缶詰博士の連載も4年目に突入! 今年も面白くてタメになる缶詰ばなしを語っていただきましょう。2021年最初のネタは、料理人が一から手作りしたグルメ缶詰だそうです。っていうか博士、元日から缶詰食べるんですね?
新進気鋭のメーカー
明けましておめでとうございます! 毎年、元日もフツーに缶詰を食べている缶詰博士・黒川です。今年もよろしくお願いします。
さあ、2021年最初の缶詰は、新進気鋭のメーカー「veeell(ヴィール)」の新商品「週末牛タンシチュー」であります。
同社が手掛ける缶詰はどれも手間が掛かったもので、この連載でも昨年6月に「鴨だんご」を紹介している。鴨肉のだんごがジューシーでまことにウマかった。この牛タンシチューも、ソース作りは玉ねぎを炒めるところから始めるというから、開ける前から期待大であります!
複合&濃厚攻撃
それではみなさま、ご唱和をお願いします。今年最初の缶詰、開缶!
刹那、ただごとじゃない匂いが襲いかかってきた。牛肉のミルキーな匂いに、トマトの酸味、玉ねぎの甘い匂いなどが混ざり合った複合&濃厚攻撃だ。
これはあれです、ビストロの扉を開けたときに襲いかかってくる匂いとまったく同種のもの。鼻腔全開、脳覚醒。平和な正月が一気に戦闘モードだ。
すべてがデカい
缶の中身を皿にあけたら、この有様。何だ、この具の大きさは。
牛タンがデカい。にんじんがデカい。じゃがいもがデカい。エリンギが太い。
見れば、にんじんとじゃがいもはていねいに面取りが施してある。まぎれもなく、料理人の手作業でありましょう。
食感さまざま
かくのごとし。牛タンの厚みがお見事。肉は厚ければ厚いほど人を缶動させる。僕は今、モーレツに缶動している。
そのまま頬張ると、口の中が一杯になってしまった。奥歯でかんでみれば、逆に肉が歯に食らいついてくるようなしっとり食感。まことにウマい。
デミグラスソースは、甘さと酸味、塩味のバランスがよく、わずかに上品な苦みがある。香味野菜を焦がしたときのコク(フレンチの手法)だと推測する。
エリンギはしゃくしゃくコキコキと歯応えがあり、にんじんはトロリと柔らか。じゃがいもはねっとりしてて、味が中までよく染みている。
1缶1,728円という高価格、でもその価値は確かにありましたぞ!
缶詰情報
veeell(ヴィール)/週末牛タンシチュー 300g 税込1,728円
同社ショッピングサイトで購入可