住民税非課税世帯には、年金に上乗せされる給付金や、医療・介護の負担を軽くする制度など、さまざまな支援があります。ただし、制度ごとに条件や手続きが異なり、対象になっていても、自分で申請しなければ受け取れないものがあります。今回は、老後に住民税非課税世帯で暮らす人が確認したい支援と、困ったときの相談先をご紹介します。※サムネイル画像:PIXTA

住民税非課税世帯には、年金に上乗せされる給付金や、医療・介護の負担を軽くする制度など、さまざまな支援があります。ただし、制度ごとに条件や手続きが異なり、対象になっていても、自分で申請しなければ受け取れないものがあります。今回は、老後に住民税非課税世帯で暮らす人が確認したい支援と、困ったときの相談先をご紹介します。

◆使える支援を確認する

まず確認したいのは、自分が対象になる給付や負担軽減です。住民税非課税世帯でも、全ての制度を自動的に利用できるわけではありません。条件や手続きは制度ごとに違うため、1つずつ確認しましょう。

◇老齢年金生活者支援給付金

・内容:年金に上乗せされる給付金。月額で算定され、原則として年金と同じ日に2カ月分ずつ受け取ります。

・主な条件:65歳以上で老齢基礎年金を受けている。世帯全員が市町村民税非課税である。前年の年金収入とその他の所得の合計が、82万6500円以下である(昭和31年4月2日以後生まれの場合。昭和31年4月1日以前生まれは82万4100円以下)。障害年金や遺族年金などの非課税年金は収入に含まない。

・給付額:原則として、月額「5620円×保険料を納めた月数÷480月」。40年間(480月)全て納めた場合は、月5620円です。保険料の免除期間がある場合は、別の計算で加わります。

・ポイント:所得が基準を少し超えても、昭和31年4月2日以後生まれの人は92万6500円以下、昭和31年4月1日以前生まれの人は92万4100円以下なら、金額が調整される「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象になる場合があります。

・手続き:年金事務所に請求書を提出します。日本年金機構から請求書が届いたら、内容を確認して手続きしましょう。対象か分からない場合は、年金事務所で確認できます。

参照:年金生活者支援給付金制度について | 厚生労働省

◇高額療養費

・内容:1カ月に支払う医療費の自己負担に、上限を設ける制度。

・70歳以上で住民税非課税の場合:2026年8月から、月額の上限は2万5700円(世帯)です。外来のみの場合は、個人で月1万1000円が上限です。所得がより低い区分では、月額1万5700円です。

・対象外:差額ベッド代や入院時の食事代は、対象になりません。

・窓口:加入している健康保険(国民健康保険や後期高齢者医療制度など)。

参照:高額療養費制度を利用される皆さまへ | 厚生労働省

◇高額介護サービス費

・内容:1カ月に支払う介護サービスの利用者負担に、上限を設ける制度。

・上限の目安:世帯全員が住民税非課税なら、世帯で月2万4600円です。所得や年金収入がごく少ない人は、個人で月1万5000円になります。

・手続き:対象になる人には、市区町村から案内と申請書が届くのが一般的です。届かない場合は、介護保険の窓口へ問い合わせましょう。

◇介護施設の食費・居住費の軽減(介護保険負担限度額認定)

・内容:施設への入所やショートステイを利用したときの、食費と居住費(滞在費)が軽くなります。

・主な条件:世帯全員が住民税非課税で、預貯金などが基準以下であることです。単身で500万円~1000万円以下(収入に応じて段階が分かれます。夫婦の場合は、基準額が高くなります)。

・手続き:市区町村の介護保険の窓口へ申請し、認定証を受け取ります。

◇国民健康保険料の軽減

・内容:世帯の所得が一定以下だと、保険料のうち、被保険者一人ひとりにかかる分などが7割・5割・2割軽くなります。

・手続き:多くの自治体では、申請は不要です。所得をもとに、自治体が判定します。

◇介護保険料の所得段階

・内容:介護保険料は、所得に応じた段階で決まります。住民税非課税の人は、低い段階に分けられます。

・ポイント:金額は自治体ごとに違います。毎年届く通知書で、確認しましょう。

このほか、自治体が独自に行っている支援もあります。お住まいの市区町村の広報誌やホームページも、確認してみましょう。

◆自治体の生活相談窓口を利用しよう

生活が厳しい場合は、一人で抱え込まず、自治体の生活相談窓口へ相談しましょう。生活困窮者自立支援制度の相談窓口では、家計や仕事、住まいなどの困りごとを相談できます。

介護や高齢者の暮らしに関する相談は、地域包括支援センターも窓口になります。どこに相談すればよいか分からない場合は、市区町村の代表窓口に困っている内容を伝え、担当につないでもらうこともできます。

相談前に、毎月の収入、家賃や保険料などの支出、手元の貯蓄を簡単に書いておくと、状況を伝えられます。使える支援は、条件に当てはまっても、申請しなければ受け取れないものがあります。まずは窓口に確認し、生活の支えにしていきましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)

会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。

文=舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)