第一三共ヘルスケアは4月1日、日本橋の本社ビルで2026年度入社式を開催した。同社は2006年に営業を開始しており、今年は発足20周年という節目の年にあたる。期待と緊張が入り混じる空気のなか、次世代を担う若手のひとりひとりが「20年後の未来」を語り、社会人としての第一歩を踏み出した。
内田社長「“人数×感動”の掛け算が価値を生み出す」
入社式では冒頭、第一三共ヘルスケア 代表取締役社長の内田高広氏が登壇。新入社員に向けて訓辞を述べた。
第一三共ヘルスケアについて、内田社長は「完成された大企業ではなく、成長途中の挑戦し続けている会社」と定義する。そのうえで、「発足以来、生活の質の向上に貢献するという使命を掲げ、生活者の幅広いニーズに応えられるよう商品ラインナップを拡充し、OTC(一般用医薬品)市場のリーディングカンパニーとして、スイッチOTCの拡大やセルフメディケーション税制といった制度面の充実にも尽力してきました」と強調した。
業績面では、2025年度が4年連続で過去最高売上・利益となる見込みであることを報告。こうした状況を踏まえ、内田社長は「売上や利益は単なる数字ではありません。私たちの商品を選んでくださったお客様の人数と、商品を使って感動していただいた感動。この『人数と感動』の掛け算で成り立っていることを覚えておいてください」と念押し。「お客様に喜んでいただき、また誰かに伝えたくなる。そのサイクルを作り出すことが皆さんの仕事です」と語りかけた。
さらに、内田社長は最近の大きな挑戦として、今年2月に発売した緊急避妊薬「ノルレボ」のスイッチOTC化についても言及。社会的意義が大きい一方で世の中からは賛否両論もあり、極めて難しい判断を迫られるプロジェクトだったと振り返る。
「それでも私たちは挑戦する道を選びました。必要とされる方がいれば、その方にきちんと届けることが第一三共ヘルスケアの存在価値だと考えたからです。挑戦とは、決して派手なことをすることではなく、『覚悟を持って一歩踏み出すこと』。皆さんのフィールドは無限大です。失敗から学び、仕事そのものを楽しむ人生を歩んでほしいと願っています」
「今日から仕事ができることが非常に楽しみ」
入社式では新入社員による抱負発表の場も設けられ、「20年後にどんな存在になりたいか はじめの一歩として今年1年間取り組むこと」をテーマに、全新入社員がプレゼンを行った。
技術系総合職として入社した新入社員は、「私は新たな価値を創出し、その技術を応用、製剤化することで、生活者、お客様に寄り添った製品を生み出す存在になりたいと思っています」と表明する。
「私の強みである挑戦心と好奇心を生かし、何事にも全力で取り組んでまいりたいと思います。全力で取り組むという当たり前の継続を意識し、1年間励みます。また、世にないものを生み出す難しさに直面する中で、自分の考えを持ち、失敗を恐れずに発信・議論することでより良いものを生み出せるようになりたいです」
一方、営業系・企画系総合職として入社した新入社員は、「20年後には部署に関係なく、『任せれば大丈夫』と言われる存在になりたいです。会社名だけでなく、部署として信頼を得ることで、商品を買っていただけるような関係を築くことが目標です。技術系の方が試行錯誤して作った製品の魅力を最大限に伝え、将来的には部下の個性を引き出せる環境を提供したいと思っています」と目標を語る。
さらに、「そのための第一歩として、ラグビー部で培った行動力を活かし、インプットからアウトプットまでのスピードを徹底的に高めます。実践の中で改善を重ね、成長サイクルを早めていきたいと考えています」と訴えた。
式の終了後、この日の感想を訪ねてみると、「内田社長が新入社員に寄り添った言葉をかけてくださったことで、この会社に入って良かったと感じました」と振り返り、「周りには社会に出ることに不安を感じている友人もいますが、僕は今日から仕事できることがすごく楽しみです。明日からの研修に向け、高いモチベーションを持って取り組めると確信しています」とポジティブな姿勢を示した。
新入社員は式典後、葉山にある研修施設にバスで直行。早くも研修過程へと進む。先に発表した技術系総合職の新入社員は「薬学のことを学べるという意味でも、人間関係を築けるという意味でも非常に素晴らしい環境だと思う。本当に楽しみです」と笑顔を見せ、日本橋の本社ビルを後にした。




