おつまみにもおかずにもなるハイクオリティな「グルメ缶詰」。今やその市場規模は45億円に迫るとも言われています。このブームを創り出したのが国分の缶つまシリーズ。おつまみに特化したメニューと味付けが人気で、中でも「牛すじこんにゃく」は日本酒好きから絶大な支持を得ています。
今回は、この牛すじこんにゃくをさらに本気メニューへ変貌させる缶たんレシピをご紹介。家でも手軽に居酒屋気分が味わえますよ!
世界でも珍しい缶つまシリーズ
2010年末に発売された「缶つま」は、世界でも類を見ないシリーズとして発展してきた。何しろ、そのすべてが「酒のつまみ」のために開発されているのだ。何と不埒なことでありましょう!
現在は約80アイテムが揃っており、名品と呼ばれる商品がいくつもある。その中で、日本酒に合うものを選んでくれと言われれば、僕は迷わず「牛すじこんにゃく」を取り上げたい。
居酒屋の定番メニュー「煮込み」を再現したもので、牛すじと薄切りこんにゃくが甘辛い砂糖醤油で煮込まれている。
その缶所(勘所)は、具の中まで味が染み込んでいること。缶詰は中の空気を抜いて密封し、圧力を掛けながら加熱するから、いわば圧力鍋で調理しているのと同じ状態になる。何となれば、味が中までしっかり浸透するんであります。
気の抜けたような居酒屋で出てくる煮込みより、この缶つまの牛すじこんにゃくのほうがずっと美味しい。これ、本当のことであります。
ひと手間で本気メニューへ変貌
その牛すじこんにゃくは、常温だとゼラチンが固まってぷるぷるしている。それはそれで美味だけど、やはり温めたほうが香りも立って風味がいい。
小鍋に汁ごとあけて、ついでにさいの目に切った木綿豆腐も入れてひと煮立ちさせよう。味が薄いと思ったら醤油をちょっと垂らしてやる。
なぁに、ぐつぐつ煮る必要はありません。ふつふつと沸いてきたら30秒で火を止めてOK。
それを器に盛りつけて、小口切りの青ねぎ(パックで売っている)をトッピングすれば……。
かくのごとし。
常温では固まっていた牛すじがねっとり柔らかくなっている。口中に運べば舌や歯にぺとぺと貼りつくインモラルな状態に。
忘れてならないのはこんにゃくだ。濃厚な牛すじの合間に、歯切れのいいこんにゃくの食感が混ざって、インモラル状態から現実へと引き戻してくれる。あらたに加えた豆腐は両者の橋渡しで、表面は甘辛い味がまとわりつき、中は清涼な大豆の風味が残っている。全体の増量にもなるし、おトクであります。
そして、このメニューは白いご飯にも最高! 熱々ご飯の上に青ねぎをたっぷり敷き詰め、その上から牛すじこんにゃく&豆腐を乗せれば缶成。食欲のない時でもさっとかきこめますぞ!
缶詰情報
国分グループ本社 / 缶つま・牛すじこんにゃく
希望小売価格 490円(税込)
同社の直販サイトや一部の食品店などで購入可
黒川勇人/缶詰博士
昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。