
2026年4月10日から12日まで幕張メッセで開催されたオートモビルカウンシル。国内外の歴史あるクルマが集結した希少な空間でしたが、今回はホンダブースで展示した初代NSXのレストアプロジェクトについて、その経緯や内容を担当者に聞いてみました。
【画像】初代NSX。あのころの走りを復活させる復刻パーツ供給&レストア事業
■圧倒的に高いNSXの残存率
-ーまず、今回展示している「Honda Heritage Works(ホンダ ヘリテージワークス)」の展開について経緯を教えてください
「もともと、初代NSXについては1993年からリフレッシュプランとして20項目ほどのメニューを展開してきましたが、パーツの供給が難しくなったこともあり今年の3月末で一旦終了しました。ただ、最近は他社さんもヘリテージ事業を始めていることもあり、ここで活動を止めてしまうのは惜しいという声が挙がったんですね(四輪事業本部 カスタマーファースト総括部 テクニカルサービス部 ヘリテージワークス課 加藤 諒さん(以下同)」
-ーそこで本事業が立ち上がったワケですが、その際にNSX以外の車種は候補に挙がらなかったのですか?
「はい、やはりそういう声もあって、じつはリスタートにあたり弊社商品の残存数の調査を行いました。その結果、初代NSXの残存率が約8割と圧倒的だったんです。同時に他社さんのスポーティカーも調べたのですが、これほどの率はほとんど見当たりませんでしたね」
-ー新事業はレストアとパーツ供給の2本柱ですが、「ヘリテージパーツ」では「純正復刻部品」と「純正互換部品」の2種類の展開になっていますね
「パーツについては当時取引をしていた業者さんへの相談から始めたのですが、一旦は終えた事業でもあり、当然復刻は難しいケースが多かった。その場合、新たな材料や製法で再現しようというのが純正互換部品となります。例えば、今回展示しているオイルポンプは、通常は型取りのところを何と総削りで作っているんですよ(笑)。何万個も作るワケではないので、じつはそのほうが安くできるんです」
-ー金属部品だけでなく、内装パーツも当時の業者さんに相談したのですか?
「はい。その結果、今回ドアの布製パッド部分を復刻することができました。また、これはまだ販売してはいませんが、展示車のインパネやドア内張りの革部分は、当時と同じ表皮を入手して手張りをしているんです。パーツは現在販売しているものと今後の販売予定品がリストに載っていますが、じつはそれ以外に準備しているモノが数多くあるんです」
-ーこのプロジェクトは1月の東京オートサロンの会場で一般の人に向けて初めて発表されましたが、その後の反響はいかがでしょう?
「非常に好評で、レストアとパーツ供給のいずれも申し込みをいただいています。レストアについては現在初期型のみの対応ですが、後期型はいつ対応するのか?という声や、さらには他の車種のパーツ供給は? というお問い合わせもあります。いま弊社のウェブサイトではパーツのリクエストを募っているのですが、じつはNSXよりほかの車種の希望の方が多い。その点は私たちもしっかり受け止めて今後の展開に生かしたいと考えています」
-ーホンダのネオクラシック車への対応はぜひ期待したいですね。本日はありがとうございました。
〈文と写真=すぎもと たかよし〉
■ホンダ ヘリテージワークスは旧型スポーツカーの復刻部品供給とレストアサービスを提供
ホンダの旧型スポーツタイプの車種を対象に、販売終了となった部品の復刻供給と、レストアサービスを行うホンダ ヘリテージワークス。2025年12月12日にプロジェクトを発表し、2026年1月の東京オートサロン2026で同サービスの第一弾となる初代NSXのレストア プロトタイプを出展した。
4月1日からのサービス開始を受け、あらためて旧車の祭典オートモビルカウンシルにて初代NSXの展示を行った。
●純正部品の復刻供給「ホンダ ヘリテージパーツ」
純正部品の供給は当時と同様の材料・製法で再生産する「純正復刻部品」と、これまで販売終了となっていた部品を新たに「純正互換部品」として再開発して復刻する2通りの部品の供給方法がある。
ホンダヘリテージパーツは全国のホンダカーズを通じてオーダーが可能だ。
●新たなレストアサービス「ホンダ レストレーションサービス」
これまで初代NSXを対象に行ってきた「NSXリフレッシュプラン」に代え、ホンダヘリテージパーツも活用してオリジナルの性能や質感などを可能なかぎり再現する、新たなレストアサービス「ホンダ レストレーションサービス」へと一新。
あわせて、従来NSXリフレッシュプランを運営してきた栃木県高根沢の施工工場名称を「Hondaヘリテージワークス高根沢」に改称し、ホンダにしかできない本格的なレストアサービスを提供していく。
サービスメニューは、エンジンやサスペンション関連など、要望の多い運動性能に関わる項目をパッケージ化した「基本レストア」と、これに加えて外装と内装の施工、個体のコンディションに応じて、より細やかで総合的な作業を施す「トータルレストア」の2種類を用意する。
ホンダ レストレーションサービス1月上旬から初代NSX(NA1-100型)を対象に全国のホンダカーズを通じて申し込みを受け付けており、4月より施工を開始する。
[ホンダ レストレーションサービス サービスメニュー]
・車体からエンジンを降ろしての各部部品の交換、清掃、内部点検
〈基本レストア:○、トータルレストア:○〉
・サスペンション関連部品の交換
〈基本レストア:○、トータルレストア:○〉
・ドアなどの各開口部関連の経年劣する部品の交換、調整
〈基本レストア:○、トータルレストア:○〉
・外装レストア
(ホワイトボディ状態に分解した上で全塗装)
〈基本レストア:オプション、トータルレストア:○〉
・内装レストア
(シート、インパネ、ドアライニング、操作系の表皮張り替え)
〈基本レストア:オプション、トータルレストア:○〉
サービス開始時は初代NSXを対象としているが、将来的にはほかの旧型スポーツタイプの車種にも対象を広げていく予定だ。
ホンダ ヘリテージワークスの詳細はこちら(公式ウェブサイト)