ファンケルは、独自の研究により老化した細胞を除去する新成分を発見したことを発表しました。3月6日にメディア向けに開催された「ファンケル『老化細胞除去』新成分勉強会」にて、その詳細を聞いてきたのでレポートします。

キンミズヒキが老化細胞を除去することを発見

  • キンミズヒキとは、伝統的に中国医学でも使用されるバラ科の食品素材

    キンミズヒキとは、伝統的に中国医学でも使用されるバラ科の食品素材

世界的に注目が集まっている、老化の研究。

「老化」とは、年齢とともに身体機能が衰え、遺伝的要因やストレスへの対応力が低下すること。遺伝子や細胞の小さなレベルから徐々に進行し、その蓄積がいわゆる老化現象という形で心身に変化を引き起こします。

最近の研究によって、この老化による変化を老化前の状態に戻すことは可能である、つまり「『老化』は治せる」ということが世界で提唱されています。

また、老化のスピードは人によって異なるというのも確認されているとのこと。まだ老化現象が出ていない若年層は、老化のスピードを遅くすることで老化を防ぐのに繋がりますが、既に老化現象が出ている年齢層には、老化現象が出ていない状態に戻すというアプローチが必要になります。

  • キンミズヒキの粉末

    キンミズヒキの粉末

老化を進める要因は12個あると提唱されていますが、ファンケルはそのなかの「老化細胞」に焦点を絞って研究を進めてきました。そして、キンミズヒキ(※1)およびキンミズヒキ由来アグリモール(※2)類に、老化細胞を除去する作用があることを発見。記憶力に関する研究がきっかけで発見した成分だったそうですが、研究の過程で多岐にわたる抗老化作用を確認し、研究の方針を抗老化研究に転換したといいます。

細胞レベルでキンミズヒキが老化細胞を除去する効果を見出し、その後ヒトで検証をするために、血液細胞を用いたヒトの老化細胞の定量法を確立。そしてヒトの臨床試験でもキンミズヒキエキスの老化細胞除去効果を確認しました。

ファンケルは、今後、キンミズヒキが老化の根本的要因にどのくらい関与するのか、老化による症状に対してどのような効果があるのか検証していくといいます。

キンミズヒキが健康そして美容に対してどのような効果をもたらすのか、今後のファンケルの研究に注目が集まります。

※1 キンミズヒキ:龍牙草、仙鶴草とも呼ばれ、伝統的に中国医学でも使用されるバラ科の食品素材
※2 アグリモール:キンミズヒキに含まれるポリフェノールの1つ