お金を貯めるためには、無駄な支出をしないことが重要です。でも、ついつい「使い過ぎた」、「買うつもりなかったのに」そんな経験は誰しもあるもの。

今回は、この使い過ぎや予定外の支出を減らすための簡単なお金管理術、「予算を決める」ことを紹介します。

  • 貯金上手は予算を決める?

節約上手はお金と向き合う

「予算を決めて、それを意識しながらお金を使いましょう」というのはよく聞く話ですが、今回お伝えしたいのは「長期的に支出の上限を決める予算管理」です。これまた抽象的な言い回しでピンとこないと思いますので、具体的な事例で紹介します。

進学の際、上京するので親からお金を出してもらった、あるいは、出してあげたなど、皆さんは親として、または子どもとして学費に接する機会があったと思います。

このような場合、「仕送り」といった表現を使いながら、毎月一定額親を子供に送金するのが一般的です。大学4年分として一括で入学時にもらう人はほとんどいないのではないでしょうか?

実は、これを実践した人がいます。入学時に「一括か、分割か」本人に選択させ、子どもが一括を選んだので、両親は入学前に全額を渡しました。ただし、「そのお金が無くなっても一切援助はしない」というのが条件です。

結果、その子は4年間でいかに使っていくか? しっかりとお金に向き合い、上手にやりくりし、お金の知識も向上したと聞いています。

貯金上手になると意識が変わる

比較するとスケールは小さいですが、筆者も同様のことを実践しています。2人の娘に対して夏祭りなどで、それぞれ一定額を渡し、「せっかくのお祭りだから、これを使いなさい。そしてもし残ったらお小遣いにしてもよい」とお金の使い方に責任と自由、どちらも与えるのです。

そうすると必死に、ここで射的ゲームをすべきかどうか、ラムネを買って本当に飲みたいのだろうかと考えながらお金を使うようになりました。そして2人はしっかりと楽しんでいます。

ある時、2人ともお金を残しました。使わないのか? 家に帰るよ? と何度確認しても、意思は変わりません。年に1度の特別なイベントであっても、冷静にお金の使い方を判断し、残金を今使わず、お小遣いとして貯めた方が良いという答えを自分たちで導き出したのです。

それ以前は、深く考えることもなく、「あれを食べたい、これも買ってほしい」といった具合に、気付けばそれなりの支出をしていたので、お金への意識が変わったのでしょう。

お金の予算感を意識する

2つの事例で分かりますが、予算は「支出上限」。企業会計等とは違い、予算を超えて支出するということは許されないのです。そして、その上限の範囲内で自由度を高めておくことで、むしろ責任感が生じます。ぜひ、この発想を特に嗜好品や交際費といった科目で適用すると上手な節約につながりますよ。

例えば、タバコ代が気になっている人は「1週間で幾らまで」といった具合に決めるのです。ただし、1週間だと上限に達した場合、しばらく我慢すればすぐに次の週が来てしまうため、期間を長くすることがポイント。

例でいうと大学生活4年間分であったことが奏功しているのです。

「1年間のタバコ支出上限は5万円」これくらいの期間が良さそうです。早い段階でどんどんタバコを買っていると残高が目に見えて少なくなっていきます。なるべく使えるお金を先送りしたいですよね。おそらく少しずつ買い、少しずつタバコを吸うようになると思います。

"次にいつ給油できるか分からない道を運転している"そんな感覚になれば、うまくいくこと間違いなしです。燃費の良い乗り方を常に意識することになります。そもそも、なるべく車を運転しなくていいような方法も考え始めるはずです。本当に毎日タバコが必要だろうか? こういうことと向き合うことになります。

タバコ代用の封筒を作り、その封筒に次の給油ならぬ、給金日を記しておけばすぐに始めることができます。その結果、1年経ち、余っていればきっと充実感に浸れますよ。その分は来年に繰り越すのではなく、しっかり貯蓄に回してくださいね。