iDeCoを含めた資産運用で、ポートフォリオをどうすればいいか悩む人も多いもの。絶対的な正解はなく、他の人のアイデアも参考にしながら、自分なりに考える必要があります。

今回は筆者が考えるポートフォリオの例を、資産額に応じたパターンで紹介します。あくまで1つの考え方ではありますが、投資の参考にしてみてださい。

※この記事は情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではありません。投資に関する決定は、利用者ご自身の判断で行っていただくようお願いします。

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資産運用のポートフォリオとは

ポートフォリオとは、投資先の資産の割合のことを意味します。例えば海外株式50%と国内株式50%といった具合です。

ポートフォリオの組み方は資産形成やリスクに大きく影響します。株式の割合を高めればリスクが高まりますが、成長性も高まります。債券中心にすると価格変動リスクは下がりますが、成長性は低くなります。

ポートフォリオに絶対の正解はなく、どの程度の成長性に期待するか、リスクをどれだけ受け入れるかで、個人が自身で決めていくことになります。

資産の金額別のポートフォリオ例

ここから、iDeCoのポートフォリオ例をいくつか紹介します。なおあくまで筆者の考えなので、参考としていただきつつ、最終的にはご自身で組み立ててくださいね。

100万円未満の場合

資産の合計が100万円未満の場合、まずは資産を増やすスピードを重視すべきかと考えます。よって細かくポートフォリオを組んで分散効果を高めるより、株式に集中投資するのが良いでしょう。

・海外株式:100%

米国株や全世界株のインデックスファンドを利用するのがおすすめです。数百以上の銘柄に投資をしてくれるので、リスク分散にもなります。

国内株をどうするかですが、筆者は今後も海外のほうが成長率は高いと予測するため、なしでも構わないと考えます。

100万円~500万円の場合

少し資産が貯まりだしたタイミングですが、老後に備えるならさらに増やしていく必要があります。よって海外株式100%のままで進めていくのが良いでしょう。

どうしても分散投資をしたい場合は、国内株式を追加するのも良いかもしれません。その場合は、5%~10%程度で十分でしょう。

1,000万円の場合

1,000万円は1つのターニングポイントになります。ここからさらに増やしたい人もいれば、守りに入りたい人もいるでしょう。

守りの要素を強めたい方に向いているポートフォリオとして、下記のように債券を増やす例が挙げられます。

・海外株式:30%
・国内株式:20%
・海外債券:30%
・国内債券:20%

引き続き「攻め」を重視したい方は株式中心で構いませんが、資産額が大きくなると変動も大きくなるため、債券をある程度取り入れると良いでしょう。

・海外株式:60%
・国内株式:10%
・海外債券:20%
・国内債券:10%

2,000万円の場合

2,000万円に到達すると、老後資金への活用が本格的に視野に入ってきます。これから先は成長よりも安定性を重視する方も多いのではないでしょうか。ポートフォリオ例としては、下記のように、債券を中心としたものになります。

・海外株式:20%
・国内株式:10%
・海外債券:30%
・国内債券:40%

資産運用の前提条件

ポートフォリオ例をいくつか紹介しましたが、株式に100%投資する点に不安を感じる方もいるかもしれません。そこで、下記の前提条件を守ることが大切です。

・生活防衛資金を6~12か月分、現金で用意する
・経済的に無理のない掛金に設定する
・インデックスファンドで分散投資をする

万が一のことが起きて生活に困らないためにも、資産価値が下った時に慌てないためにも、現金を別に持っておくことがとても重要です。また毎月の掛金が経済的に無理のない範囲なら、相場がどのような状態でも問題なく積立を継続できます。

投資リスクを下げるため、米国や全世界の株価指数などに連動するインデックスファンドを利用することも重要なポイントです。

連載終了のお知らせ

突然ですが、「40代からiDeCo始めてみました。」の連載は今回で終了となります。これまでお読みいただいた方々に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

iDeCoでの投資は長旅で、時には迷ったり辛いと感じたりすることもあるかもしれません。そんな時は、この連載の過去の記事から何かヒントを見つけていただければ幸いです。

筆者ももちろんiDeCoの積立投資を続けていきます。豊かな老後を目指し、これからも一緒に頑張っていきましょう!