皆様こんにちは、マネックス証券の益嶋です。「目指せ黒帯! 益嶋裕の日本株道場」第11回をお届けいたします。本コラムでは、「これから投資を始めたい」「投資を始めてみたけれどなかなかうまくいかない」といった方向けに、投資家としてレベルアップするための色々な知識をお伝えしていきます。今月もまずは最近のマーケット動向を簡単にご紹介します。
貿易戦争に振り回される日本株
前回のコラムが掲載された6月21日時点で日経平均は22,693円でした。今月のコラムを書いている7月18日時点で日経平均は22,794円まで上昇しています。ただ、相変わらず米国と中国の貿易戦争問題に振り回される形で日経平均も21,500円程度まで下落する場面がありました。トランプ大統領からすると秋に控えている米国の中間選挙に備えて「中国にも物申せる大統領」という実績づくり、人気集めの側面があるのだと思いますが、米国にとっても中国にとっても世界経済全体にとっても良くないことですので本当に早く解決してほしいところです……。
億り人の投資術
では今月も本題に入っていきましょう。「億り人」という言葉を聞いたことがありますか?昨年大きく上昇した仮想通貨への投資で1億円を超える資産を築いた方を指す場合が多いようですが、仮想通貨以外にも何かの投資で1億円を築いた方を指す場合もあります。
私はマーケット・アナリストとして日本株についてのレポートを書いたり、セミナーで投資法をご説明したりといった仕事の他に株式投資で大成功を収めた方にインタビューして、その内容をウェブコンテンツにしてお客様にお伝えすることも時々やっています。インタビューさせていただく中にはもちろん「億り人」になった方もいます。
先日出演したセミナーでお客様からこんなコメントを頂く機会がありました。「たまたま投資で成功した人を億り人などといってもてはやす風潮はおかしいのでは?」確かに、億り人の中にも様々な方がいらっしゃると思います。中には「単に運が良かっただけ」の方もいるのかもしれません。 ただ、そういった方々も勇気を持ってリスクを取ったことは事実ですし、私はその勇気ある行動を本当にすごいなと感じます。また、私がインタビューした方々はいずれも確固とした投資哲学を持ち、自身で投資手法を確立し、失敗しながらも自分を信じて挑戦をし続けて成功に至った方ばかりでした。決して運の力でなく実力で成功を勝ち取ったのだなと感じました。
例えば一時は資産が10億円を超えた時期もあったDAIBOUCHOUさん。DAIBOUCHOUさんは20代で投資を始めて、自身で会社四季報のCD-ROMを購入して徹底的に色々な銘柄を調べ上げたそうです。一度はリーマン・ショックで大きくやられて資産が減少しましたが、その後大復活を遂げて現在も資産を増やし続けています。
DAIBOUCHOUさんに保有している銘柄のことを質問すると、これでもかというくらい細かくその銘柄のことを把握されています。ビジネスモデル、成長戦略、現在の株価に対する市場の評価などはもちろん、以前ある銘柄については社長の出身大学や前職の会社、その会社でどんなことをやっていたかについてもスラスラとお話されていました。
数多くの銘柄についてそこまで詳細を調べ上げた上で投資に望んでいるのです。このようにDAIBOUCHOUさんが成功されたのは運ではなく実力だと思います。そして投資法をそのまま真似をすることは無理でも、エッセンスを捉えて投資の参考にすることは十分できるはずです。DAIBOUCHOUさんの他にも様々な方の投資インタビューを掲載していますので、もし良かったらぜひマネックス証券のウェブサイトを覗いてみてください。今月も最後までお読みいただきありがとうございました。ではまた次回!
執筆者プロフィール : 益嶋 裕
マネックス証券 マーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザー
早稲田大学政治経済学部政治学科卒。2008年4月にマネックス証券に入社。2013年からアナリスト業務に従事。2017年8月より現職。現在は「日本株銘柄フォーカス」レポートや日々の国内市況の執筆、各種ウェブコンテンツの作成に携わりながら、オンラインセミナーにも出演中。日本証券アナリスト協会検定会員。
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