カストロは打たないんだけれど打てばホームラン。不思議な持ち味も悩まし…

長打率だけは高いかっちゃん

 5/1のオリックス7回戦(於・エスコン)、ヒーローインタビューのお立ち台に立ったのは新外国人選手、ロドルフォ・カストロだった。3回裏、曽谷龍平から放った4号逆転3ランが決勝点となり、過酷なGW移動ゲーム(オリックスは移動日あり)に勝利したのだ。打ったのは外角の変化球。ストレート待ちでよく対応できたと思う。バット軌道がコンパクトで鋭い、一気にレフトスタンドに運んでしまった。ヒーローインタビューでは「優勝宣言」も飛び出し、場内を笑顔にさせた。実際はこの日の結果でようやく最下位を抜け出し、借金2ながら4位浮上を果たしたところなのだ。

 

 いや、だけど水野達稀が名付けたという愛称「かっちゃん」がハマりだした。ちなみに水野は達稀だから「たっちゃん」らしい。最初は野村佑希がセカンドに挑戦するというのに「何で球団は内野手獲ってくるんだよ」という感じだったのだ。一応、メジャー経験はあるけれど中途半端な印象だった。レイエスのような大砲タイプならともかく、180センチ90キロ級の選手なら今は日本人にも大勢いる。ていうか万波中正、水谷瞬はもうワンサイズ大きいのだ。レイエスと同じドミニカ共和国出身ということで、コミュニケーションはスムーズそうだが、下手するとずっと鎌ケ谷暮らしになってレイエスと会話する機会がないかも、と心配していた。

 

 不思議な持ち味の選手だった。まずとにかく性格が良さそう。いつもニコニコしていて、例えば打てないときにモノに当たる(バット叩きつける、ヘルメットを投げる等)ところがない。で、あんまり打たないのだが、打つとすごいのだ。来日して「2安打すべてがホームラン」という珍記録が話題になったとき、メジャーでも昇格して「2安打すべてがホームラン」だったと聞いて笑ってしまった。いや、それが海を渡って大活躍の村上宗隆(ホワイトソックス)のようにホームランを量産しているわけじゃないのだ。基本は打たない。打たないんだけど打ったときはホームランという、ユニークな個性なのだ。5/1時点で打率は.194、安打数たったの6だが、そのうち4がホームランだ。ぜんぜん確実性はないのだけど、長打率だけはむちゃくちゃ高い。で、ヒーローインタビューで「エヘヘ」と笑うし、調子よく「優勝宣言」したりする。何だかつかみどころのない「かっちゃん」なのだ。ファイターズファンはその不思議な個性に魅了されつつある。

 

エラー以降はセンターで起用だが……

 僕は4月最後の西武3連戦(於・ベルーナドーム)に日参したので、ヒーローインタビューの「アリガトゴザイマス、エヘヘ」も聞いたし、新庄監督に「ちょっと上手い中学生でも捕れてた」と評された痛恨のエラー(捕球ミス)も見た。つかみどころのなさ満点なのだ。フツーは1軍(再)昇格・即同点2塁打&決勝ホームラン(3号)の大活躍を果たしたら、そこから波に乗ってガンガン打ちまくる的なストーリーを思い描く。それが4/28、西武4回戦のヒーローが翌29日、5回戦の「中学生以下」のエラー男だ。打撃成績も4-1、3-0のシングルヒット1本とさっぱり振るわない。こりゃまたすぐ落とされるぞと思った。それがエスコンで殊勲の3ランだ。一体使えるのか使えないのか?

 

 面白いのは内野手登録の「かっちゃん」だというのに、「中学生以下」のエラー後はセンターで起用されていることだ。野村佑希と併用で、「セカンド野村、センターカストロ」の布陣になっている。これは通常ならカストロが本職の内野をやって、センター野村じゃないかと思う。ところが「かっちゃん」が「ちょっと上手い中学生でも捕れてた」送球を落してしまって以降、セカンド起用は避けられている。まぁ、現地で目撃した感想を率直に言わせてもらうなら「あれは僕でも捕れた」。ファイターズファンは皆、悲鳴を挙げ、ライオンズファンからは失笑がもれた。まぁ捕球イップスになられても困るので当分、外野で使うのは賛成だ。ただ(本職を押しのけて)外野で使う価値があるか。疑問はその一点に集約される。

 

 が、使う価値があるオリックス7回戦なのだった。先週、3タテを喫したオリックス相手に先勝の大殊勲だ。確実性はないので、この後、活躍するかどうかはわからない。ひょっとするとレイエスがそうだったように日本野球にアジャストして、主力選手に成長するのかもしれない。あるいはこのままずっとつかみどころのない不思議な選手として、1軍と2軍を行ったり来たりするのかもしれない。思えば今シーズンの不安定なファイターズの特徴、「ホームラン」と「エラー」を象徴的に見せている選手だ。願わくばチームも「かっちゃん」も調子が上向きますように。