20代の過ごし方で30代・40代に大きく差がつく------だからこそ「20代のうちに知っておきたい、やっておきたい」コツを、5回にわたってお届けする当連載。最終回は「キャリア」編です。

20代は、これからの長い社会人人生に対して、夢も大きければ不安も少なくない時期です。毎日が充実していたとしても、ふとした瞬間に「自分はこれからどうしていこうか」「いまのままでいいんだろうか」とキャリアについて悩んだりするもの。

そんなときには、「仕事の仕方」「仕事内容」「職場における立ち位置」の3つについての自分の考えをチェックしてみるとよいですよ。

  • 20代にキャリアの方向性は決まる?

20代で固まる、仕事の「癖」

まずは「仕事の仕方」。
皆さんはいま、どのような仕事の仕方をしているでしょうか?

仕事は計画を立ててから取り掛かる。来た仕事からどんどん片付ける。
作業は極力一人で進める。なるべく誰かと一緒に進めたい。
仕事のペースは効率重視、残業は絶対にしたくない。時間がかかってものんびり取り組みたい。
会議ではアイデアを出すのが好きで話があちらこちらに飛ぶ。
現実重視、論理的に理解できる話でないとイライラする。

さまざまなスタイルがありますが、いずれにしてもそのあなたのワークスタイルは20代のうちにおおよそ固まってしまうということを、ぜひ覚えておいてください。

先日、当社主催のセミナーで講師の方と盛り上がった話に、「やらない癖が身に付いてしまった人は、本人が希望しても、絶対にベンチャー企業のマネジメントにはなれない」という話題がありました。

若い頃から、何か面白い話題があったり、誰かと出会うチャンスがあったりした時に、実際にその話題に触れてみる(ex.イベントに参加してみる、商品を購入してみる、場所に出向いてみる等)、実際にその人と会ってみるということを、する人としない人がいます。

企画書ばかり書いていて、実際にパイロット版を作ってみたり、テストケースをやってみたりしない人が、30代、40代になって事業を創ったり動かしたりする人にはなれない、という話です。

20代は「社会人としての『癖』が身に付く期間」。癖とは行動習慣のこと。20代でアクティブに行動している人は30代40代になってもアクティブですし、腰が重い人は30代40代で更に動きの悪い人になるでしょう。

皆さんも、将来に向けてどのような癖を身に付けたいか、よく考えてみましょう。その「癖付け」にこだわってみるのはかなり将来価値が高いですので、ぜひ。

自分らしさからキャリアを確立していく

次に、「仕事内容」「職場における立ち位置」について。

仕事内容については、明確に「自分はこの職種、専門で行こう。行きたい」というものが決まっている人は、もちろんぜひそれに邁進してください。

一方、20代の頃は、「自分は何が向いているんだろう」「自分の天職は何だろう」と悩む人も少なくありません。

そういう人が「自分探し」をしようとすることがありますが、お勧めしません。恐らくは悩み続けることになり隘路にはまってしまいます。

それよりも、自分の軸とする仕事内容がまだ見えないという人は、目の前の仕事を徹底的にやってみましょう。そこで「できること・得意なこと(CAN)」と「求めてくれること(MUST)」を確認していくとよいです。

自分探しでは「やりたいこと(WILL)」を探しに行きますが、そこから出発するとCANとMUSTに結びつかずに「青い鳥」を探して無用な天職を繰り返すことになったりします。

これはその後のキャリアを大きく毀損しますので、絶対に避けてほしい行動です。

日々の仕事を通じてCANとMUSTが明確になると、求められる自分が確立されます。それが根強い自信となり、自然と「WILL」にもつながります。30代からのライフワークは、こうして見つかるのです。

職場における立ち位置とは、チームを引っ張るのが得意なのか、参謀としてチームを支えるのが向いているのか、サポーターとしてチームのみんなの動きを支援することに喜びを感じるのか、などです。

チームにはさまざまな配役がありますよね。その中で自分がしっくりくるポジションを確認し、受け入れる。決して違和感ある役に自分をキャスティングしないように。

キャリアの2つの型

キャリアの考え方には「目的型(将来像・ゴールを決めて逆算する)」と「展開型(目の前のことをやっていく延長線上に未来がある)」の2つの型があります。

理想は、この「目的型」と「展開型」を併用するハイブリッド型です。将来のイメージを描きながら、今回ご紹介した「仕事の仕方」「仕事内容」「職場における立ち位置」を定点観測しながら目の前の仕事を一所懸命にやる。

これを20代のうちに焦らず慌てず続けることで、30代に入る頃には、もしかしたらいまあなたが考えているものとはまったく異なるキャリア展開が開けている可能性が高いのです。

ぜひ実りある20代を過ごしてください!