私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

肉・魚は冷凍しない。下味をつけて冷蔵保存

割安感のある徳用パックや業務用大量パックで食材をまとめ買いするのをやめて、2~3日で食べ切れる分を買うようにすれば、面倒な小分け冷凍から解放されます。とはいうものの、「肉をそのままで冷蔵保存ではちょっと心配」という場合には、下味をつけてから保存するのがオススメです。

豚肉やとり肉は、塩と酒を軽くふっておくだけでもOK。時間がたつと水分=肉の臭みのもとが出てくるので、キッチンペーパーでふき取ります。保存だけではなく、肉の臭みも取れて一石二鳥です。塩と酒を軽くふる程度なら、肉じゃが、カレー、筑前煮など、どんな料理にも応用できます。

肉・魚は冷凍しないで保存

用途が決まっている場合は、更にしっかり下味をつけます。しょうが焼きや唐揚げに使う場合は、酒、しょうゆ、しょうがのすりおろしで下味をつければ、日持ちするだけではなく、味も染み込んでおいしく仕上がります。

魚の場合、アジやサンマは保存には向かないので、買ったその日のうちに食べるのがオススメ。ブリ、サバ、メカジキはさけ、しょうゆで下味をつけて保存することは可能ですが、買った翌日には消費します。

ひき肉は下味をつけるのは不向きですからチルド室に保存して、消費期限内に食べきりましょう。

同じ食材はコンビニ方式で縦一列に

豆腐やヨーグルトなどを冷蔵室の棚に置くときは、コンビニ方式で日付が古いものを手前に、新しいものを奥にして、縦1列に並べて手前から使うようにします。

半端に残った野菜はそのまま野菜室に戻さず、半端ものだけを保存容器に集めて、野菜室の一番目につく所に置きます。半端野菜が迷子になることがなく、そこから使うようにすれば、野菜を腐らせることなく使いきれます。

野菜の食べきりには漬け物にするのがオススメ。漬け物といっても、難しく考えずに、これからの季節ならきゅうり、みょうが、しょうが、大葉を刻んで塩をふり、塩昆布を混ぜ合わせておくだけでOK。あるいは、酢、砂糖、塩、乾燥ローリエの葉を合わせたマリネ液をつくり、きゅうり、にんじん、セロリなどを漬ければ、即席ピクルスに。簡単につくれ、あと1品、おかずが欲しいときに重宝します。


村越克子
フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。