さば缶は「水煮」という塩味タイプがダントツで売れているそうです。スーパーの棚でぽっかり空いているのは水煮の部分で、2位のみそ煮や3位のしょう油煮はけっこう残っていたりします。みそ煮もおいしいけど、食べ続けるとちょっと飽きることも。そんなときには「ちょい足しで味に変化をつけるといいですよ」と缶詰博士。何とお酢を使うんだそうです!

  • 高木商店「西京焼き鯖」。パッケージがかわいい(写真:マイナビニュース)

    高木商店「西京焼き鯖」。パッケージがかわいい

2位という立ち位置

僕は2位というポジションになぜか魅力を感じる。科学忍者隊ガッチャマンはコンドルのジョーが好きだったし、ゲッターロボも1号より2号が好きだった(分からない方はスルーしてください)。どんなに頑張っても永遠にトップに立てない。それゆえ、ややひねくれた人物が担当するというお約束もあり(分からない方はスルーしてください)、そんな哀愁を感じさせる部分も好きだ。

  • さばは筒切りではなくフィレ

    さばは筒切りではなくフィレなのがうれしい

西京みそというアドバンテージ

ということで、今回は売り上げ2位のみそ煮缶。2位だから比較的入手しやすく(それも哀愁)、このさば缶ブームの最中であってもまとめ買い可能である。ご登場いただいたのは高木商店の「西京焼き鯖」であります。通常のみそ煮は甘くほっこりしているが、これは甘さ控えめ&西京みそのコクが味わえる珍しい商品。フィレ状の身も食べやすくてグーです。

  • 使うのは小鍋とガス台

    使うのは小鍋とガス台。さば缶の汁だけを小鍋に移す

わずかな酸味を加えたい

で、肝心のちょい足しであります。まずは缶詰の汁だけを小鍋に入れ、そこに酢をほんのちょっと入れる。それを弱火に掛けてさっと沸騰させる。酢はそのままだと酸っぱいから、熱を入れて酸味を飛ばすわけであります。

  • あえて缶詰に戻す

    あえて缶詰に戻す

缶が器

そうして出来たタレを、缶の中に戻してやる。「オレ一体なにやってんのかな」と疑問に思うかもしれないが、たまには缶を器として使ってもいいのではないでしょうか。さばの身もあったまるし。ということにして、白ごはんを用意して。

  • ある日の昼食風景

    ある日の昼食風景

生みそ的に変化

かくのごとし。麦入りの白ごはんに、昨夜のブロッコリーの残りを添えて昼食とした。さて、肝心の味はどうなったのか。実は加熱済みのみそダレに酢を加えると、ちょっと生みそに近い風味に変化するのであります。

生みそには酸味もあるが、加熱すると消えてしまう。それを酢で再現することで、加工食品とは思えないフレッシュな風味を味わえるのだ。鍋を使わずに、耐熱容器にタレと酢を入れて電子レンジで加熱する方法もアリですぞ。

缶詰情報
高木商店/西京焼き鯖
希望小売価格 302円(税込み)
同社直販サイトなどで購入可

黒川勇人/缶詰博士

昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」Facebookファンページも公開中。