は、1年を通していつでも申し込みむことができます。とはいえ、申し込みが11月・12月に集中する自治体も多いようです。これはふるさと納税に限らず、締め切り間際にならないとなかなか動くことができない私たちの習性が、理由の一つかもしれません。

また、これまでの回でもお伝えしてきた通り、ふるさと納税には上限額が設定されています。前年収入を元に目安の上限額を確認し、それよりも少なめにふるさと納税を行っている人も多いのではないでしょうか。

12月に入ると、会社員の人は冬のボーナスが確定したり、自営業者の人は今年の売り上げがほぼ見えてきたりすることで、より正確な上限額を把握できるようになります。目安の上限額との差額分を、この時期に申し込みする人もいるでしょう。

このような事情から、これからの時期はふるさとの納税の申し込みが集中しがちですが、とくに年末近くになってからの申し込みにはいくつかの注意が必要です。

注意点1:年内受付の申し込み・支払い期限に要注意

2018年の所得に対して控除を受けられるのは、受領証明書に記載されている受領日が2018年1月1日から12月31日までのものに限られます。「申込日」ではなく、あくまで「受領日」で判断されるのです。

年内に申し込みを完了していても、入金確認などに時間がかかると、年内の寄付としては処理されない場合があります。とくに、郵便振替や銀行振込で支払う場合は、自治体が入金を確認できるまでに時間を要するので、注意が必要です。

こういった事情に配慮し、年内受付分とする期限を、支払い方法ごとに設定している自治体も多くあります。クレジットカード払いの場合、決済が完了した日を「受領日」とする場合が多いため、12月31日23時59分まで申し込みを受け付けている自治体もあります。年末近くの申し込みにはクレジットカード払いを選ぶ方が安心でしょう。

ただし、なかにはクレジットカード払いであっても31日より前に期限を設定している自治体もあるので注意が必要です。早いところでは12月中旬には年内の受付を終了してしまう自治体もあるので、自分が寄付をしようとしている自治体の年内受付期限をしっかり確認しましょう。

注意点2:ワンストップ特例制度を利用する場合はとくに早めに

第3回でもお伝えしたように、ふるさと納税以外に確定申告をする必要がない人が5自治体以内に寄付した場合、「ワンストップ特例制度」を利用することで、確定申告が不要となります。

このワンストップ特例制度を利用するには、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を寄付した自治体に送付することが必要です。その送付期限が翌年1月10日となっています。

本来であれば、寄付を申し込みんだ際に申請書の送付を依頼することで、自治体から申請書が送られてきます。ただし、自治体から申請書が送られてくるのを待っていては、送付期限に間に合いそうにない場合、総務省や寄付した自治体のホームページ、ポータルサイトなどから申請書をダウンロードして、郵送することも可能です。

万が一、翌年1月10日までに申請書を提出できなかった場合は、翌年3月15日までに確定申告で寄付金控除を申請する必要があります。確定申告の手間を省きたい場合は、申請書を期限までに送付する余裕を持って、申し込みみましょう。

注意点3:一時的に手元の現金が減る

ふるさと納税による税金の控除は、翌年6月以降に支払うはずだった住民税から1年かけて毎月減額されます(確定申告の場合は、一部が今年の所得税から翌年3月頃に還付される)。

そのため、ふるさと納税を行う時点では、一時的に手元のお金が減ります。とくに、年末にまとめてふるさと納税を行う場合などは、手元のお金が一気になくなり、年末年始の物入りな時期に現金が足りなくならないように、寄付上限額とともに、ご自身の家計状況に合った寄付額を見極める必要があります。

返礼品が一度に届いては困る! 選べない! そんなときはポイントも

ふるさと納税の返礼品は基本的には配達日を指定することはできません(一部指定できるものあり)。年末にまとめてふるさと納税をした場合、一度にたくさんの返礼品が届くのも困りますよね。そんな場合は、寄付したい自治体のなかでも、「ポイント制」を利用しているところに寄付をするのも選択肢の一つです。

寄付する自治体を選んで申し込みむと、寄付額に応じたポイントが発行されます。ポイントの有効期間内(通常1~2年)であれば、ポイントに応じた返礼品をいつでも好きなタイミングで選ぶことができます。一旦ポイントに変えておくことで、その土地の名産品をじっくり選ぶことができたり、届くタイミングをずらせたり、旬の時期まで待つことができたり、というメリットがあります。

ただし、自治体によってポイント制を採用していない場合あるので、事前に確認が必要です。

「チャレンジしようと思っていたのに、年内受付が終了していてガッカリ……」というのは、避けたいものですよね。年末は何かと忙しくなりがちなので、今のうちにトライしてみてはいかがでしょうか。

筆者プロフィール: 長谷部敦子

ラーゴムデザイン代表 長谷部敦子 ファイナンシャルプランナー、マスターライフオーガナイザー、メンタルオーガナイザー。父親の看取り介護、自身の結婚を通して、「心」と「お金」の整え方を知ることの必要性を感じ、学びを深める。2012年・2014年の出産を経て、2015年に「しなやかな生き方をデザインする」をコンセプトに起業。家計・起業・扶養などに関わるお金の悩みや、働きたい女性のメンタルについての相談・講師業を中心に活動。働く母の目線で、日々のくらしを快適にする仕組みづくりについての執筆も行っている。「生き方デザイン.com」