ジミー・ファロンについては前に一度記したことがあるが、そのジミーの番組「Late Night with Jimmy Fallon」(以下、Late Night)にミシェル・オバマ大統領夫人が登場、「ママ・ダンス」(「Mom Dancing」)なる珍妙な踊りをジミーとともに披露して一部で話題を呼んでいる。矢野顕子さんあたりも「見てねー!これ大好き!しかも大統領夫人:-) 」とツイートしていたので、あるいはすでにご覧になった方もいるかもしれない。
Evolution Of Mom Dancing (w/ Jimmy Fallon & Michelle Obama)
2月22日晩に放映。ちなみこの日、ワシントンでは昼間にオバマ大統領と安倍首相がみっちり会談。オバマ大統領は、前の週末にタイガー・ウッズとラウンドしたゴルフ焼けの跡がまだかすかに残っている。
President Obama's Bilateral Meeting with Prime Minister Abe of Japan
なおこの「Mom Dancing」、昨年の父の日に放映されていた「Dad Dancing」というネタをある意味ふまえたもの。
Jimmy Fallon - The Evolution of Dad Dancing: Late Night with Jimmy Fallon
ミシェル夫人はジミーとの話のなかで「家族揃ってビヨンセが大好き」「娘たちから教えられてフランク・オーシャンも聴いたりしてる」といったことから、最近変えた髪型のこと、そしてキャンペーン開始からまる3年が経った「Let's Move」の成果、さらにはオバマ大統領との初めてのデートではスパイク・リーの映画「Do The Right Thing」を観たことなど、さまざまな話をしている。
First Lady Michelle Obama on Dancing, TV
(YouTubeに公開されている4つの動画のなかの1本)
ところで。
ミシェル夫人の「ノリのよさ」、あるいは独特のリズム感といったものを目にして改めて思い出したのは、彼女が生まれも育ちもシカゴだということ。父親がケニア出身、母親が英国系アメリカ人というオバマ大統領がアフロ・アメリカンのなかでも「外様」だとすれば、一家の起源を南部(サウスカロライナ州)のプランテーションにまで遡れる夫人のほうは黒人の「本流」といえなくもない。下掲の動画は、2012年暮れにケネディー・センターであったギタリスト、バディー・ガイの表彰式の時のものだが、このなかで描かれている黒人の移住の歴史(Great Migration、20世紀に入って約600万人の黒人が南部から北部へ移り住んだとされる)は、バディ・ガイにもそしてロビンソン一家(ミシェル夫人の実家)にもあてはまる。
The Kennedy Center Honors Buddy Guy 2012
(表彰される側にまわったジミー・ペイジもとても楽しそうである)
Late Nightになくてはならない名脇役のバンド、ザ・ルーツ(The Roots)。彼らの存在なくしては、オバマ大統領とのスロージャムも、あるいはマライア・キャリーとのクリスマスセッションもなかっただろう。下掲の動画は、そんなザ・ルーツのアーティストとしての実力が感じとれる2010年9月のセッション。今年のNBAオールスター戦では国家を斉唱したジョン・レジェンドとのコラボである。
John Legend, The Roots - Doing It Again: Amex UNSTAGED
今年のスーパーボウルでは「America, the Beautiful」を披露したジェニファー・ハドソンもゲストで登場するこのライブ、映像監督を務めたのはスパイク・リー。
John Legend & The Roots - Be Grateful: Amex UNSTAGED ft. Jennifer Hudson