缶詰博士の黒川氏によると、異業種の会社が開発した缶詰が増えているそうです。缶詰メーカーでは思いつかないような大胆な商品が多いとか。

「中でもこの缶詰はすごい。高級魚ノドグロの頭、身、尻尾をそれぞれ詰めた3缶セットなんです。しかもクラウドファンディングを使っての販売ですぞ!」

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  • 山陰浜田極味/華爛(KARANのどぐろ缶詰) 180g×3缶 1万2,000円 (応援型クラウドファンディングMAKUAKEで早期割引あり)

    山陰浜田極味/華爛(KARANのどぐろ缶詰) 180g×3缶 1万2,000円
    (応援型クラウドファンディングMAKUAKEで早期割引あり)

料亭レベルのノドグロ使用

高級魚ノドグロを初めて食べたのは40代になってからのこと。うまみが強く、白身とは思えないほど脂が乗っていたのに感心した。刺身はもちろん、煮てよし、焼いてよし、干物も絶品と、全方面でおいしい魚だった。

僕が食べたのは小さいサイズだったけど、300gを超えるサイズになると料亭などで使われるそうで、銀座の某店では○万円という値が付くらしい。

そんな300gオーバーのノドグロを缶詰にしてしまったのが、この華爛(KARANのどぐろ缶詰)であります。

  • 内臓を除いた全ての部位が収まっている(下の紙は付属品)

    内臓を除いた全ての部位が収まっている(下の紙は付属品)

3缶それぞれ違う味付け

この缶詰は3缶セットになっていて、その内容も極めて特殊だ。内臓を除いた全ての部位、すなわち頭(カマ)、身(トロ)、尾(テール)を3つに切り分け、それぞれ分けて詰めているのだ。

味付けも変えてあり、カマは唐辛子入りのオリーブオイル漬け、トロは水煮、テールは砂糖しょう油の煮付けになっている。それぞれの部位にもっとも合う味付けを試した結果だそうな。凝ってますなァ。

各部位の姿と味は以下の通り。

  • カマの様子

    カマの様子

一番おいしいところ

まず、このサイズに驚いてほしい。右側に僕の指先がちょっと写っているから、その大きさが分かると思う。箸で持ち上げると崩れるほど柔らかくて、頭蓋骨、頬骨、口の骨まで食べられる。このサイズの頭が骨ごと使われているのは、缶界では初めてのことだと思う。

頬の肉がばつぐんにウマい。目玉はプルプルとしたゼラチンが味わえるし、あちこちの骨のあいだの肉がウマい。魚好きなら黙り込んで箸でつつく、一番おいしい部位である。

味は塩気が利いており、オイルのまろやかなコクと唐辛子の辛さもあって、3つの部位の中では一番メリハリのある味だ。

  • トロの様子

    トロの様子

白身のトロ

トロは身の厚みに驚嘆する。開高健が見たら「オーパ、オーパ!」と呟きそうである。骨にそって半分に割れば、2人分は十分ありそうだ。

もっとも脂が乗った部位なので、味付けはシンプルな水煮になっている。使っている塩は島根県浜田市の藻塩「浜守の塩」で、ミネラル感があるから味が深い。「白身のトロ」と呼ばれるノドグロのおいしさがよく分かる部位だ。

  • テールの様子

    テールの様子

尾びれも食べられる

テールには尾びれまで付いていた(!)。もちろん柔らかく煮こまれているから、さくさくと食べられる。

皮とひれにはノドグロ本来の赤い色が残っていて、身肉は中までしょう油色に染まっている。しかし味付けは見た目よりもすっきりしていて、みりんが利いた丸い甘さがある。これは絶対に白ごはんに合うだろう。

  • ノドグロ1尾を味わい尽くす

    ノドグロ1尾を味わい尽くす

ノドグロ本来の赤い色

かくのごとし。結局すべて白ごはんのおかずにしてしまった。

3つの部位を食べ比べて思ったのは、それぞれの味付けが缶璧(完璧)になされていること。後から何も足す必要がない。

実は食べる前に「水煮にはレモンかな」「オイル煮には黒コショウが合うだろな」などと考えていたけど、実際に足してみたら不要だったのだ。余計なことをしてすみませぬ。

この驚きのノドグロ缶は、9月10日まで応援型クラウドファンディングMAKUAKE(マクアケ)で購入できる。7月28日の公開日から3日間で目標金額の400%を達成し、8月24日時点で669%、200万円を超える応募が集まっているから、よほど人気があるのだ。

クラファンの終了後は、9月下旬から自社サイトで販売の予定だ。

缶詰情報
山陰浜田極味/華爛(KARANのどぐろ缶詰) 180g×3缶 1万2,000円
MAKUAKEで早期割引あり。その後は同社サイトで販売予定