会社を退職して年金生活になっても、所得税や住民税の支払いがなくなるとは限りません。特に退職した最初の年は、前年の所得に対する住民税を支払うため、負担が重くなることがあります。定年後の税金の仕組みや、公的年金から差し引ける控除について確認しておきましょう。※サムネイル画像:PIXTA

今回は、『いちからわかる! 定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2026-2027年最新版 (impress mook)福地健 (監修)、酒井富士子(編集)』(インプレス)より、定年退職後に支払う税金の仕組みについてご紹介します。

◆税金の仕組みを理解して定年後の支払いに備える

会社員時代は給料から税金が天引きされていましたが、定年後は注意が必要です。

会社員として働き続ければ天引きは続きますが、それ以外の場合は、確定申告をして税金を払う手続きが必要なケースも。また、老齢年金受給後は所得税・住民税が年金から天引きされますが、最初の年の住民税は納付書で支払います。

税金は収入全額にかかるのではなく、公的年金等控除額など、各種控除を差し引いた課税所得に税率を掛けて算出します。特に注意したいのは住民税。前年の所得に対して当年6月から翌年5月に支払う仕組みのため、最初の年は退職前の所得に対する住民税を請求され負担が重くなります。

税金は収入全額にかかるのではなく、各種控除を差し引いた課税所得に税率を掛けて算出します(出典:『いちからわかる! 定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2026-2027年最新版(impress mook)』(インプレス)より)

◆2026年分から年金収入だけであれば、年金額が214万円未満であれば所得税は0に

なお、所得税は2026年分から基礎控除引き上げにより、収入が公的年金だけの場合、年金額が214万円未満(65歳未満は164万円未満)であれば所得税は0になります。

所得税と住民税はいくらかかる?(出典:『いちからわかる! 定年前後のお金と手続き 得する働き方・暮らし方ガイド 2026-2027年最新版(impress mook)』(インプレス)より)

また、その他の所得控除がある場合、所得税がかからない年金額はさらに大きくなります。例えば、扶養する配偶者がいる人は、「扶養親族等申告書」を日本年金機構へ提出すれば、配偶者控除を受けられ、課税所得を減らせます。※実際の適用は2026年12月からとなりますので、12月支給の年金額から調整されます。

文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)

「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。

文=酒井 富士子(経済ジャーナリスト)