ロシュ・ダイアグノスティックスは4月8日、「子宮頸がん検診に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2025年11月28日~12月1日、全国の30~60歳の女性2,047名を対象にインターネットで行われた。
未受診者の主な理由は「なんとなく」が最多
直近2年以内に子宮頸がん検診を受けていない理由は「なんとなく」(43.3%)が最多となり、次いで「忙しい」(11.9%)、「症状がないため」(11.4%)と続いた。未受診期間が長くなるほど「なんとなく」の割合が高まる傾向も確認された。
2番目に多い理由である「忙しい」については、前回は3~5年以内に検診を受診した層はその割合が22.1%に達し、2年以内受診なしの全体平均(11.9%)を大きく上回っている。この層にとっては、時間的な制約が受診の大きな物理的障壁となっていることがわかる。
一方で、直近2年間は受診していないものの、過去に受診経験のある層の8割以上が「定期的な受診の必要性」を認識している。この「定期受診の必要性に対する高い認知」と「実際の行動」のギャップを埋めるためには、個人の意識啓発に留まらず、受診を阻む心理的・物理的なハードルを構造的に改善し、受診停滞期にある層を具体的な受診行動へと促すことが必要と考えられる。
「HPV検査単独法」の認知度は未受診者間で20%に留まる
国内では2024年4月より、厚生労働省の指針に基づき一部の市町村では「HPV検査」の導入が始まった。このことに対して「具体的な内容を知っている」、「ある程度知っている」のは未受診者間で20.0%に留まり、約8割がこの新しい選択肢を認知していないことが判明した。
一方で、2年以内に受診歴がある層では「HPV検査」の認知度が39.6%と、未受診者との間に約20ポイントの差があり、検診から遠ざかっている層と比較して、より積極的に検診に関する情報を受け取っていることわかる。
「5年に1回」新たな選択肢が受診率向上に寄与か
HPV検査は、従来の細胞診よりも高い精度でリスクを判定できるのが特徴で、検査結果が精密検査不要(HPV検査陰性)であれば、次回の受診期間を「2年に1回」から「5年に1回」に延ばすことができる。本調査において、この「5年に1回のHPV検査」の説明後、直近2年間未受診のうち41.1%が「受けようと思う気持ちが強くなる」と回答した。さらに「忙しい」を比較的に高い割合で理由に挙げ、受診から近年遠ざかっている層(前回は3~5年以内に受診)では、61.9%が受診に前向きな意向を示している。従来の「2年に1回」の子宮頸がん検診に加え、「5年に1回」という新たな選択肢が増えることは、検診の受診率向上に寄与する可能性を示しています。
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新しい選択肢「HPV検査(HPV検査単独法)」では、これまで2年に1度だった子宮頸がん検診を、精度を保ったまま5年に1回に延ばすことが可能とされています。検診の頻度が5年に1回になることで、あなたは子宮頸がん検診を受けようと思う気持ちに変化がありますか
知識・情報認知の状況
今回の調査では、子宮頸がん検診の未受診期間が長い層ほど、検診や疾患に関する知識・情報認知が低い傾向にあることも明らかになった。例えば、子宮頸がんは「自覚症状がないまま進行すること」や「早期発見・早期治療で治ること」といった疾患リスクに関する知識が、直近2年以内に受診した層に比べて、未受診層の平均は20ポイント以上低いことがわかる。未受診期間が長い層に対しては、子宮頸がん検診の具体的な価値と、その重要性を浸透させていく必要がある。
受診を促す最大の要因
直近2年以内に受診した層に、子宮頸がん検診を受診したきっかけを聞いたところ、主な要因は、「市町村からのクーポン・案内状」であることが明らかになった。受診層の40.5%が受診のきっかけとして挙げており、これは「かかりつけ医からの勧め」(17.9%)や「職場からの勧め」(16.1%)を大きく上回っている。また、有職者に限定した場合でも「市町村からのクーポン・案内状」(36.8%)が最多となり、「職場からの勧め」(21.1%)よりも高い割合だった。これらの結果は、受診の準備や費用負担に関する障壁を取り除く具体的な情報提供が、受診の意思決定を後押ししていると考えられる。
さらに、市町村が実施する子宮頸がん検診の認知度を調査したところ、直近2年以内に受診していない層においても、76.2%が自治体検診の存在を「知っている」と回答している。自治体検診に関する基本的な情報は広く浸透していることがわかる。一方で、自治体検診の認知度が高いにもかかわらず、受診に至っていない現状において、未受診者に実際の受診行動を促すには、心理的・物理的な障壁を取り除き「行動に移す」ためのさらなる具体的なアプローチが必要とされる。








