日本人打者の黄金期突入!?「次に世界で通用するスラッガー」候補6人。村…

 

 連日のように、日本人選手の本塁打が飛び出している。今季からメジャーの舞台に戦いの場を移した村上宗隆内野手が1日(日本時間2日)にメジャー単独トップとなる13号本塁打を放つと、岡本和真内野手は同日2打席連続弾。加えて大谷翔平、鈴木誠也の長打力は今季も健在だ。

 

 かつて「長打力」は日本人選手が世界で戦う上で最も大きな壁の一つとされてきた。メジャーで中軸を打ち、本塁打を量産する日本人打者がこれほど当たり前のように語られる時代は、10年前には想像しにくかったかもしれない。

 

 そして今、大谷・鈴木、村上・岡本に続くように、世界へ名を轟かせる可能性を秘めたスラッガー候補が次々と現れている。今回は、近い将来メジャーの舞台で注目を集めるかもしれない日本人スラッガーに焦点を当てる。

 

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佐藤輝明(阪神タイガース・満27歳)

[caption id="attachment_260940" align="aligncenter" width="1200"] 阪神タイガースの佐藤輝明【写真:産経新聞社】[/caption]

 

 

 

 その筆頭格と言えるのが、阪神タイガースの佐藤輝明だ。

 

 左打者にとって本塁打を量産するのが簡単ではない甲子園を本拠地としながら、昨季40本塁打、MVPの活躍を見せた存在感は圧倒的。打球の飛距離は、大谷翔平を彷彿とさせるほどのスケールを持つ。今季も打撃主要部門でトップクラスの成績を残しており、日本球界ではまさに無双状態に近い。

 

 特筆すべきは、単なる本塁打数だけではない。NPB公認アプリ『NPB+』によると、今季の最高打球速度は187.2キロで、これは今季のMLB上位5人に相当する水準だ(※米公式データサイト『Baseball Savant』参照)。また平均打球速度も約155キロ、ハードヒット率は60%超、バレル率も20%超など、打球の質そのものが規格外の領域にある。次にMLBへ向かう日本人野手の筆頭候補として名前が挙がるのも当然だろう。(それぞれ5月2日時点)

 

万波中正(北海道日本ハムファイターズ・満26歳)

[caption id="attachment_260940" align="aligncenter" width="1200"] 北海道日本ハムファイターズの万波中正【写真:産経新聞社】[/caption]

 

 

 

 

 北海道日本ハムファイターズの万波中正も、世界を意識させるスラッガーの一人だ。

 

 50打席以上に立った選手の中で、平均打球速度156.6キロは12球団トップ。この数値は今季のMLBでも十指に入るレベルに相当する。さらに最高打球速度184.4キロはパ・リーグトップ。ハードヒット率も60%を超え、バレル率も20%に達している。数字だけを見ても、打球の強さは球界屈指であることがわかる。(それぞれ5月2日時点で『NPB+』参照)

 

 加えて万波の魅力は、打撃だけにとどまらない。外野守備では球界随一とも言える強肩を誇り、守備面でも強烈なインパクトを残せる選手だ。単なる長距離砲ではなく、攻守にわたってスケールの大きさを感じさせる存在。メジャーでスタメンを勝ち取れる「攻守揃ったパワーヒッター」としての資質を備えている。

細川成也(中日ドラゴンズ・満28歳)

[caption id="attachment_260940" align="aligncenter" width="1200"] 中日ドラゴンズの細川成也【写真:産経新聞社】[/caption]

 

 

 

 現役ドラフトの“出世頭”となった中日ドラゴンズの細川成也も、打球速度という点では見逃せない。

 

 『NPB+』によれば、5月2日時点で最高打球速度187.3キロは12球団トップ。パワー自慢の外国人選手たちをも上回る数値であり、一打の破壊力では日本人打者の中でも最高峰に位置する。平均打球速度143.1キロ、ハードヒット率40.0%も比較的高水準で、率を残せるのも魅力だ。

 

 今年本拠地バンテリンドームに「ホームランウイング」が設置された。これまで本塁打が出にくい球場を本拠地としてきた細川にとって、環境面の変化は追い風になる可能性がある。キャリアハイの24本塁打を超え、30本台に乗せるようなら、その評価はさらに高まるはずだ。持ち前の打球速度と長打力が安定して結果に結びつけば、MLB球団の視線を集める存在になっても不思議ではない。

 

森下翔太(阪神タイガース・満26歳)

[caption id="attachment_260940" align="aligncenter" width="1200"] 阪神タイガースの森下翔太【写真:産経新聞社】[/caption]

 

 

 

 阪神タイガースの森下翔太も、次世代スラッガーとして存在感を高めている。

 

 ハードヒット率は50%を超え、セ・リーグ本塁打トップを争う長打力を発揮。打席での雰囲気、勝負どころでの強さ、そして大舞台で結果を出す胆力は、ほかの候補者とはまた違った魅力だ。(それぞれ5月2日時点で『NPB+』参照)

 

 森下の強みは、単なるパワーだけではない。ポストシーズンや国際大会のような緊張感のある舞台で力を発揮できるタイプであり、WBCのベネズエラ戦で放った一発は、その象徴的な場面だった。ここぞの場面で「何かやってくれそうな空気」をまとえる打者は、短期決戦で価値が高い。メジャー球団にとっても、その勝負強さは大きな魅力に映るのではないだろうか。

清宮幸太郎(北海道日本ハムファイターズ・満27歳)

[caption id="attachment_260940" align="aligncenter" width="1200"] 北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎【写真:産経新聞社】[/caption]

 

 

 

 北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎も、いよいよ本格化の気配を漂わせている。

 

 打撃主要項目の多くで上位にランクインし、かつての「未完の大器」というイメージから、チームを背負う中軸打者へと変貌している。ハードヒット率は40%超、最高打球速度177.3キロ、平均打球速度146.5キロ。高校時代から注目され続けたパワーは、プロの舞台でより実戦的な形へと磨かれている。(それぞれ5月2日時点で『NPB+』参照)

 

 清宮が放つ本塁打の放物線の美しさは度々話題になるが、ツボにはまった時の打球は、世界のファンも釘付けにするだけのポテンシャルを持っている。同級生の村上の活躍も刺激に、さらなる飛躍を目指したい。

 

佐々木麟太郎(スタンフォード大・満21歳)

[caption id="attachment_260940" align="aligncenter" width="1200"] スタンフォード大の佐々木麟太郎【写真:産経新聞社】[/caption]

 

 

 

 そして、まだNPB入りしていない選手にも注目株がいる。佐々木麟太郎だ。

 

 花巻東高から米スタンフォード大へ進んだ佐々木は、今季大学リーグで14本塁打、OPS.998(日本時間5月2日時点)を放つなど、そのパワーを早くも証明。高校時代から圧倒的な長打力で知られた左の大砲は、米国の舞台でも着実に存在感を高めている。

 

 昨年のドラフト会議では、福岡ソフトバンクホークスが1位指名し、抽選の末、交渉権を獲得した。一方で、今年のMLBドラフトにかかる可能性もあると見られており、その動向には日米双方から注目が集まる。

 

 日本でプロ入りするのか、それとも米国でキャリアを進めるのか。いずれの道を選んだとしても、佐々木の長打力がプロの世界でどこまで通用するのかは、大きな関心事となる。

 

 

 

 いまや日本人スラッガーは、「国内専用」という枠に収まらない。

 

 佐藤輝明、万波中正、細川成也、森下翔太、清宮幸太郎、そして佐々木麟太郎。彼らに共通するのは、単に本塁打を打てるだけではなく、打球速度、ハードヒット率、バレル率といった現代野球の指標でも高い数値を残している点だ。つまり、彼らの長打力は偶然ではなく、再現性を伴った“本物のパワー”である。

 

 大谷翔平が切り開いた道の先に、次の世代が続こうとしている。

 

 10年前には考えられなかった光景が、いま日本球界では現実になっている。世界に通用するスラッガーは、まだまだいる。日本野球の新たな黄金期は、パワーヒッターたちのバットから始まっているのかもしれない。

 

【了】