日本テレビの福田博之社長は3月30日の定例会見で、同局が中継制作を担ったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)について、「ライブ中継の地上波放送がかなわなかったことは残念」としながらも、制作面では高い評価を得たと振り返った。あわせて、次回大会での地上波中継実現について問われると、「もちろんです」と放送への強い意欲を示した。

  • WBC東京プールが開催された東京ドーム

    WBC東京プールが開催された東京ドーム

福田社長は、今大会について「ライブ中継の地上波放送がかなわなかったことは残念ではありますが、当社が制作したWBC中継はMLBの方からも高い評価を得ることができました」と説明。大会期間中には関連番組も複数編成し、情報番組や報道番組も含めて「多くの生活者の皆さまにWBCの感動や興奮をお届けすることができたと思っております」と一定の手応えを語った。

岡部智洋取締役は編成面でも、『ワールドベースボールクラシック詳報』など関連番組を9枠放送し、その多くで個人視聴率横並びトップを記録したと報告。「国民的関心事であるWBC、そして侍ジャパンの戦いぶりを『より詳しく、より深く見たい』という視聴者の皆さまのニーズに、スピード感を持って可能な限りお応えできたのではないか」と振り返った。

一方で、今回の大会を通じて改めて浮かび上がったのが地上波の役割だ。岡部取締役は、Netflixが公表したWBC47試合の視聴人数が3,140万人、さらに2023年大会でビデオリサーチが推計した日本戦7試合のリアルタイム視聴人数が9,446万人という数字に触れながら、「全世代、もしくはファンでいうとコア層ではなくライト層、そういう世代にリーチする地上波の役割を再認識した機会でもありました」と受け止めた。

視聴者の反響について福田社長は、「やはり地上波で放送しないのはなぜかと、放送してほしいというご要望の声が圧倒的に多かったと思います」と明かす一方、報道番組や情報番組でWBCを伝えたことについては、感謝の声もあったとした。

次回大会については、現時点でスケジュールも含めて不透明だとし、「主催者がどう考えるかというところからスタートするものだと思っています」と慎重な姿勢。ただ、自身の願望として放送したいかと問われると、即座に「もちろんです」と返答。

さらに、地上波中継を実現するための考えについては、「WBCを地上波で中継したい、それが日本テレビであればうれしいということがまず第一」とした上で、「それを実現させるために何が必要なのかについては、これからの研究であり、検討であり、決心であるのかなと思っています」と語った。

その課題としては、やはり放送権料を含む経済条件を挙げ、「潤沢に制作費があれば高い放送権利金でも購入することはできますけれども、そういう経済的な事情が第一にある」と説明。「今後もその辺をどのように解決していくか考えなければいけない。当然、日本テレビだけの問題ではないと思っています」と、業界全体にも関わるテーマとの認識を示した。