新しい人生設計の方法のひとつとして、ミレニアム世代を中心に注目を集めている「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」。経済的自立をして早期退職を目指すFIREですが、言葉は知っていても具体的にどのように行動をすれば良いのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
本連載では全8回にわたり、FIREの考え方、FIREを達成するための不動産投資について解説していきます。
第4回となる今回からのテーマは、投資用不動産の選定です。まずは物件選びにおいて何を確認すべきかお話しします。
投資用不動産の選定の仕方
不動産投資では、投資先となる不動産選びがとても重要です。投資で失敗しないために、投資用不動産を選ぶ際にどのような事項を確認すべきなのでしょうか。
収益性
投資した物件からどれだけの利益が得られるかは不動産選びで一番に気になるポイントですよね。収益性は主に以下の3つの指標があります。
・表面利回り
表面利回りは、物件の収益力を大まかに把握するための指標です。
年間の家賃収入÷物件価格で算出します。
・実質利回り
実質利回りは、経費を考慮した実際の利益率を示す指標です。
計算式は{(年間家賃収入-年間経費) ÷ (物件価格 + 購入時諸経費)} × 100です。
・賃料水準
賃料水準は、周辺相場と比較して当該物件の賃料が適切かどうかを判断する指標です。
これらの3つの指標を総合的に考慮することで、物件の収益性をより正確に把握できます。表面利回りは簡易的な目安として、実質利回りは実際の収益性をより的確に示す指標として役立ちます。 また、賃料水準は将来的な賃料の上昇や下落の可能性を見極めるための重要な要素として活用することができます。
物件の基本情報
例えばですが、“築年数”を知ることで、経年劣化の程度、将来的な修繕費用の予測ができます。木造、鉄骨造、RC造などの“構造”は、耐震性や耐久性に影響します。入居者ニーズとのマッチング、将来的な需要予測するためには“間取り”の情報も必要です。
立地条件
最寄り駅からの距離、周辺の生活利便施設などは家賃や入居者の募集にも関係します。立地については第7回で詳しくお話しする予定です。
不動産評価方法
不動産の価値を評価する方法は、主に3つの手法があります。
取引事例比較法
取引事例比較法は、対象不動産と類似した物件の取引事例を複数収集し、個別の要因を考慮して価格を算出する方法です。 実際の取引事例に基づくため市場の実態を反映しやすく、マンションや土地に適用されますが、取引事例が少ない特殊な不動産には適しません。
原価法
原価法は、対象不動産の再調達原価(その不動産を今、新しく作るとしたらいくらかかるか)を算出し、経年劣化による減価を考慮して価格を求める方法です。この方法は戸建住宅に適用されることが多いです。
収益還元法
収益還元法は、対象不動産が将来生み出すと期待される純収益を基に対象不動産の価値を算出する方法です。アパート、マンション、オフィスビルなどの収益物件の評価に有効です。収益還元法には、直接還元法とDCF法の2種類があります。
不動産を適切に評価するためには、物件の種類や立地条件、市場の動向を考慮し、最適な評価手法を選択したり組み合わせたりすることが理想的です。
今回の内容は、不動産業界外の方には初めて聞く用語も多かったかと思います。不動産の選定や評価には専門的な知識や経験も重要です。専門家の助言を受けることで、評価の精度を一層高め、より適切な不動産の選定ができます。
次回は投資用不動産の種類についてお話しします。
株式会社ネクスウィル
HP:https://www.nexwill.co.jp/
新橋に本社を構える不動産会社。訳あり不動産を専門とした不動産の買取再販事業を展開するとともに、マネープロデュース事業、studyFIRE運営も行う。2019年から開催している投資セミナーの総受講人数は1000人を超える。セミナー詳細についてはコチラから