めんまさんが玄関まで出迎え
貫禄たっぷりの愛くるしい姿がたまらなくかわいいめんまさん。雑誌や書籍にも多数登場し、飼い主のsatoさんによるブログ「でぶねこ☆めんまさん」は大人気。ブログでは、satoさんが「めんまさん、めんまさん」と語りかけ、めんまさんは「なんや……」となぜか上から目線の関西弁で返答。そんなめんまさんを訪ねて、satoさんのご自宅に伺った。
閑静な住宅街の一角、扉を開けるとすぐ、めんまさんが玄関まで出迎えてくれた。めんまさんとの初対面は、まず、その大きさにびっくり。現在の体重は9.5kg。ブログのタイトルは「でぶねこ」となっているが、太っているというより、「大きい」という印象だ。satoさんによると、普通のネコに比べて骨格そのものが大きいとのこと。「ごはんは毎日100g程度。ちょっと運動不足気味で、太めではあるものの、健康診断の結果も健康状態には問題がない」という。
もとは捨てネコだっためんまさん
ネコが飼いたいと思っていたsatoさんは2000年に捨てネコの里親ボランティアさんを訪ねた。「日本各地にたくさんの捨てネコがいることを考えると、里親ボランティアさんにお願いすることは自然なことだった」という。satoさんとご主人は「子猫らしからぬどっしりとした体型」に惹かれたとか。その小さなネコは、「めんまさん」と名付けられ、satoさん一家に迎えられることになった。
めんまさんは、今はsatoさんのもとで元気に暮らしているが、かつては生まれたばかりの弱った体で神社に捨てられていた。satoさんは、「めんまさんは、運よく心ある人に保護されたけれど、捨てられたまま死んでしまったかもしれなかったんです。飼い主さんには『ネコを捨てれば、誰かが拾ってくれる』なんて楽観的に考えないでほしい」と訴える。
子ネコだっためんまさんは健康に育ち、動物病院の先生をびっくりさせるほど大きな体に成長。いつのころからかsatoさん夫妻とめんまさんは、飼い主と飼いネコという関係には収まりきらない強い絆で結ばれるようになった。
家の中を悠長に歩き回るめんまさん
アンティークのおもちゃのコレクションが趣味というSatoさんご夫妻は、家の中にたくさんのアンティークをディスプレイしているが、めんまさんは、おもちゃにいたずらすることなく、部屋の中でのんびり歩きまわっている。
satoさんが以前住んでいた家では、めんまさんは毎日気ままに外出。いつもかわいがってくれる人がいる「別宅」が4軒あり、いっしょに毛づくろいする「彼女」もいるほどのモテネコぶりだったという。「ある日、近所のお宅から悲鳴が聞こえたんです。何かと思ったら、めんまさんが自分で捕まえたネズミやスズメを玄関に置いていて、それを見た人がびっくりして。めんまさんは、いつもかわいがってもらっているお礼をしたつもりだったようです……」。
めんまさんは散歩が大好きで、小学校に迷い込み、そのまま行方不明になったことも。satoさんは事故やけがを心配して泣き続け、チラシをあちこちに貼って近所総出で捜索し、失踪から5日後、小学校から連絡が。どうやら小学校に入ったまま、出口がわからなくなって怖くなり、人気のない視聴覚室に逃げ込んでいたらしく、satoさんが慌てて駆けつけると、職員室で段ボールに入れられて保護され、大勢の子どもたちがめんまさんを覗きこんでいたという。
satoさんが現在住んでいる家は、周辺に車が多いため、めんまさんは家の中で過ごすことがほとんど。そのためか、家の周辺の警備が日課で、窓際から異常がないか目を光らせている。たまに公園に連れていくと、近所のトイプードルににらみを利かせることも……。そんなめんまさんには心優しい面もあり、satoさんが何かに怒っていると、めんまさんも一緒に怒ってくれるという。satoさんはその姿を見ていると怒っていたこと自体を忘れてしまうのだとか。
旅行は未経験のめんまさん、今年の夏は避暑地へ?
家の中で毎日気ままに過ごすめんまさんだが、satoさんの今年の目標は、夏にめんまさんと一緒に旅行すること。車が苦手だっためんまさん、車種によっては問題ないことがわかり、車の買い替えを機に、遠出もできるのでは? と期待している。
お風呂のふたの上でくつろいだり、テレビのB級映画を真剣に見入ったり……。ネコとは思えない、ちょっとオヤジくさいめんまさんが旅先でいったいどんな日々を過ごすのだろうか。今からブログの報告が楽しみだ。めんまさんのブログには、その表情の豊かさから「めんまさんは人っぽくて好き」「表情が豊か」「会社の上司にいそう」などのコメントが多数寄せられている。satoさんは、「楽しみにしてくれる人がいると思うと、はりがいがあります。ブログを細く長く続けていこうと思います」と、めんまさんの日常をこれからも伝え続けるという。